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[ 要 点 ]
◆債権者代位権は、債務者の一身に専属する問題については行使できない。
◆債権者代位権の行使は、期限が到来するまでの間は保存行為を除いて裁判上の代位によらなければならない。
◆債権者取消権は、詐欺行為により利益を受けた者又は転得者が善意の場合は行使することができない。
◆債権者取消権の対象は、財産権を目的とする法律行為に限られる。
1、債権者代位権
債務者が債務を履行しない場合、物的担保も人的担保も有しない債権者は、債務者の財産に対して強制執行するしかない。つまり、債権の最終的なよりどころは、債務者の財産(一般財産又は責任財産という)であり、債権の経済的価値は、債務者がどれだけの財産を有するかに依存することになる。
そこで、債務者が財産を確保するために必要な行為をしなかったときは、債権者は、債務者に代わってその行為をすることができるとされている。これが債権者代位権である。
(1) 債権者代位権の要件
債権者が債権者代位権を行使するためには、以下の要件が必要である。
1、債権者の債権保全に必要であること(債務者が無資力であること)。
2、債務者が自らその権利を行使していないこと。
3、債務者が権利で一身専属権でないこと。
4、原則として、債権者の債権の弁済期が到来していること。ただし、次ぎの場合は、弁済期が到来していなくてもよい。
ア、裁判所の許可を得て代位する場合(裁判上の代位)
イ、債務者の権利の保存行為を行う場合(例えば、債務者の権利の消滅時効を中断させることなど)。
なお、3について、債権者代位権は、債務者の意志に関係なく、債務者の権利を行使する制度であるため、権利を行使するか否かが債務者の自由意志に委ねられている場合(一身専属権)は、債権者代位権を行使することはできない。
一身専属権の例としては、夫婦間の契約取消権・離婚請求権などがある。夫婦間の契約取消権とは、夫婦間でなされた契約については、婚姻中は、いつでも、これを取り消すことができるという権利である。
2、債権者代位権の行使方法
1、債権者代位権は、裁判上の代位の場合を除き、裁判外でも行使することができる。
2、債権者が債務者に対して、金銭その他の物の引き渡しを第三者に請求する場合、債務者に引き渡せと請求できるだけでなく、直接自分に引き渡すように請求することができる。ただし、第三者に対して登記の移転を請求する場合は、債権者は、自分に登記を移転すべきことを請求することはできない。
3、債権者取消権(詐害行為取消権)
債権者代位権と同様に、債務者の責任財産を保全する手段として債権者取消権がある。
債権者取消権は、例えば、債務者Bが債権者Aを害すると知りながら自己の所有する財産を第三者Cに贈与したり、第三者Cに有する債権を放棄したような場合、債権者Aがこれを取り消すことができる権利である。
なお、債権者取消権の対象は、財産権を目的とする法律行為に限られる。
(1) 債権者取消権の要件
債権者取消権が認められるためには次ぎの要件が必要である。
1、債権者を害する行為があること。
2、詐害意志があること。
2の詐害意志については、債務者が債権者を害することを知ってなした場合だけでなく、受益者又は転得者も債権者を害することを知っている(悪意)ことが必要である。
(2) 債権者取消権行為の方法・相手方
債権者取消権は、必ず裁判上の請求によらなければならない。そして、債権者取消権の行為の相手方は、受益者又は転得者となる。(判例・通説)
(3) 債権者取消権の効果・消滅時効
債権者取消権行為の効果は、受益者又は転得者との関係でのみ生じ、債務者との関係では生じない(相対的効力)。また、取消権行使の効力は、総債権者の利益のために生じる。
債権者取消権の消滅時効の期間は、取消原因を知った時より2年、詐害行為の時より20年である。
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