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| 戸籍制度と住民基本台帳法制度の比較1、(編製・編成) 比較2、(管理・識別の方法、記載順序) |
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[ 要 点 ]
◆戸籍に関する事務は、市町村長がこれを管掌し、この事務は地方自治法に規定する第1号法定受託事務である。
◆住民基本台帳法における主務大臣は、すべて総務大臣というわけではない。
◆戸籍は、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。
◆市町村長は、個人を単位とする住民票を世帯こどに編成して、住民基本台帳を作成しなければならない。
◆市町村長は、政令で定めるところにより、住民票を磁器ディスクをもって調製することができる。
◆日本国籍を有しない者については、たとえ日本国内に長期にわたって居住していたとしても、住民基本台帳法は適用されない。
1、両制度の概要
戸籍とは、人の血縁関係そして各々の出生から死亡までを公証する公文書である。
戸籍法は、戸籍を記載したり、記載したものを見たりすることについての手続を定めた法である。また、民法親族法の手続規定という性格も併せ持っている。
住民基本台帳は、住民票の綴りのことをいう。その住民票は人の居住関係を公証する公文書である(住民基本台帳法1条)。
住民基本台帳法も戸籍法と同様に、住民票に記載したり、記載したものを見たりすることについての手続を定めた法である。
その他にも選挙人名簿と連携したり、地方税課税等、様々な社会保障の給付の管轄を決める基準ともなっている。
2、戸籍の附票
人には、戸籍と住民票の2つの文書があるため、この不一致が問題となる。そこで、戸籍に記載されている者がどこに住んでいるのかを確認し、同一性を確保するための資料が必要となる。
これが「戸籍の附票」である。
3、管掌者
戸籍制度は、国家レベルで個人を把握する以上、事務の管掌は中央省庁(法務大臣)が行うことであるが、現行法では市町村長(東京23区、政令指定都市の行政区においては区長)が管掌いることになっている(戸籍法1条1項、4条)。
これは地方自治法に定める第1号法定受託事務である(戸籍法1条2項)。
住民基本台帳に関する事務は、市町村固有の事務であり、その長の責務が細かく規定されている(住民基本台帳法3条)。その他、国や都道府県の責務も規定されている(住民基本台帳法2条)。
4、主務大臣
戸籍事務についての主務大臣である法務大臣は、市町村長が戸籍事務を処理するにあたり、よるべき基準を定めることができる(戸籍法3条1項)。
また、市役所又は町村役場の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長は、戸籍事務の処理に関し必要があると認めるときは、市町村長に対し、報告を求め、又は助言もしくは勧告をすることができる。
この場合において、戸籍事務の処理の適正を確保するため特に必要があると認めるときは、指示をすることができる(戸籍法3条1項・2項)。
住民基本台帳法についての主務大臣は総務大臣である。ただし、市町村長が当該市町村の住民以外の者の戸籍に関する届書などを受理した場合などの通知(住民基本台帳法9条2項)に関する事項及び戸籍の附票に関する事項については、法務大臣及び総務大臣である(住民基本台帳法40条)。
5、編製単位
戸籍編製は「核家族」が前提に考えられている。戸籍は、一組の夫婦及びこれと同姓の子により構成される(戸籍法6条)。また、戸籍の筆頭者やその配偶者以外の者が同姓の子(実子、養子)を持つに至ったときは、新戸籍を編製する(戸籍法17条)ことになるので、直系である三代以上が同一戸籍に記載されることはない。
住民票は「個人」が前提に考えられている。この個人を単位とする住民票を世帯こどに編成し、それらを綴って住民基本台帳とする(住民基本台帳法6条1項)。ただし、市町村長が適当であると認めるときは、その全部又は一部について世帯を単位とすることができる(住民基本台帳法6条2項)。
なお、戸籍制度も住民基本台帳制度も日本国籍を有しない者については適用されない(戸籍法6条、住民基本台帳法39条)。
6、磁器ディスクによる保存
法務大臣の指定する市町村長は、法務省令の定めるところにより、戸籍事務の全部又は一部を電子情報処理組織により扱うことができ、この戸籍は、磁器ディスクに記録し、これをもって調製することとなる(戸籍法117条の2第1項、117条の3第2項)。
なお、この戸籍には除籍簿も含まれる(戸籍法117条の3第2項)。
住民基本台帳法でも、市町村は、政令で定めるところにより、住民票を磁器ディスクをもって調製することができる(住民基本台帳法6条3項)。
戸籍制度と住民基本台帳法制度の比較2、(管理・識別の方法、記載順序)
[ 要 点 ]
◆戸籍は、正本のほかに副本が設けられ、正本は市役所又は町村役場に備えられ、副本は管轄法務局もしくは地方法務局又はその支局に保存される。
◆戸籍筆頭者はその死亡により変更されることはない。
◆戸籍筆頭者とは、戸籍の冒頭に記載されている者をいい、婚姻の際、夫の氏を称するときには夫が筆頭者となる。
◆戸籍の記載は、届出、報告、申請、請求もしくは嘱託、証書もしくは航海日誌の謄本又は裁判によりこれをする。
◆住民票の記載、消除又は記載の修正は、届出に基づき、又は職権で行うものとする。
◆婚姻の届出があったときは、夫婦について新戸籍を編製する。ただし、夫婦が、夫の氏を称する場合に夫、妻の氏を称する場合に妻が、戸籍の筆頭に記載したものであるときは、この限りではない。
◆戸籍の筆頭に記載されている者及びその配偶者以外の者がこれと同一の氏を称する子又は養子を有するに至ったときは、その者については、新戸籍を編製しなければならない。
◆婚姻によって氏を改めた者が、離婚又は婚姻の取消により、婚姻前の氏に復するときは、原則として婚姻前の戸籍に入る。
◆成年に達した者は、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者を除き、分籍をすることができる。
1、識別の方法
戸籍法では、戸籍はその筆頭に記載した者(戸籍筆頭者)の氏名及び本籍でこれょ表示する。
その者が戸籍から除かれた後も、同様であるとしている(戸籍法9条)。何か特別の意味がありそうであるが、単なる見出しみたいなものてなので、それ以上の機能はない。コード番号が文字になっただけと考えておけばよい。
戸籍筆頭者とは、見出しをつくるための識別をするための人名として考えればよいので、とりたてて意味はなく、その者が死亡してもその氏名は見出しとして戸籍に残ることになる。
本籍地も、特に意味はなく、そこに該当する土地の所有権の有無などはまったく関係ない。
住民基本台帳法では、住所地で識別する。住民票の記載事項には世帯主名とその住所が冒頭に記載されるが(住民基本台帳法7条4号)、世帯主は、戸籍筆頭者と異なり変更が可能(住民基本台帳法25条)なので、永遠に乱しになるわけではない。
なお、現在では住民票コード番号制度の導入がされているが、その問題点は世論により指摘されている通りである。
2、記載事項
戸籍の記載事項は戸籍法13条に、住民票の記載事項は、戸籍に比べて項目は遙かに多く、住民基本台帳法7条に規定されている。
これらの記載事項は過去において出題されたことがないので、すべての記載事項を覚える必要はないと考えられる。
ただし、住民票の写しの交付請求で、特別な請求がない限り省略が可能な項目(住民基本台帳法12条3項)については出題されたことがあるので、覚えておいた方がよい。
3、戸籍の編製、住民票の編成
(1) 戸籍の編製
戸籍は一組の夫婦と、これと氏を同じくする子を編製単位としているので(戸籍法6条)、まず基本的には、婚姻により夫婦は新戸籍を編製し、そこに入る(戸籍法16条1項本文)。
同時に各々の従前の戸籍からは除かれる(戸籍法23条)。ただし、夫婦が、夫の氏を称する場合に夫、妻の氏を称する場合に妻が、戸籍の筆頭に記載した者であるときは、夫の氏を称する妻は、夫の籍に入り、妻の氏を称する夫は、妻の戸籍に入る(戸籍法16条1項但書・2項)。
しかし、すでに分籍したり、前婚で新戸籍を編製して離婚した者など、婚姻前に戸籍筆頭者になっている場合もある。この場合には、その筆頭者の氏を継続する場合には、その戸籍が継続され、相手方が入籍する(戸籍法16条1項但書・2項)。
戸籍筆頭者及びその配偶者以外の者が同氏の子(実子・養子)を持つに至ったときは、その者について新戸籍を編製する(戸籍法17条)。
離婚の場合は、婚姻に際して改姓した者は離婚により旧姓に復し(民法767条1項)、婚姻前の戸籍に戻る。
その戸籍が除籍簿に綴られていたり、新戸籍編製の申し出をしたりした場合には新戸籍を編成する(戸籍法19条1項)。
配偶者と死別した者が旧姓復帰を希望した場合も同様である(戸籍法19条2項)。
次ぎに、分籍といって、婚姻や子を持つに至るまどの原因なくして、単独で従来の戸籍から抜けて新たな戸籍を作ることもある。これは成年になると可能であるが、戸籍筆頭者とその配偶者はできない(戸籍法21条1項)。
また、就籍といって、出生、養子縁組など父母の戸籍に入る以外で戸籍のない者について新戸籍を編製する場合もある(戸籍法22条)。
さらに、除籍といって、それまで記載されていた戸籍から抹消されることがある(戸籍法23条)。1つの戸籍に記載されている者全員が除籍されると、その戸籍は戸籍簿から外され別の綴りに保管される。これが除籍簿である(戸籍法12条)。
(2) 住民票の編成
戸籍と比べ、住民票は簡単な編成である。世帯という概念を用い、個人を単位として同世帯の住民票をひとまとめにする。そして、世帯主を定め住民基本台帳とする。
また、市町村長は適当であると認めるときには世帯を単位とした住民票を作成することもできる(住民基本台帳法6条1項・2項)
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