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[ 要点 ]
◆用益物件(他人の土地を一定の目的の為に使用収益できる物権)には、地上権、永小作権、地役権、入会権がある。
◆担保物件には、留置権、先取特権、抵当権、質権がある。
◆占有権は、物を事実上支配する状態(占有)が権利として保護されるものである。
◆物権を当事者間で自由に創設することは許されない。
◆1つの物の上には、同一の内容の複数の物権は存在しえない。
1、物権の意味
物権とは、物を直接・排他的に支配する権利(支配権)である。物権と債権の大きな違いは、物権が物を支配する権利に対して、債権は、人(債権者)が人(債務者)に対して一定の行為をすべきことを請求できる権利(請求権)であるという点にある。
例えば、、ブランドの時計を持っているとしよう。この時計が自分のものである限り、他人に売ろうと質に入れようと自由である。この場合、自由に使用・処分できるのは、時計について所有権を有しているからである。もし、他人の時計をお金を払って借りているものであれば、賃貸人に「使わせろ」と請求できるに過ぎない。
2、物権法定主義
物権の代表的なものは所有権であるが、他にもいろいろ物権がある。しかし、民法上、物権は、民法その他の法律が定めるものに限り認められ、当事者があらたに物権を作り出すことはできないと規定されている。
これを物権法定主義という。
契約自由の原則からすれば、当事者が自由に物権の内容を定めることができそうなものである。しかし、物権は支配権であって、非常に協力な権利であるため、誰がどのような物権を持っているかを公示すべきものとされている。
そのため、物権は一定の種類のものに限られている。物権法定主義は、取引を安全・迅速にするためのものである。
3、物権の内容
(1) 占有権
物を事実上支配するということを占有という。物を支配する正当な権限があるか否かは関係がない。したがって、泥棒であっても盗品を支配している以上は、その物を占有していることになる。
このように物を占有している者に認められる物権が占有権である。
(2) 所有権
所有者とは、物を全面的に支配する物権である。
(3) 地上権
地上権とは、他人の土地上で工作物(建物など)又は竹木を所有することを目的とする物権である。通常は、地上権設定契約により発生する。
(4) 永小作権
永小作権とは、他人の土地上で耕作又は牧畜をすることを目的とする物権である。地上権と同様、永小作権設定契約により発生する。
(5) 地役権
地役権とは、自分の土地の便益のために、他人の土地を利用する物権である。地役権には、各種のものがあるが、もっとも典型的なものは、通行地役権といわれるものである。
(6) 入会権
入会権とは、一定の地域の住民が、共同して山林原野を利用することができる物権である。
(7) 抵当権
抵当権とは、債権を担保するためにの物権である。抵当権設定契約によりAがB所有の土地上に抵当権を取得する。Bが約束の期日に1億円を弁済してくれれば、抵当権は消滅するが、弁済してくれなかったときは、Aは、抵当にとったBの土地を競売にかけて売却し、その代金によって、1億円の弁済を受けることができる。
このように、債権を確実に回収できるようにするために設定されているのが抵当権である。
※抵当権は毎年必ず出題されているようなので、後にまとめます。
(8) 留置権・先取特権・質権
抵当権と同様、これらの物権も担保物件の一種である。抵当権に類似した物権と考えておけばよい。
4、物権の目的物、一物一件主義
物権、特にその典型である所有権の目的物は物である。物は、不動産と動産に区別される。不動産とは、土地及び建物のことをいい、動産とは、不動産以外のの物のことをいう。
前述したように、物権は、物を直接・排他的に支配する強力な権利であるため、1つの物の上には1つの所有権しか存在し得ず、また、1つの物の上には同一内容の物権は複数存在しない。このことを、一物一件主義という。
物権変動
[ 要点 ]
◆不動産物件変動の対抗要件は、登記である。
◆動産物権変動の対抗要件は、引き渡しである。
◆登記をしなければ対抗できない第三者には、悪意者も含まれる。
◆登記をしなければ対抗できない第三者には、背信的悪意者は含まれない。
◆登記をしなければ対抗できない第三者には、詐欺・強迫によって登記行為を妨げた者は含まれない。
◆登記をしなければ対抗できない第三者には、不動産の不法占拠者は含まれまい。
1、物権変動の意味
例えば、地上権設定契約や抵当権設定契約がなされると、物権である地上権や抵当権が発生し、土地(の所有者)や地上権などの売買がなされれば、物権である所有権や地上権などが買い主に移転する。
また、建物が家事で焼失すれば所有権は消滅し、借金を弁済したりすれば、抵当権が消滅する。
このように、物権の発生・移転・消滅することを物権変動という。
2、意思主義の原則
土地の売買をすれば、目的物の所有権が売り主から買い主に移転し、地上権設定契約をすれば、地上権が発生する。このように、民法は、契約だけで物権変動が生ずるとしている。(これを意思主義の原則という)。
所有権移転のためには、代金の支払い、登記の移転や目的物の引き渡しなどは不要である。同様に、地上権設定契約をや抵当権設定契約がなされれば、その設定契約だけで、地上権や抵当権が発生するということになる。(例外として、質権が発生するためには、質権設定の合意だけでは足りず、目的物の引き渡しが必要とされている。)
3、不動産の物権変動の対抗要件
(1) 不動産の二重譲渡と対抗要件
売買契約がなされれば、それだけで目的物の所有権が買い主に移転する(意思主義)とされているため、次ぎの事態が生ずることとなる。
例えば、Aがその所有する建物をBに売却し、その後にAが同一建物をさらにCに売却したというケースである。
こりような二重譲渡のケースでは、BとCのいずれが建物の所有者となるであろうか。一物一件主義から、BもCも所有者とすることができない。そのため、民法では次のように規定している。
第三者相互間(BからみればCが、CからみればBが第三者)では、Aから登記の移転を受けなければ、自分が所有者であると主張(対抗)することができない。具体的にいうと次ぎのようになる。
ア、BもCも登記わ受けていない間は、BおよびCは、それぞれA(当事者)に所有権を主張することができるが、BC間では、BはCに、CはBに所有権を主張することができない。
イ、しかし、BがCを、CがBをそれぞれ所有者と認めることは構わない。
ウ、そして、B又はCの一方、例えば、Cが、移転登記を受けたときは、Cの所有権取得が確定的になり、Bは所有権を取得しなかったことになる。
(2) 登記がなければ、対抗できない第三者の範囲
登記の移転を受けない限りは、すべての第三者に対して自分が所有者であることを対抗することができないのであろうか。民法は、先に登記を備えた者が優するとしている(善意・悪意を問わない)が、それは、自由競争の社会では、後から買った者でも、先に登記を備えれば、勤勉な者として保護をする必要があるからである。
しかし、不動産が譲渡されたことを知って二重に譲り受けた第三者が、先に譲り受けた者に登記がないことを主張することが信義に反する場合がある。
判例はもこのような背信的悪意者に対しては、登記がなくても対抗できるとしている。
この他、詐欺又は強迫によって登記申請を妨げられた第三者や他人のために登記申請をする義務がある者に対しても、登記なくして対抗できるとしている。また、不法行為者、不法占拠者、無権利者なども登記がなければ、対抗できない第三者に含まれない。
4、動産の物権変動の対抗要件
物権の変動については、不動産の場合と同様であるが、動産の物権変動に関しては登記という制度はない。
そこで、動産の物権変動の場合は、登記ではなく、引き渡し前後によって優劣を決することとなっている。この引き渡しには、単に現実に物を引き渡す場合(現実の引き渡し)だけでなく、簡易の引き渡し、占有改定、指図による占有移転を含まれる。 |
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