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 親 子 

[ 要 点 ]


◆妻が婚姻中に懐胎した子は、たとえ離婚後に出生したときでも、夫の子と推定される。

◆嫡出否認の訴えは、夫が子の出生を知った日から1年以内に提起しなければならない。

◆未成年者である父母が認知する場合には、法定代理人の同意を要しない。

◆成年に達した子を認知するためには、その者の承諾を得ることを要する。

◆父は、母の承諾がない限り、胎児を認知することはできない。

◆認知の効果は、子の出生時に遡って生じるが、第三者がすでに取得した権利を害することはできない。




1、親子の分類(実子、養子)

親子の関係は、自然の血縁関係のある実親子の関係と、法律によって親子関係ができた養親子の関係に分類される。


2、実親子関係

実親子はさらに、婚姻関係にある男女の間から生まれた嫡出子と、婚姻関係にない男女の間から生まれた非嫡出子とに分類される。

嫡出子はさらに、出生によって嫡出子の身分を取得する生来嫡出子と出生後にその男女が婚姻をして身分を取得する準正嫡出子とに分類される。


3、生来嫡出子

生来嫡出子は、民法772条による嫡出の推定を受けるかどうかによって、推定される嫡出子と推定されない嫡出子に分類される。

この民法722条による嫡出の推定とは、まず、婚姻成立の日から200日後又は婚姻の解消もしくは取消の日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定し、そして、妻が婚姻継続中に懐胎した子は夫の子と推定しようとするものである。

推定されない嫡出子とは、例えば、婚姻前に懐胎され婚姻成立後200日以内に生まれた子などのことであるが、判例はこれに変更をし、婚姻に先行する内縁中に懐胎した子は嫡出子として扱おうという判断をしている。(大連判昭和15年1月23日)

推定される嫡出子について、子であることを否定するには、嫡出否認の訴えによらなければならない。この訴えをできるのは原則として、夫だけで、子が生存しているときに限られる。

出訴期間は、夫が子の出生を知った時から1年以内であり(民法777条)、子又は親権を行う母に対して行う(民法775条)。

推定を受けない嫡出子について、子であることを否定するためには、誰からでも提起できる「親子関係不存在確認」の訴えによる。


4、非嫡出子

非嫡出子は、父に認知された非嫡出子と認知されていない非嫡出子とに分類される。

ここでの認知とは、父又は母が、婚姻以外で生まれた子を自分の子であると認めることをいい(民法779条)、認知がされると出生時に遡って親子となる(民法784条)


5、養親子関係

養親子関係は、自然の血縁の親子関係にない者の間に、家庭に恵まれない子によい家庭を与え、子の利益のために、人為的に親子関係を創設されたものである。

この養親子関係はさらに、実の血族と親族関係が存続する「普通養子」と実の血族と親族関係が存続しない「特別養子」に分類される。


6、認知

認知は、父(又は母)が自発的に行う任意認知と、裁判によって強制される強制認知に分類される。


(1) 任意認知

要件としては、1、戸籍法の定めるところにより認知届けをする(民法781条1項)こと、2、認知をするには意思能力がなければならないこと(すなわち、制限能力者「未成年や成年被後見人など」でもでき、法定代理人の同意は不要である。(民法780条)。3、承諾を要する場合にはその承諾を受けること(民法783条1項、782条、783条2項)などがある。

認知がなされると、出生の時から親子関係があったものとして扱われる。(民法784条)。ただし、第三者がすでに取得していた権利を害することはできない。

また、認知の撤回をすることはできない。(民法785条)


(2) 強制認知

訴えによる認知もできる。

子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は認知の訴えを提起できるが、父又は母の死亡から3年の経過でできなくなる(民法787条)。





親 子 ( 養 子 )


[ 要 点 ]

◆成年に達した者は、婚姻していなくても、普通養子の養親となることができる。

◆年長者を養子にすることは認められない。

◆後見人が被後見人を養子にするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。

◆配偶者のある者がその配偶者の未成年の嫡出子を養子にするには、必ず配偶者とともにしなければならないわけではない。

◆配偶者の直系卑属を養子とする場合、養子となる者が未成年者であっても、家庭裁判所の許可は不要である。

◆特別養子縁組は、養親となる者の請求により、家庭裁判所の審判によって成立する。

◆特別養子縁組においては、養親となる者には配偶者がなければならず、かつ、原則として夫婦がともに養親とならなければならない。

◆特別養子は、養父母と離縁した場合には、実父母との親族関係が回復する。




1、養子制度の概要

養子縁組により人為的に養親の子となった者を養子という。養子は、自然の血縁ではなく、法律で定められた血縁による子である。

普通養子と特別養子に分類される。


2、普通養子

(1) 縁組障害

養子縁組は、当事者間に養親子となる意思があることが必要であるが、その他にも、さらに以下の縁組障害がないことも必要である。

養子縁組がなされるには、原則として養子となる者と養親となる者の間の合意と、戸籍法上の届出を要する(民法799条、739条)。

成年者には、独身でも普通養子の養親になれる(民法792条)が、年長者や尊属は、養子にすることができない(民法793条)。

後見人が被後見人(未成年被後見人及び成年被後見人)を養子にするには、家庭裁判所の許可が必要である。(民法794条)

配偶者のある者が未成年者を養子にする場合、配偶者と共同で行うが、その未成年者が配偶者の嫡出子である場合又は配偶者が意思表示できない場合は、単独でもできる(民法795条)。

未成年者を養子にする場合は、家庭裁判所の許可が必要となる。ただし、自己又は配偶者の直系卑属を養子にする場合は許可不要となる(民法798条)。


(2) 代諾養子縁組

15歳未満の者が養子となる場合は、法定代理人が代わって縁組みの承諾をすることができる(民法797条1項)。


(3) 養子縁組の効果

養子は縁組の日から養親の嫡出子となり(民法809条)、養子は原則として養親の氏を称することとなる(民法810条)。実親との関係は、そのまま存続するので、養子は扶養の権利義務や相続権などを二重に有することとなる。


3、離縁

離縁とは、完全に有効に成立した養子縁組によって生じた養親子関係を終了させることである。離縁には、当事者の協議による協議離縁(民法811条)と、裁判による裁判離縁(民法814条)がある。


4、特別養子

(1) 意義

特別養子縁組は、養親となる者の請求により、家庭裁判所の審判によって成立し、これにより実方の親族関係が終了する養子縁組であり(民法817条の9)、離縁も原則として禁止する(民法817条の10)ことにより、養父母が唯一の父母であることを明らかにし、実親子の関係よりも強固な養親子関係をつくり出そうという制度である。

なお一定の事由により、離縁された場合には、実父母との親族関係が回復する(民法817条の11)。


(2) 成立要件

従来の父母による子の監護が著しく困難(例:行方不明、死亡等)か不適当(例:虐待、悪意の遺棄等)であるなどの特別な事情があり、子の利益のために特に必要であると認められる場合であることが必要となる。(民法817条の7)

1、養親の資格

配偶者のある者がともに(少なくとも、夫婦の一方が25歳以上、もう一方も20歳以上)養親とならなければならない(民法817条の3、817条の4)。

2、養子の資格

縁組審判の請求の時に原則として6歳未満でなければ養子となれない。6歳になる前から引き続いて養親となる者に監護されていたのであれば、8歳未満までは特別養子となることができる(民法817条の5)。

3、父母の同意

原則として養子となる者の父母の同意が必要である。ただし、父母がその意思を表示することができない場合や父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は不要である。(民法817条の6)


(3) 縁組みの審判

特別養子縁組は、養親となる者の申立によって行われる(民法817条の2)。

審判においては、原則として6ヶ月以上の試験養育期間を経なければならない(民法817条の8)





養親がともに死亡したときは、未成年者の養子は、実親の親権に服する?


誤りですね。
 
まず「養子縁組」とは、相互に血縁関係のない者、または血縁的に親子関係にあっても嫡出子親子関係のない者のあいだに法律上嫡出子親子関係と同一の身分関係を成立させるものです。

分かりやすく言うと、「親子関係を成立させる」ことが養子縁組なのです。
 
養子縁組によって成立した親子の「親を養親(ようしん)」、「子を養子(ようし)」といいます。

そして、ただの親子関係ではなく「嫡出子(ちゃくしゅつし)親子関係」になります。
 
「嫡出子」とは婚姻中の父母とのあいだに生まれた子のことです。
 
これに対して、法律上の婚姻関係にない男女のあいだに生まれた子のことを「嫡出でない子」といいます。

したがって自分の嫡出子を養子とすることはできませんが、自分の嫡出でない子はこれを養子として嫡出子親子関係を創設することができます。

では、養子と養子の実親との関係はどうなってしまうのでしょうか。
 
「養親が親になるのだから,実親との親子関係は消滅するのでは?」と感じる人も多いでしょう。
 
たしかに、養子が未成年者なら親権は実親から養親に移るということはありますが、実の親との親子関係は消滅しません。
 
したがって実の親との相続権、相互の扶養義務もそのままです。

「養子縁組とは養親にとっては子が増えること、養子にとっては親が増えること」と考えると分かり易いです。

なお、上記の養子縁組のほかに、恵まれない幼少の子の利益を図るために特に必要がある場合に家庭裁判所が審判により養父母とのあいだに実の親子と同様に安定した親子関係を成立させる特別養子縁組があります。
 
「特別養子縁組」とは恵まれない環境に置かれている幼少の子の福祉(利益)を図るために特に必要がある場合で、家庭裁判所が相当であると認めたときに、届出によって養父母と養子のあいだに実の親子と同様に強固で安定した関係を成立させるものです。

特別養子縁組の効果と成立要件は、通常の養子縁組とはまったく違った効果、そして厳しい要件となっております。
 
そのため、特別養子縁組は原則として離縁は認められません。
 
ただし民法817条の10に定められた事由があり、かつ家庭裁判所による審判があった場合のみ認められます。 


さて問題の解説ですが、養子縁組をした後に、その縁組をした養親が二人とも死亡してしまうと、親はいないことになってしまいます。

ただ、実親がいるのであれば、この人達が本来の生みの親だから、この者達の親権が復活するのではないかと思いがちですが、判例においては、養子縁組によって親権を失っている以上、当然には親権が復活することはないという考えに立っており、よって、別に後見人が選任されることになります。

もちろんこの場合、実親が後見人として選ばれる可能性はありますし、それ自体は問題がありません。




 
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