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[ 要点 ]
◆所有権は、法令の制限内において自由に物を使用・収益・処分する権利である。
◆無主物先占は、動産についてのみ認められる。
◆各共有者は、共有物の全部について使用することができる。
◆各共有者は、単独で共有物の保存行為をすることができる。
◆共有物の変更行為、詩余分行為を行うには、共有者全員の同意が必要である。
1、所有権の意味
所有権は、法令の制限内において自由に物を使用・収益・処分する権利である。
ここにいう物とは、原則として独立した物であり、有体物である。不動産(土地・建物)と動産(不動産以外の物)を押さえておけばよい。もっとも、例外的に権利質や地上権の上に設定された抵当権のように権利を対象とする物権もある。
物権の中でも、制限物権(地上権等の用益物件や抵当権等の担保物権)が、所有権の内容を一定の範囲で一時的に支配する権利であるのに対し、所有権は、物を全面的に支配する権利といえる。
2、相隣関係
相隣関係とは、隣接する不動産の所有者相互間で、不動産の利用を調製しあう関係であり、一定の範囲で所有権が制限される。
(1) 袋地所有者の囲繞地(いにょうち)通行権
袋地(他人の土地に囲まれている土地)であるため、他人の土地を通らなければ公道に出られない場合は、他人の土地を通ることができる。
また、必要があるときは自分の費用で通路を作ることもできる。
(2) 隣地使用権
とちの所有者が、境界付近で建物や障壁を築いたり、修繕したりする場合は、必要な範囲で隣地の使用を請求することができる。ただし、隣人の承諾がなければ家に入ることはできない。
(3) 自然流水の受認義務
土地の高低により隣地より自然に水が流れてくるときは、これを妨げてはならない。
(4) 竹木の枝根の切除に関する権利
隣地の竹木の枝が境界を越えた場合は、竹木の所有者に切らせることができる。また、竹木の根が境界を越えたときは承諾を得ずに自ら切ることができる。
(5) 界標設置権
土地の所有者は、土地の境界の標識の設置や保存の費用についてはそれぞれ折半する。
3、共有
(1) 共有の意味
数人の者が共同して1つの物を所有することを共有という。各共有者の有する所有の割合のことを持分という。特約など特別の事情がないときは、各共有者の持分の割合は、平等であると推定される。
(2) 共有者の使用
各共有者は、共有物の全部につき、その持分に応じた使用をすることができる。例えば、A及びBが別荘を共有する場合(持分は平等)、Aは、持分の割合に応じて、別荘の全部を使用できるのであって、半分しか使用できないわけではない。
(3) 持分の処分
各共有者は、自由に自分の持分を譲渡したり、放棄したりすることができる。共有者の一人が持分を放棄したり、相続人なくして死亡したときはもその持分は他の共有者に帰属する。
(4) 共有物の保存・管理・変更・処分
ア、保存行為(修繕、不法占拠者への妨害排除請求、明渡請求等)については、単独で行うことができる。
イ、管理行為(共有物の賃貸及びその解除、共有物の利用者、期間、回数の決定)などについては、共有者の持分の価格の過半数の賛成で行う。
ウ、変更行為(農地の宅地への変更、山林の伐採、家屋の増築。改築)などや処分行為(共有物の売却及びその解除、共有物の抵当権の設定など)については、共有者全員の同意が必要である。
(5) 共有者の管理費用等
各共有者は、その持分に応じて共有物の管理の費用を負担しなければならない。
(6) 共有物の分割
各共有者は、原則としていつでも共有物の分割を請求することができる。
ただし、5年を越えない範囲内で、共有物の分割をしない旨の特約をすることができる。この場合、分割できない旨の特約を第三者に対抗するには、登記が必要である。
占有権
[ 要点 ]
◆占有権の譲渡は、占有物を現実に引き渡すことを要しない。
◆代理人が占有物を本人の為に占有する意思を表示したときは、これにより本人が占有権を取得する。
◆占有者は、所有の意思を持って、善意、平穏かつ公然に占有をしているものと推定される。
◆代理人により占有を行う場合、占有権は、代理権の消滅によって消滅しない。
1、占有権の意味・権利の推定
占有権は、事故のためにする意思をもって物を所持することにより取得すると規定されているが、占有権とはどのような権利であるか。この権利の性質により、後述するような様々な権利(占有訴権、即時取得など)が認められているので、まず占有権の意味を理解する必要がある。
占有権は、事実上の支配状態(占有)そのものが保護される権利とされている。
所有権が、物を包括的に支配する権利であるのに対して、占有権は、正当な権利に基づくか否かに関わらず物を事実上支配している状態そのものが保護されるところに特ションがある。
占有者が、占有物の上に行使する権利は適法に有する者ものと推定される。そこで、以下に述べるような一見不合理とも思える現象が起こりうる。
2、占有訴権(せんゆうそけん)
例えば、A所有の自転車をBが盗んで支配下に置いた場合でも、Aがこれを力ずくで取り戻すことは許されず、盗人の占有も保護される。
しかし、占有を奪われたAには、当然占有を回復するための手だて(占有訴権)が用意されている。この場合は、Aは、所有権に基づいて自転車の返還を請求することもできるが、それとは別個に、占有を奪われたとして、Bに対して占有回収の訴えにより自転車の返還を請求することもできる。
上例は、占有を奪われた場合であるが、占有を妨害された場合(Aの敷地にBの庭木が倒れ邪魔になっている場合など)には、占有保持の訴えをすることができる。
また、占有を妨害される恐れのある場合(Aの敷地にBの庭木が倒れそうな場合)には、占有保全の訴えをすることができる。
3、即時取得
(1) 即時取得(善意取得)の意味
即時取得とは、動産の占有者を権利者と誤信して取引をした者は、その動産について完全な権利を取得することをいう。
例えば、Aを所有者と信じて、BがAから時計を買い受けたところ、実はその時計はAがCから借りているものであった場合に、Bは完全な権利を取得する。これは、動産についてのみ認められ、不動産については認められない。
(2) 即時取得の要件
即時取得が認められるためには、1、取引行為により取得したこと、2、無権利者からの取得であること、3、平穏・公然・善意・無過失に取得したことが必要である。
(3) 盗品又は遺失物に関する特則
即時取得の要件を満たす場合であっても、その物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失主は盗難又は遺失の時から2年間占有者に対して返還請求することができる。
4、善意占有者の果実収得権
他人の物を善意で(自分のものと思って)占有する者は、その物から生じる果実を取得することができる。ここにいう果実とは、天然果実(みかんやリンゴなど)と法定果実(資料)が含まれる。
5、占有権の譲渡
占有権も物権であり、これを譲渡することができる。占有権を譲渡するには占有権の引き渡しを要する。ただし、こり引き渡しは、現実の引き渡しであることを要しない。
占有権の譲渡は、現実の引き渡しの他に、簡易の引き渡し、占有改定、指図による占有移転によることができる。
6、占有権の承継
占有者の承継者は、自己の占有のみを主張することもできるし、自己の占有に前主の占有を併せて主張することもできる。
例えば、Aが10年間占有した土地を、BがAより購入し、さらに10年間占有した場合に、BはAの占有期間を自己の占有期間として併せて20年間の占有を主張できる。
7、占有権の消滅
占有権は、1、占有の意思の放棄、2、占有物所持の喪失、3、代理占有の場合に、代理人が自己又は第三者のために所持する意思を表示する(代理権消滅だけでは、占有権は消滅しない)ことなどにより消滅する。 |
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