[ 要点 ]
◆行政代執行法は、代執行について規定した一般法である。
◆代執行の対象となるのは、代替的作為義務である。
◆代執行は、行政庁が、第三者に行わせることができる。
◆代執行の手続きをする際に戒告と代執行令書による通知は省略できる場合がある。
◆即時強制とは、義務の履行を強制するためだけではなく、目前急迫の障害を取り除く義務を命ずるいとまの無い場合に、直接に人民の身体又は財産に実力を加え、行政上必要な状態を実現する作用であり、これを行うのに法律上の根拠を必要とする。
●代執行の手続き
・ 戒告 … 文章(代執行を行う旨)で行う。省略可能。
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・ 代執行令書 … 文章(時期、派遣執行責任者の氏名、代執行の概算見積もり額)で行う。省略可能。
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・ 代執行の実施 … 派遣代執行責任者の証票の携帯義務。要求があれば、いつでも呈示。
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・ 費用の納付命令 … 文章で行う。省略不可。
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・ 費用の徴収 … 国税滞納処分による。
先取特権は、国税、地方税に次ぐ。
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・ 収入 … 事務費の所属に従い、国庫又は地方公共団体の経済の収入となる。
● 直接強制と即時強制の違い
・ 直接強制 … 義務の不履行を前提とする。
・ 即時強制 … 義務の不履行を前提としない。
1、代執行
代執行には、行政代執行という一般法が存在するので、以下では、行政代執行法の内容について解説していきます。
2、行政代執行法
わずか6条の法律だが、どの条文ね頻出なので、条文こどに解説していきます。
(1) 行政代執行の適用
行政上の義務の履行に関しては、別に法律で定めるものを除いては、この法律の定めるところによる(行政代執行法1条)と規定し、行政代執行法は代執行に関する一般法であることを規定している。
(2) 代執行の要件
法律(法律の委任に基づく命令、規則及び条例を含む。以下同じ)により直接に命ぜられ、又は法律に基づき行政庁に命ぜられた行為(他人が代わってなすことができる行為に限る)について義務者がこれを履行しない場合、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、かつその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められる時には、当該行政庁は、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収することができる(行政執行法2条)と規定している。
例えば、道路上に違法建築物を設けている者がいる場合に、道路管理者は、その建築物の除去、移転、道路の現状回復などを命ずることができるが、その命令を受けた者(義務者)が、命令に従わないときには、行政庁又は第三者が建築物の除去などを行い、それに要した費用を義務者から徴収する場合が該当する。
代執行を行う事ができる要件をもう一度まとめてみると、(1)義務者が義務を履行しない。(代替的作為義務の不履行)。(2) 他の手段ではその履行の確保が困難なこと。(3)その不履行を放置することが著しく公益に反することの3つが必要となる。
(3) 代執行の手続き
代替的作為義務の不履行があると、まず義務者に相当の履行期間を定めて、その期限までに履行されない場合には、代執行をなすべき旨を、あらかじめ文章で戒告する(行政代執行法3条1項)
そして、この戒告を受けて、指定期限までに義務者がその義務を履行しないときは、当該行政庁は、代執行令書をもって代執行をなすべき時期、代執行のために派遣する執行責任者の氏名及び代執行に要する費用の概算による見積額を義務者に通知する。(行政代執行法3条2項)
なお、この戒告と代執行令書は、非常の場合又は危険切迫の場合において、当該行為の急速な実施について緊急の必要があり、手続きをとる暇がないときには、その手続きほ経ないで代執行をすることができる。
代執行のために現場に派遣される執行責任者は、その者が執行責任者たる本人であることを示すべく証票を携帯し、要求があるときには、何時でもこれを呈示しなければならない。(行政代執行法4条)
代執行が終了すると、代執行に要した費用の徴収については、実際に要した費用の額及びその納期日を定め、義務者に対し、文章をもってその納付を命じなければならない。(行政代執行法5条)
代執行に要した費用は、国税滞納処分の例により、これを徴収することができ、(行政代執行法6条)、行政庁は、国税及び地方税に次ぐ順位の先取特権を有する(擬陽性代執行法6条2項)
そして、代執行に要した費用を徴収したときには、その徴収金は、事務費の所属に従い、国庫又は地方公共団体の経済の収入となる。
(行政代執行法6条3項)
3、即時強制
即時強制とは、義務の履行を強制するためでなく、目前急迫の障害を除く必要上義務を命ずるてとまのない場合に、直接に人民の身体又は財産に実力を加え、行政上必要な状態を実現する作用である。
例えば、警察官職務執行法に規定する警察官による職務質問、消防法に規定する延焼防止のための実力行使などがある。
なお、直接強制と即時強制とは、行政庁自身による実力行使により、将来にわたり必要な状態を実現しようとする作用である点において共通点を有するが、前者は義務の不履行を前提としているのに対し、後者は義務の不履行を前提としていない点で差異がある。
4、即時強制と令状主義
即時強制には、憲法上の令状主義が適用されるかについては、個別的・具体的なケースごとに判断すべきとしている。 |
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