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【 社 会 】
・ 政党政治と圧力団体
[ 要 点 ]
◆政党とは、政治上の主義・主張を同じくする者が行動を共にし国家権力の獲得を目指す政治的集団のことをいう。
◆政党か否かを問わず、あらゆる政治団体は政治資金規制法らよって毎年の収支について報告することが義務付けられている。
◆55年体制とは、1955年の社会党統一とそれに続く保守合同により成立した自由民主党と日本社会党の2大政党制のことをいう。
◆政党制の形態は、二大政党制と多党制に大別され、アメリカ、イギリスが二大政党制を採用し、フランス、イタリアが多党制を採用している。
◆日本の政党は、政治資金の大部分を寄付金(献金)で賄っている。
◆圧力団体とは、政府・議会・行政官庁・政党に圧力をかけ、政策決定に影響を与え、特殊な利益を得ようとする団体をいう。
◆圧力団体は各団体の利益を追求するものであり、特定の政党との結びつきが強い。
◆圧力団体は政権獲得を目的とはしない。
◆圧力団体は通常社会的・政治的責任をとることはない。
1、政党の意味
政党とは、政治上の主義・主張を同じくする者が行動を共にし国家権力の獲得を目指す政治集団のことをいう。
今日の議会制民主主義の下にあっては、政党は国民の支持を得て議会で多数の議席を取り政権を獲得することを目標としている。
2、二大政党制・小党分立制
(1) 二大政党制
イギリス(保守党と労働党)やアメリカ(共和党と民主党)のように2つの大政党が政権獲得を競い合う政党制を二大政党制という。
二大政党制は、単独政権により政局が安定する、政治上の責任の所在が明確である、また有力な反対政党の存在のため独善的にならない、という長所を有する。
一方、政権の長期独占の危険があり、国民の多様な政治意思を十分に吸収し得ないといった短所を有する。
(2) 小党分立制(多党制)
フランスやイタリアのように、有力な3つ以上の政党が議会に議席を持っている場合を一般に小党分立制という。
小党分立制は、国民の多様な意見を比較的政治に反映でき、連立政権によって政策に弾力性ができるといった長所を有する。
一方、連立政権のため政局が不安定になる、政治上の責任の所在が不明確になるといった短所を有する。
(3) 単独政党制
旧ソ連や中国のように強力な一党による政治を単独政党制という。
単独政党制は、政局が安定・長期化する、強力な政治の実現が可能であるといった長所を有する。
一方、政策が固定化し、融通性に欠ける、少数幹部の独裁の危険性があるといった短所を有する。
3、日本の政党政治
(1) 55年体制
1955年には、分裂していた社会党の左派と右派が統合され、他方、自由党と民主党が統合され自由民主党が結成された。以後1993年まで、自由民主党と社会党によって政党政治が運営されていくことになるが、これを55年体制という。
もっとも、社会党は自民党の2分の1以下の議席しか確保しておらず、1か2分の1政党制と揶揄された。
(2) 55年体制の崩壊
1993年、日本新党、新生党、新党さきがけなどの保守新党と社会党・公明党・民社党などの各党が、日本新党の細川代表を首班とする非自民・非共産連立政権を誕生させた。ここに、55年体制は崩壊した。
4、圧力団体
(1) 圧力団体の意味
圧力団体とは、政府・議会・行政官庁・政党に圧力をかけ、政策決定に影響を与え、特殊な利益を得ようとする団体をいう。政権の獲得を目的としない点で政党とは異なる。
(2) 圧力団体の例
圧力団体の例としては、経済団体連合会(経団連、日本の財界の集まり)、日本経営者団体連盟(日経連、全国的な経営者の団体)、経済同友会(財界人の個人加入の団体)、日本商工会議所(日商、全国の商工会議所の中央機関)などの経営者の団体(財界四団体)。
日本労働組合総連合会(連合)、全国労働組合総連合(全労連)、全国労働組合連絡協議会(全労協)等の労働団体。
全国農業協同組合中央会(JA全中)等の農民団体、日本医師会、日本遺族会、主婦連合(主婦連)等の団体がある。
(3) 圧力団体の機能
圧力団体は次のような機能を有する。
1、代表制の補完機能
圧力団体は議会制民主主義の形骸化を防ぎ、代表制を補完する。
2、情報提供の機能
圧力団体は、その団体の専門分野に関して高度な情報を持ち、圧力活動や審議会、公聴会に出席して政策決定者に情報を提供する。
(4) 圧力団体の弊害
圧力団体は、多様化した民意を政治に反映させる反面、その団体の特殊利益の追求のみに走ったり、特定の政治家・政治家集団に資金を提供することによって、結びつきを強め、議会政治をゆがめることになるとの批判もある。
・ 他国の政治体制
[ 要 点 ]
◆イギリスの議会は、上院と下院の2つの院から構成され、両院の間では下院が優位に立つ。
◆イギリスの首相は、下院の信任によって選ばれ、下院が内閣の不信任決議をした場合、内閣は、総辞職をするか、下院を解散して選挙で国民の意思を問わなければならない。
◆イギリスでは保守党と労働党の二大政党制が確立している。
◆アメリカ合衆国の大統領は、連邦議会に教書を送り、法案や予算の審議を勧告することができる。
◆アメリカ大統領は議院内閣制を採用しておらず、議会は不信任決議権を持たない。
◆アメリカ合衆国の大統領は、連邦最高裁判所判事の任命権を持つが、上院の助言と承認を必要とする。
1、イギリスの政治制度
(1) 議員内閣制
内閣(政府)の存立を議会の信任の下に置く制度で、イギリスで発達した。イギリスは、立憲君主制の国家であって、行政権の長は名目上は国王であるが、実質的には首相が率いる内閣にある。
議会は、終身議員からなる形式的存在の上院(貴族院)と、任期5年の下院(庶民院)からなり、選挙の結果、下院で多数を占めた政党が内閣を組織する。
小選挙区制が採用しているイギリスでは、保守党と労働党の二大政党制が確立している。
下院は内閣の不信任決議権を持ち、これに対して内閣は総辞職をするか下院を解散することによって国民の意思を問うことができる。
議院内閣制では、このように議会と内閣との間で抑制と均衡が保たれるようになっている。
(2) 不文憲法
イギリスは、不文憲法の国で、古くからのマグナカルタ(大憲章)や権利請願・権利章典などが今日も有効であり、議会法(1911年制定)が民主的な政治制度の基本を定めている。
伝統的に固有の慣習法である普通法(コモンロー)や政治上の慣習が民主政治を支えており、他の国における憲法の役割を果たしている。
(3) 最高裁判所
最高裁(最高法院)は上院に置かれている。この最高裁には違憲審査権はない。名誉革命によって国会の優位が確立されている。
2、アメリカ大統領制
(1) 大統領制
大統領は、国家元首で行政府の長であり国民によって選出される。議会には議席を持たない。
大統領は、条約の締結・陸海空軍の最高指揮・行政公務員の任命権を持つ。
議員内閣制とは異なり、議会での法案提出権や議会の解散権を持たないが、自己の政策を示す教書を議会に送り、法律制定や予算の審議(先議権は下院にある)を勧告・要請でき、議会が可決した法律案に対する拒否権を持つ。
ただし、両院が3分の2以上の多数で再議決すれば、法案は成立する。
アメリカ大統領は、任期4年(2期が限度)は議会から不信任されることもなく、強大な権限が保証されているため、その地位は安定し、強大な政治を進めることができる。
(2) 議会
議会は、各州2名選出・任期6年の上院と、人口比例で各州選出・任期2年の下院からなる。
上院は、大統領が締結した条約や高級官吏任命に対する同意権を持つが、議員と行政各長官の兼職はできない。
議会は大統領に対する不信任決議権を持たないが、大統領に非行があった場合には、下院の訴追に基づく上院の弾劾決議で解任することができる。
(3) 三権分立
大統領と議会は完全な抑制と均衡の関係にある。憲法に規定はないが、裁判所の違憲審査権は、連邦最高裁判所の判例により事実上確立されている。
3、社会主義国の政治体制
第一次世界大戦末期の1917年、ロシア革命によってソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)が成立した。
第二次世界大戦後には、ソ連占領下の東欧諸国、中国、北朝鮮、その後のキューバ、ベトナム、さらにアフリカの新興諸国にも社会主義政権が誕生した。
しかし、1989年以降になると社会主義体制は相次いで崩壊し、アジア諸国とキューバを残すのみとなった。
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