|
|
|
[ 要 点 ]
◆戸籍簿の閲覧はできない。
◆何人でも、その除かれた戸籍の謄本の交付を請求することができるわけではない。
◆戸籍事件について、市町村長の処分を不当とする者は、家庭裁判所に不服申立をすることができる。
◆戸籍事件について、市町村長の処分を不当とする者は、行政不服審査法による不服申立はできない。
◆世帯主である旨又は世帯主との続柄は、市町村長が住民票の写しを交付する場合において、特別の請求がない限り、記載を省略できる。
◆何人でも、市町村長に対して、住民票の写しの交付を請求することができるが、市町村長は、その請求が不当な目的によることがあきらかなときは、これを拒むことができる。
◆住民票の写しの交付を請求する者は、郵便によりその交付を求めることができる。
今回は、戸籍簿と住民基本台帳の「見る」という側面について解説します。
1、閲覧
戸籍簿、除籍簿の閲覧は、旧戸籍法では可能であったが、昭和51年の改正で、できないことになった。
住民基本台帳法については、何人でも、市町村長に対して、その一部(氏名、出生の生年月日、男女の別、住所)の写しの閲覧を請求することができる(住民基本台帳法11条1項)。
2、謄抄本、写し、証明書の交付請求
戸籍の場合、何人でも、謄抄本及び戸籍に記載した事項に関する証明書の交付の請求が可能である(戸籍法10条1項)。ただし、請求事由が必要である(戸籍法10条2項)。
除籍とは、戸籍に記載されていた全員が除かれて除籍簿に綴られているもののことをいう。
除籍の謄抄本、証明書の請求は、除籍された本人、配偶者、直系血族、そして職務上必要とする国又は地方公共団体の職員、弁護士、その他の法務省令で定める者(行政書士はここに含まれる)も可能である。(戸籍法12条の2第1項)。
また、それ以外の者は、相続関係を必要とする場合等に限り請求できる(戸籍法12条の2第2項)。
戸籍又は除籍謄抄本や証明書は、郵便により、その送付を求めることができる(戸籍法10条4項、12条の2第3項)。
住民票については、何人でも、住民票の写し又は「住民票記載事項証明書」の交付請求ができる(住民基本台帳法12条1項)。
閲覧と同様、請求権者は請求事由や必要事項を明示しなければならない。(住民基本台帳法12条2項)。
なお、市町村長は、この請求が不当な目的によることが明らかな場合には、請求を拒むことができる(住民基本台帳法12条4項)。
また、偽りその他の不正の手段により、謄本、抄本もしくは証明書の交付を受けた場合には、5万円以下の過料に処せられる(戸籍法121条の2)。
市町村長が住民票の写しを交付するにあたっては、特別の請求がない限り、住民票の記載事項(住民基本台帳法7条)のうち次ぎの事項の記載を省略したものにしてよい(住民基本台帳法12条3項)。
(1)世帯主についてはその旨、世帯員については世帯主の氏名及び世帯主との続柄。
(2)戸籍の表示、本籍のない者や謄本不明の者はその旨。
(3)選挙人名簿に登録されている者はその旨。
(4)国民健康保険被保険者については、その資格に関する事項で制令で定めるもの(資格取得、喪失年月日など。)
(5)国民年金被保険者については、その資格に関する事項で政令の定めるもの(被保険者になった年月日、なくなった年月日、種別、年金手帳番号。)
(6)児童手当受給者については、受給資格に関する事項で定めるもの(支給開始・終了年月日。)
(7)米穀配給を受ける者については、配給事項のうち政令で定めるもの。
(8)その他政令で定める事項(福祉増進に資する事項で、明らかにしても個人の秘密の侵害にあたらないもの。)
なお、不正な手段で住民基本台帳法の一部の写しを閲覧し、あるいは写しや住民票記載事項証明書の交付を受けた者は、10万円以下の過料に処せられる(住民基本台帳法50条)。
3、不服申立・行政手続方の適用
戸籍事件は、非常にプライベートな事項なので、市町村長の処分を不当とするものは、家庭裁判所に不服申立をすることができる(戸籍法118条)。
したがって、行政不服審査法の適用はない(戸籍法119条の2)。
住民基本台帳法の規定により、市町村長がした処分に不服がある者は、都道府県知事に審査請求をすることができる。異議申立もすることができる(住民基本台帳法31条の3)。
また、審査請求前置きを条件として(審査請求の裁決を経ていれば)取消訴訟も可能である(住民基本台帳法32条)。
行政手続法の処分に関する規定の適用については、戸籍事件に関する処分(戸籍法117条の5)も住民基本台帳法に基づく処分(住民基本台帳法31条の2)も適用除外となる。
|
|
|
|
|