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 行政行為の取消と撤回

[ 要点 ]

◆行政行為の取消は、その成立に瑕疵がある場合に行われるものであるのに対し、行政行為の撤回は、瑕疵なく成立した行為につき行われるものである。

◆行政行為のと理系権者は、処分行政庁、監督行政庁及び裁判所であるが、撤回権者は、原則として、処分行政庁に限られる。

◆行政行為の取消の効果は、原則として行政行為成立の時点に遡るが、撤回の効果は、将来に向かってのみ生ずる。

◆法令上「取消」とされていても、講学上の「撤回」に当たる場合がある。




1、行政行為の取消と撤回の意味

行政行為の取消は、その成立に瑕疵がある場合に行われるものであるが、行政行為の撤回は、その成立時には瑕疵がなかったがその後に発生した事由により、効力を消滅させるものである。

取消は、取り消すことにより、行政行為の成立当初に遡ってその効力が消滅するのであるが、撤回の場合には、撤回するまでは有効で、撤回してそこからはじめて効力が消滅する点が異なる。

なお、法令上「取消」とされていても、その意味は「撤回」にあたる場合がある。


2、取消権者・撤回権者

取消権者としては、処分行政庁、監督行政庁、裁判所がこをなしえる権限を有する。これらは請求により行政不服審査法や行政事件訴訟法の手続きによったり、職権で処分を取り消すことになる。

撤回権者は、原則として、処分行政庁に限られる。これは、撤回をするということは、後発的な事由によるものなのでそのような判断は処分行政庁にしかできないという理由からである。


3、取消や撤回の制限

取消も撤回も原則として、明文の規定がなくても自由にできるが、国民に利益を与えるという受益的行政行為の取消、撤回は、自由に行うことはできない。ただし、公益の保護のための緊急性があり、かつ、厳格な公益上の理由がある場合には、相当の補償をして取消、撤回が可能となるとしている。

逆に、国民に不利益を与える侵害的行政行為は、国民に利益になるので原則として自由に取消、撤回ができる。

なお、行政審査手続きにおける決定や裁決などの判断(確認行為)については、不可変更力がはたらくため、取消も撤回も認められない。


4、取消・撤回の手続きとその効果

(1) 取消の手続き

取消の手続きは2パターンあり、職権による取消については、行政庁の裁量によることなので、明文の規定があるほかは特別の手続きを要するものではない。次ぎに請求に基づく取消については、行政不服審査法や行政事件訴訟法の定める手続きによることになる。

(2) 撤回の手続き

撤回は、行政庁の裁量に属すると解されているので、法令上の特別の定めがない限り特別な手続きによる必要はない。

例えば、前の行政行為と抵触する行政行為をなしても、前の行政行為は撤回されたと認められるというような判例もある。

しかし、最近では、個別法規などで、公開の聴聞や弁明の機会の付与や諮問や協議などを義務づけることを規定している場合が多い。




強制執行


[ 要点 ]

◆代執行とは、行政庁自らがその義務内容の行為をし、又は第三者にその行為をさせて、要した費用を義務者に負担させることをいう。

◆直接強制とは、義務者自ら義務を履行しない場合において、行政機関が義務者の身体又は財産に強制を加えて、その義務を実現するもので、代執行以外のものをいう。

◆執行罰とは、非代替的作為行為又は不作為義務の履行のない場合に、その履行を強制するために科す罰で、義務の履行があるまで反復して賦課することができるものをいう。

◆強制徴収とは、金銭給付義務の不履行に対して、その履行を実現するために行われる強制作用である。




1、行政強制の意味

行政強制とは、行政上の目的を達成するために、人の身体や財産に実力を加えることにより、行政上必要な状態を実現する作用のことをいう。

行政強制は、行政上の「強制執行」と「即時強制」の2つに大きく分類される。


2、強制執行

強制執行とは、私人が行政上の義務を履行しない場合に、行政主体が将来に向かって、裁判所の協力を得ずに義務を履行させたり、又は義務が履行されたのと同様の状態を強制的に実現させる作用のことである。

私法上の強制執行では、私人自ら行うことができない(自力救済の禁止)のに対して、行政上の強制執行は行政主体自らが行うこてができる。

行政上の強制執行は、さらに代執行、直接強制、執行罰、強制徴収の4つに区分されます。

(1) 代執行

代執行とは、他人が代わってすることができる作為義務(代替的作為義務)が履行されない場合で、他の手段によりその履行を確保することが困難であり、且つ、その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められる場合に、当該行政庁が自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者にさせて、その費用を義務者から徴収することをいう。

代執行に関しては、行政代執行法という一般法が存在している。


(2) 直接強制

直接強制とは、非代替的作為義務について義務者が自ら義務を履行しない場合において、行政機関が義務者の身体又は財産に強制を加えてその義務を実現するもので、代執行以外のものをいう。

直接強制は、義務者の権利や自由に対する最も強度な侵害となるので、公共の秩序を維持し、社会的危害から国民の健康や安全を確保するため、個々の法令で例外的に認められているに過ぎない。

例えば、出入国管理及び難民認定法に規定する不法残留者が退去命令に応じない場合の強制収容や伝染病予防法に規定する健康診断の受診命令に従わない場合の強制検診などがある。


(3) 執行罰

他人が代わってできない義務(非代替的作為義務)や不作為義務の履行に対して、過料を科すことを予告して、その心理的圧迫にり間接的に義務者の義務の履行を促すことをいう。

執行罰は、義務の履行があるまで反復して賦課することができる。

この執行罰は、過料を科す程度の制裁なので、あまり効果がないことから、「砂防法36条」にあらかじめ指定した期間内に義務が履行されない場合には、500円以内の過料にすることを予告して、心理的威嚇を加えているという規定が存在するだけてある。


(4) 強制徴収

強制徴収とは、行政庁の命令により生じた国民の金銭その他の給付義務を国民が履行しない場合に、行政庁がその義務者の財産に実力を加えて、義務の履行があったのと同等の状態を実現させることである。

例えば、社会保険料の滞納処分、国税の滞納処分である。

強制徴収は、国税徴収法に規定する国税の滞納処分の手続きを準用とている場合が多い。

強制徴収の順序としては、督促状による通知をし、財産の差し押さえ、そして換価処分(公売)し、徴収(換価代金の配当)をするという流れをとる。
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  行政強制 
  行政罰
 
  行政代執行

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  訴えの利益
 
  総合

行政手続法
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