|
|
|
[ 要 点 ]
◆抵当権は、同一の債権の担保として複数の不動産の上に設定することができる。
◆根抵当権の被担保債権は、債務者との特定の継続的取引契約から生ずる債権に限られない。
◆根抵当権者は、元本が確定した時に存在する被担保債権の元本だけでなく、利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害賠償の全部について極度額を限定して優先弁済を受けることができる。
◆元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得なければ根抵当権を譲渡することができない。
1、共同抵当
(1) 共同抵当の意味
同一の債権を担保するために、数個の不動産に設定された抵当権を共同抵当という。
例えば、AのBに対する2億円の債権について、B所有の土地(価格2億円)と建物(価格2億円)にそれぞれAの1番抵当権が設定され、さらに土地にCの2番抵当権(被担保債券額1億円)、建物にDの2番抵当権(被担保債券額1億円)が設定されているとしよう。
(2) 同時配当の場合
上記の例では、土地と建物が動じに競売にかけられたときは、Aは、土地と建物の価格に応じて(1対1)被担保債権2億円の弁済を受けることになる。
つまり、Aは、土地代金から1億円、建物代金から1億円の弁済を受け、Cは土地の残代金から1億円、Dも建物の残代金から1億円の弁済を受けられことになる。
(3) 異時配当の場合
土地又は建物の一方について抵当権が実行されて競売にかけられたとき、例えば、土地についてだけ競売が行われた場合は、以下のように処理される。
1、共同抵当者(A)は、土地の競売代金から全額の弁済を受けることができる。
2、土地上の2番抵当権者(C)は、同時配当が行われた場合に土地代金から受けることができた金額について、建物代金から弁済を受けることができる。
上記の例では、Aは、土地代金から2億円全額の弁済を受けられる。そして、同時配当がなされた場合にCが土地代金から受けられるはずであった1億円については、後に建物が競売にかけられたときに、Cはその代金から弁済を受けることになる。
なお、建物代金の残額1億円については、Dが弁済を受けることになる。
2、根抵当権
(1) 根抵当権の意義
根抵当権とは、継続的な取引から生ずる増減変動する多くの債権を一括して一定の限度額(極度額)まで担保することを目的とする抵当権である。
(2) 担保すべき債権の範囲
根抵当権によって担保される債権は、1、債務者との間の特定の継続的取引によって生じた債権、2、債務者との一定の種類の取引によって生じた債権などに限られ、当事者間の取引から生じる一切の債権を短保する値抵当権(包括根抵当権)は認められない。
(3) 元本確定期日
根抵当権の設定にあたっては、あらかじめ元本の確定期日を定めることができる。これは任意的であり、定めないことも自由である。
根抵当権設定契約により元本確定期日を定める場合には、約定の日から5年以内の範囲で定めなければならない。元本確定期日を定めない場合には、根抵当権設定者は、根抵当権設定の日から3年を経過した後は、元本の確定を請求することができ、請求されたときは、2週間経過後に元本が確定する。
(4) 極度額
根抵当権者の、優先弁済を受けることのできる限度額のことを極度額という。根抵当権者は、この極度額の範囲内において、確定した元本、利息、債務不履行によって生じた損害の全部について優先弁済を受けることができる。
また、元本の確定後に発生した利息についても、根抵当権者は、極度額まで優先弁済を受けることができる。極度額は、根抵当権設定契約で定めることを要する。
(5) 根抵当権の設定の変更
根抵当権者は、根抵当権設定者との合意により根抵当権の内容を変更することができる。
(6) 根抵当権の処分
抵当権の処分のうち、1、抵当権の順位の変更と、2、転抵当は、元本確定前の根抵当権の場合も可能であるが、3、抵当権の譲渡、4、抵当権の放棄、5、抵当権の順位の譲渡、6、抵当権の順位の法規は行うことはできない(確定後は行うことも可能)。そこで、その代わりに、3、根抵当権の全部譲渡、4、根抵当権の一部譲渡、5、根抵当権の分割譲渡が認められている。
なお、いずれについても、根抵当権設定者の承諾が必要である。 |
|
|
|
|