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 地上権・永小作権・地役権

[ 要点 ]

◆地上権は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利である。

◆地上権は、耕作を目的として設定できない。

◆地上権は、地下、空間に工作物を所有するためにも、設定することができる。

◆地上権は時効によっても取得することができる。

◆永小作権は、他人の土地で耕作又は牧畜をするためにその土地を利用する権利である。

◆地役権は、要役地が譲渡されるとそれに伴い移転する。

◆地役権は、継続かつ表現のもの(権利行使が外部から認識できるもの)に限り時効取得が認められる。




1、地上権

地上権とは、他人の土地上に工作物又は竹木を所有するために、その土地を利用する物権である。地上権は、地下・空間に工作物を所有するためにも、設定することができる。

例えば、地下鉄や高架橋のように、地下の部分や空中の部分だけを地上権の目的とすることができる。

なお、地上権は、耕作を目的として設定することはできない。

地上権者は土地を自由に譲渡・転貸することができ、賃貸借のように設定者の承諾を要しない。また、地上権を抵当権の目的ともすることができる。

地上権は、通常は、地主との設定契約によって成立するが、時効によって取得することもできる。さらに、法律の規定によって成立する場合もある。(法定地上権)

地上権は、契約によって自由に存続期間を定めることができ、定めがないときは、裁判所は当事者の請求により、20年以上50年以下の範囲で定める。

地上権は、賃貸借や永小作権との違い、地代の支払いを要しない。ただし、実際上は契約で地代を支払いのが普通である。


2、永小作権

永小作権とは、他人の土地で耕作又は牧畜をするために、その土地を利用する物権である。

永小作人は、永小作権の期間内において自由に土地を転貸し、永小作権を譲渡することができる。ただし、設定行為で譲渡・転貸を禁止することもできる。

永小作権は設定契約によって取得することが通常であるが、遺言・譲渡・相続・時効によっても取得することができる。

期間を定めるときは、20年以上50年以下でなければならない。また、50年以上の期間を定めても50年に短縮される。

期間を定めず、慣習もなければ30年となる。

永小作人は、小作料の支払いを要する。


3、地役権

地役権とは、設定契約で定めた目的(通行・眺望・日照・引水など)に従い、他人の土地(承役地という)の便益のために利用する物権である。

例えば、甲地が道路に通じない場合、乙地に通行地役権を設定して、ここを通行することが可能となる。

地役権も地上権同様、抵当権の目的とすることができる。

地役権は、地上権、永小作権と異なり次ぎのような特有の性質を有する。


(1) 附従性

地役権は、要役地が移転すればそれに伴い移転する。


(2) 不可分性

ア、要役地が共有の場合、共有者の1人が地役権を時効取得すると、他の共有者も地役権を取得する。

イ、要役地が共有の場合、共有者の1人が消滅時効を中断すれば、その効力は他の共有者に及ぶ。

ウ、要役地又は承役地が共有の場合、共有者の1人は、自分についてだけ地役権を消滅させることができない。

エ、土地が分割されたり一部譲渡された場合、地役権はその各部分のために存する。


地役権は、当事者間の設定契約により成立するのが通常であるが、取得時効によって取得することもできる。ただし、承役地の所有者が知らないうちに、地役権が時効取得されることを防止するために(時効中断の機会を与えるために)、「継続且つ表現」(地役権の継続的な行使が外部から認識できるもの)の地役権に限り、時効取得が認められている。

地役権の存続期間については制限がなく、自由に定めることができる。

特約がない限り、使用料の支払いを要しない。
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