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 無効 ・ 取消 、 条件・期限・期間

[ 要点 ]

◆無効な法律行為があっても、当事者が無効であることを知りながら追認したときは、あらたなる行為をなしたものとみなされる。

◆無効の法律行為は、原則として追認をしてもその効力は生じない。

◆能力の制限によって取消し得べき法律行為は、制限能力者又はその代理人、承継者もしくは同意をなすことを得る者に限り取り消すことができる。

◆取り消した法律行為は、初めから向こうとなる。

◆取消権は、追認をすることができる時から5年間行使いないときは、時効によって消滅する。




1、無効の取消の意味

今までは、契約が無効となる場合、契約の取消が認められる場合をみてきた。ここでは、契約の無効と取消について説明していく。

民法で取り扱う無効と取消は、行政法で学習した内容とほぼ同様である。

無効の場合は、初めから契約の効力は生じない。したがって、当事者が契約を履行する必要もない。

取消とは、一応有効であった契約を、契約締結の解きに遡って無効とすることである。

取り消されるまでは、契約は有効であるため、当事者は契約を履行する必要がるが、取り消されると契約は初めから無効であったと扱われるため、当事者は、契約を履行する必要はなくなる。

逆に契約が追認されると、(又は取消権が時効で消滅すると)、契約は確定的に有効なものとなる。


2、主張権者

特に無効は誰でも主張できるのが原則であるが、錯誤による無効は、表意者(錯誤により契約した者)だけしか主張することはできず、相手方は無効を主張することができない。


3、追認

無効な契約は、追認によって有効になることはなく、もし無効であることを知って追認した場合には、あらたな行為をしたものとみなされる。

ただし、その無効原因が公的良俗違反であるとか、原始的不能な契約である場合は、あらたな行為をしても公的良俗違反であり、原始的不能な契約であるので、追認をしたとしても有効になるということはない。

取り消すことのできる契約は、追認によって確定的に有効となる。追認とは、取消権を放棄して、契約を確定的に有効とすることであるから、取消権者が同時に追認権者である。

ただし、追認は、取消原因の終わったときでないとできない。すなわち、制限能力者の場合は能力者となった後(成年被後見人を除いて、他の制限能力者は、法定代理人や保佐人の同意を得て有効に追認することも可能である。)、被詐欺者、被強迫者の場合は詐欺・強迫の状態がなくなった後で無ければ追認するこはできない。

また、実際には、追認をしていなくて、法律により追認したものとみなされる場合もある。


4、法定追認

法定追認とは、取消権者がの意思に関係なく、法律上、追認があったと同じ効力を生じさせるものである。

・全部又は一部の履行…弁済のことで、代金の支払い、目的物の支払いなど。

・履行の請求…催促(催告)することで、代金の支払い請求など。

・更改…債務内容を変更する合意のことで、代金の支払い義務を土地の引き渡し債務に帰ることなど。

・担保の供与…抵当権を設定したり、保証人を立てたりすること。

・譲渡…取得した物を転売したりすることなど。

・強制執行…債務者の財産を差し押さえることなど。


5、主張することができるタイムリミットは。

無効を主張できる期間についての制限はなく、いつまでも無効を主張することができるが、取消権は、追認をなし得る時から5年、又は契約の時から20年経過すると、時効により消滅し、取消権を行使することができなくなる。(したがって、契約は確定的に有効となる。)




条件・期限・期間


[ 要点 ]

◆10月20日午後11時30分に、ビデオテープを今から36時間後貸す約束をした場合、翌々日の午前11時30分に期間は終了する。

◆6月15日に、7月1日からパソコンを4ヶ月貸す約束をした場合、10月31日午後12時に期間は終了する。

◆うるう年の前年の2月28日に自動車を1年間貸す約束をした場合、そのうるう年の2月29日の午後12時に期間は終了する。




1、条件と期限

契約は、有効に成立した時から効力が生ずるのが原則であるが、当事者は、特約によって条件や期限を付けることによって、契約の効力が生じる期限を送らせたりすることができる。

「条件」とは、将来実現するか否か不確実な事実のことをいう。これには、停止条件と解除条件などの種類がある。「期限」とは、将来実現することが確実な事実のことをいう。

これにも、確定期限と不確定期限の2種類がある。条件と期限の違いは、それが将来実現することが確実か否かにある。


(1) 条件の種類

「停止条件」とは、条件が実現したときに契約の効力を発生させるもので、例えば、試験に合格したら車を売るなどのことである。

「解除条件」とは、条件が実現したときに契約の効力を消滅させるもので、例えば、試験に落ちたら売買契約はなかっことにするなどのことである。

一般的には、条件を付することは、適法であり有効なことであるが、法律行為によっては、条件を付することができないものもある。

例えば、婚姻とか縁組みなどの身分上の行為は、条件を付することができない。また、取消や追認といった一方的な行為である単独行為についても条件を付すことは、相手方を不安定な状態に陥れることになるのでできないと解される。

民法では、その他にも以下の条件を規定し、条件を付けることによって、法律行為が向こうとなる場合を規定している。


・ 既成条件

例えば、「昨日東京で雪が降っていた場合には、この自動車を貴方に売ろう」のように、すでに物事が確定しているが当事者がその事実を知らないなどの場合である。

この場合には、条件が契約当時に成就しているのであれば、停止条件付き契約は無効になり、解除条件付き契約は無効となる。

また、条件が契約当時に不成就に確定したのであれば、停止条件付きの契約は無効に、解除条件付きの契約は無条件になる。


・ 不法条件

例えば、「Aを殺したら、1億円をあげよう」というように、「人殺し」を条件として付けた契約は無効である。


・ 不能条件

例えば、「死んだ父親を生き返らせたら、この家を10円で君に売ってあげる」というように、不能な停止条件を付けた契約は無効となる。

また、例えば、「君に1.000万円をあげるが、死んだ父親が生き返ったら返してくれ」というように、不能な解除条件を付けた契約は無条件となる。


・ 随意条件

例えば、「私の気が向いたら君に1.000円をあげよう」というような、単に債務者の意思のみにかかる停止条件は無効である。


(2) 期限の種類

「確定期限」とは、到来する時期が確実なもののことで、例えば、「来年の10月20日になったらカメラを売る」などのこである。

不確定期限とは、到来する時期が不確定なもののことで、例えば、「叔父が死んだら土地を売る」などのことである。


(3) 期限の利益

期限の利益とは、例えば、履行期が来るまで借金を返済しなくてもよいというような、期限までは債務を履行しなくてもよいというような利益である。この利益は、債務者の利益のために定めたものと推定されている。

期限の利益は放棄することができるが、これによって相手方の利益を害してはならない。期限の利益が喪失される場合として、1、債務者が破産宣告を受けた、2、担保を毀滅し又は減少させた、3、担保を提供しなければならないのにしない、がある。


2、期間

ある時点からある時点までの継続した時の区分をいう。法令や裁判上の命令、契約等の法律行為の中で別段の定めがない場合には民法の計算方法による。

なお、年齢計算については、別段の定めがなされており、出生日から起算することになっている。(年齢計算に関する法律)
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