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[ 要 点 ]
◆当事者が違約金を定めたときは、損害賠償額の予定と推定される。
◆金銭債権の債権者は、実際の損害がなくても年5%の割合による損害賠償を請求できる。
◆損害賠償額の予定をした場合、裁判所はその額を増減することができない。
1、債務不履行の効果
債務不履行があった場合には、債権者は債務者に1、自分が受けた損害を証明して損害賠償を請求することができる。2、契約を解除することができる。3、履行遅滞の場合は、本来の履行が可能であるため、債権者は、損害賠償の請求とともに、本来の履行の請求をすることができる。
債務者が履行しない場合には、契約の解除や強制執行をすることも可能である。
2、損害賠償額の予定
(1) 損害賠償額の予定の意味
債権者が損害賠償を請求するには、債務者の債務不履行により自分が受けた損害額等を証明しなければならない。しかし、それは、非常に困難な場合が多く、また面倒なことである。
そこで、当事者があらかじめ特約により債務不履行となった場合の損害賠償額を定めておく場合がある。
これを損害賠償額の予定という。例えば、AB間で建物の売買契約をする際に、Aが約束の日時に建物を引き渡さないときは、「Aは、損害賠償として300万円をBに支払う」と特約をする場合である。
損害賠償額の予定は、例えば、「A所有の建物についてAB間で売買契約をした後に、後から追加特約という形で行うこともできる。また、必ずしも、金銭である必要はなく、Aが債務不履行をした場合は、「この土地を損害賠償として引き渡す」ということもできる。
違約金は、損害賠償額の予定と推定されるが、違約金には、1、損害賠償額の予定の場合と、2、違約罰の場合がある。
違約罰とは、例えば、Aが債務不履行をした場合には、「契約を破った罰として300万円を支払ってもらうほかに、損失の穴埋めとして損害賠償も支払ってもらう」とする場合の罰として没収される300万円のことである。
このように、違約金は、1、損害賠償額の予定の場合と、2、違約罰の場合があるため、当事者が単に「違約金は300万円とする」と約した場合は、1か2か明らかではない。そこで、このような場合は、1の損害賠償額の予定として扱うということである。
(2) 損害賠償額の予定の効果
損害賠償の予定をした時は、債権者は、実際の損害額が予定より大きくなった場合でも予定額しか請求できない。逆に実際の損害額が予定額より小さい場合でも(たとえ、実際の損害額がゼロでも)、予定額を請求することができる。
また、裁判所は、当事者が定めた損害賠償額を増減することはできない。
なお、損害賠償の予定をした場合でも、債権者は本来の債務の履行請求や契約の解除をすることができる。
(3) 金銭債務の不履行
金銭が世の中からなくなることはない。どれほどの巨額な債務を抱えた場合でも、何らかの手段により金銭を手に入れさえすれば、その債務を弁済することが可能である。
また、金銭の支払い手段も、現金書留、銀行振込、郵便為替など様々な方法がある。この点で、金銭債務は、土地や建物の引き渡し債務とは異なった特別の取り扱いがなされている。
1、金銭債務は、履行遅滞になるだけである。(履行不能となることはない。)
2、金銭債務の履行遅滞は、債務者に帰責性がなくても、(不可抗力により履行できない場合でも)成立する。
(4) 金銭債務の履行遅滞の効果
金銭は銀行などに預けておきさえすれば、それだけで利子が生ずるものである。タンス預金などをしている人は例外であり、必要でないお金は、銀行等に預貯金しておくのが通常である。
そこで、1、金銭債務の履行遅滞の場合は、その賠償額は、法律が定めた利率(約定利率)が法定利率より高いときは、それにより賠償額を算出する。
2、法定利率は、年5%である。
3、債権者は、損害を証明しなくても、上記の賠償額を請求することができる。 |
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