[ 要点 ]
◆法人ではない社団または財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名で不服申立をすることができる。
◆共同不服申立人のうち2人以上はの総代が選任されたいる場合は、行政庁の通知その他の行為は、総代のうち1人に対してすればよい。
◆審査請求人の代理人は、本人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができるが、審査請求のとの下げは、特別の委任を受けた場合に限りできる。
◆不服申立は、代理人によってすることができるが、代理人の資格は、必ず書面で証明しなければならない。
◆行政不服審査法に基づく不服申立は、原則として書面を提出することによって行うが、口頭でできる場合もある。
◆審査請求書には、審査請求に係る処分があったことを知った年月日を記載しなければならない。
1、申立人
不服申立をしようとする者は、法人でもかまわないし、例えば、町会などの法人格のない社団・財団でもよく、法人格のない会は代表者又は管理人の定めがあれば、その名で不服申立ができる。
また、多人数で共同して不服申立もできるが、その場合には、手続きの便宜上、3人を越えない総代を不服申立人が選ぶことができる。
総代が選任されると、他の申立人はその総代を通じてのみ不服申立に関する行為をすることができ、不服申立先の行政庁は、通知その他の行為は、総代のうち1人に対してすればいいことになっている。
総代は他の共同申立人のために不服申立の取り下げを除いた一切の行為を代行することとなる。
逆に、審査庁である行政庁は共同不服申立人が総代を選出しない場合に必要と認めるときは、総代を選ぶように命じることもできる。
2、代理人
不服申立人は、代理人をたててすることもできる。
代理人は不服申立の取り下げをする場合には特別の委任が必要となるが、その他の当該不服申立に関する一切の行為をすることができる。
なお、法人の代表者、法人ではない社団・財団の代表者・管理人、総代、代理人(特別の委任を受けた場合はその旨)の正当な資格を証明するために、書面により証明しなければならない。そして、これらの者がその資格を失った場合には、その旨を審査庁(異議申立にあたっては、処分庁又は不作為庁、再審査請求にあたっては再審庁)に届け出る必要がある。
3、不服申立の方式
原則として書面を提出して行うが、他の法律・条例に口頭でできる旨の定めがある場合には、口頭でも可能である。
提出する書面は、総じて不服申立書といい、審査請求の場合には、審査庁(正本1通)と処分庁(副本1通)に計2通を提出しなければならないが、異議申立の場合には、処分庁への1通だけでよい。
4、審理手続きの特徴
行政不服申立制度は行政事件訴訟制度に比べ、手続きの簡易性と迅速性が強く要請されるので、口頭弁論主義を取らず、原則として書面審理主義をとる。
他方、審理の公正を図るため、不服申立人及び参加人に口頭で意見を述べる機会を保障している。
5、不服申立書の記載事項
不服申立書は、審査請求人(不服申立人)の氏名・年齢又は名称・住所、請求にかかる処分、処分を知った年月日、請求の趣旨・理由、処分庁が教示をしたか否かとその内容、請求の年月日を記載と(総代や代理人を置いた場合には、その氏名・住所も)、審査請求人が押印しなければならない。
なお、例外的に口頭で不服申立を行う場合には、上記の事項を行政庁に陳述し、行政庁はその陳述内容を録収し、それを陳述人に読み聞かせて確認し、陳述人に押印させることになる。
審査請求の流れ
[ 要点 ]
◆審査請求は処分庁を経由してもできる。
◆審査庁は、不服申立が不適法であって補正することができるものであるときは、相当の期間を定めて、不服申立人にその補正を命じなければならない。
◆審査請求書又は弁明書を提出する場合は、正副2通を提出しなければならない。
◆処分庁から弁明書の提出があったときには、審査庁は、その副本を審査請求人に送付しなければならないが、審査請求の全部を容認すべきときは、みの限りではない。
◆審査請求人は、弁明書の副本の送付を受けたときは、これに対する反論書を提出することができる。
◆利害関係人は、審査庁の許可を得て、参加人として当該審査請求に参 加することができる。
■ 審査請求の手続きの流れについて、順序に沿って解説していきます。
1、審査請求書の提出
原則として、審査請求人が審査庁に正副2通の審査請求書(口頭の場合には、審査請求録取書)を提出する。
審査請求書は、審査庁に直接提出しなくても、処分庁経由でも可能である。その場合の審査請求期間は、処分庁に審査請求書の提出(口頭の場合は陳述)をした時に審査請求があったものとみなす。
なお、審査請求をすることができる処分(異議申立をすることができる処分を除く)につき、処分庁が誤って審査庁でない行政庁を審査庁として教示した場合において、その教示された行政庁に書面で審査請求がされた場合には、当該行政庁はすみやかに、審査請求書の正本及び副本を処分庁又は審査庁に送付し、かつ、その旨を審査請求人に通知しなければならない。
2、補正
審査請求が不適法な場合で、補正することが可能な場合には、審査庁は相当の期間を定めて補正を命じなければならない。
3、審査請求書の副本の送付と弁明書の提出
審査請求書が提出されると審査庁から審査請求書の副本(審査請求録取書の写し)が処分庁に送付され、相当の期間を定めて弁明書の提出を求めることができる。
処分庁は弁明書(正副2通)を審査庁に提出できる。
審査庁は、その副本を審査請求人に送付。ただし、審査請求の全部を容認する場合には、この限りではない。
4、反論書の提出
弁明書の副本の送付を受けると、審査請求人はその反論書を審査庁に提出できる。
5、審理の内容
審理の方式は、書面によるが、審査請求人又は参加人の申立があると、審査庁は、口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。
利害関係人(当該処分の取消や変更により利益や不利益を被る者)は、審査庁の許可を得て、参加人として当該審査請求に参加することができるし、参加を審査庁から求められることもある。
審査請求人が死亡(合併)した場合には、相続人その他法令により(合併後存続する法人等)審査請求の目的である処分に係る権利を継承した者は、審査請求人の地位を当然に継承し、その旨を書面で審査庁に届け出なければならない。
審査請求の目的である処分に係る権利を譲り受けた者は、審査庁の許可を得てはじめて審査請求人の地位を承継できる。
6、取り下げ
裁決がなされるまでは、審査請求人はいつでも審査請求を書面で取り下げることができる。
7、裁決
審査庁の裁決がなされると、裁決書の謄本が審査請求人と処分庁に渡される。
8、職権主義
審査庁の審理は、証拠書類や証拠物を提出したり、職権で提出させたり、申立により又は職権で適当と認められる参考人を呼んで事実を陳述させたり、鑑定を求めたり、請求により又は職権で書類その他の物件の所有者に提出を求めたりすることができる。
このように行政不服審査法は、当事者が提出した証拠に基づいて調べる職権証拠調べと、当事者が提出しない証拠についても職権で探り出す職権探知の両方ができる。
異議申立の手続き、不作為についての不服申立手続き、教示、執行停止
[ 要点 ]
◆教示の方法は、口頭でも書面でもよいが、書面によることを求められた場合には、書面でも教示しなければならない。
◆不服申立がなされたとしても、処分の執行又は手続きの続行を妨げない。
◆処分庁の上級行政庁である審査庁は、必要があると認めたときには、審査請求人の申立により又は職権で、処分の効力、処分の執行又は手続きの全部又は一部停止その他の措置をすることができる。
◆審査庁は、処分の執行停止をした後においても、執行停止が公共の福祉に重大な影響を及ぼすことが明らかになったときには、その執行停止を取り消すことができる。
◆公示の方法による送達の場合を除き、処分の相手方が審査請求人である場合の裁決は、審査請求人に送達することにより、その効力を生じ、裁決の送達は、送達を受けるべき者に裁決書の謄本を送付することにより行う。
◆公示の方法による裁決の送達を行う場合においては、当該審査庁の掲示板に所要の掲示をはじめた日の翌日から起算して2週刊経過した時に、裁決書の謄本の送付があったものとみなされる。
1、処分についての異議申立の流れ
処分についての異議申立の手続きは、異議申立書により処分庁が申立を受けて審理をした後に、決定を下すことにより終了する。
2、不作為についての不服申立
(1) 不作為の審査請求
不作為についての審査請求が不適法である場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する。不作為についての審査請求に理由がないときは、審査庁は、裁決で当該審査請求を却下する。不作為についての審査請求に理由があるときは、審査庁は、当該不作為庁に対してすみやかに申請に対するなんらかの行為をすべきことを命ずるとともに、裁決で、その旨を宣言する。
その他の手続きに関しては、その性質に反しない限り、処分の審査請求の手続きが準用されている。参加人などは準用されていない。
(2) 不作為の異議申立
異議申立が不適法である場合には、不作為庁は、決定で却下する。却下以外の場合には、不作為の異議申立があった日の翌日から起算して20日以内に、申請に対する何らかの行為をするか、又は書面で不作為の理由を示さなければならない。
3、教示
行政不服申立制度を活用できるように、教示制度が設けられている。
教示の方法は、口頭でも書面でもよいが、書面による教示を求められた場合には、書面で教示しなければならない。
教示をすべき場合は、以下の2つの場合である。
(1) 行政庁が不服申立をすることができる処分を書面でする場合。
不服申立て出きる旨、不服申立をすべき行政庁とその期間について行う。
(2) 行政庁に利害関係人から教示の請求がある場合である。
不服申立ができるかどうか、不服申立をすべき行政庁とその期間について教示する。
4、執行不停止の原則
不服申立は、行政の円滑な運営のために処分の効力・執行や手続きの続行を妨げない。このことを執行不停止の原則という。
ただし、処分庁の上級行政庁である審査庁は、申立又は職権により、全部又は一部の執行停止もできる。処分庁の上級行政庁以外の審査庁は、申立により、処分庁の意見を聴取したうえで、執行停止をすることができる。
異議申立の場合には、34条を準用しているので、処分庁は、申立又は職権によって執行停止ができる。
なお、執行停止をした後、その執行停止が公共の福祉に重大な影響を及ぼし、又は処分の執行もしくは手続きの続行を不可能とすることが明らかになった場合、その他の事情が変更した場合には、審査庁は、その執行停止を取り消すことができる。
5、裁決と決定の種類
審査請求の裁決と異議申立の決定は、書面で行い、且つ、理由を付さなければならない。
その種類は裁決・決定とも却下(不服申立要件を満たさない)、棄却(請求理由がない)、認容(請求理由あり)がある。
なお、再審査請求の裁決は、原則として、審査請求の裁決の場合に準じることとなっている。
また、認容裁決・決定が出されても、公の利益に著しい障害が生ずる場合には、裁決・決定で原処分が不法又は不当であると宣言しつつも、審査請求や異議申立自体は棄却することができる。(事情裁決・事情決定)
裁決・決定の効力は、不服申立人への裁決(決定)書の謄本を送達することによって生じるが、送達を受けるべき者の所在が知れない場合の公示による送達の場合には、掲示をはじめた日から起算して2週間を経過すると裁決書の送付があったものとされる。 |
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