[ 要点 ]
◆公物とは、国や地方公共団体などによって、直接に公の目的のために供される
有体物のことをいう。
◆公物は、公共物と公用物、自然公物と人口公物、国有公物・公有公物・私有
公物、自有公物と他有公物などに分類されます。
◆公物には、不融通性がある。
◆公物も時効取得できる。
●公物の種類
・利用目的による 公共用物…道路、河川
公用物…官公庁、国立大学の建物
・成立過程による 自然公物…河川、海浜
人口公物…道路、公園
・所有権の帰属による 国有公物…国が所有する
公有公物…公共団体が所有する
私有公物…私人が所有する
・管理権の主体による 自有公物…管理者が所有権を有する
他有公物…管理権と所有権が別々にある
1、公物の意味
行政組織は、人的な組織があっても、その組織が存在するための建物などの物が存在しないと成り立たない。この物的な行政組織が公物である。
公物とは正式に言うと、国や地方公共団体などによって直接に公の目的のために供される有体物のことをいう。
公の目的のために供される有体物(見える物)なので、所有権が国又は公共団体などに帰属している必要はないが、無体財産権(特許など)は含まれないこととなる。
2、公物の分類
公物は、色々な観点からの分類がなされている。
(1) 公共用物と公用物
公共用物とは、直接一般公衆の共同使用に供されるものである。例えば、道路、河川、公園などがある。
(2) 自然公物と人工公物
自然公物とは、人の手が加わってないままの公物である。例えば、河川や海岸などがある。
人口公物とは、国や地方公共団体などが手を加えることによって公物となるものである。例えば、道路や公園などがある。
(3) 国有公物・公有公物・私有公物
誰が所有するかによって分類されるものである。国が所有する公物は国有公物、公共団体が所有する公物は公有公物、私人が所有する公物は私有公物である。
(4) 自有公物と他有公物
公物の管理者と所有者が一致しているか別々にあるかによって分類されるものである。公物の管理者がその所有権を有している場合の公物が自有公物、管理者と所有者が別々にある公物が他有公物である。
3、公物の特色
(1) 公物の不融通性
公物は、公共の用に供するかどうかについて着目したものなので、その公物が私人の所有権に属しても一定の制約を受ける。このことを「不融通性」という。
(2) 公物の時効取得
公物についても、私人が長い期間占有をした場合、そのことにより取得時効が認められるかいう問題がある。
これについては、公共用物については、黙示であっても公用廃止されたものであれば、取得時効の対象となるという判例がある。
4、公物の使用関係
公物の使用に関しては、大きく分けると目的内使用と目的外使用に分かれる。
(1) 目的内使用
公物はそもそも国民が使用することを前提としているので、本来の目的にそった使用形態がある。そのことを目的内使用という。
目的内使用はさらに、「一般使用」、「特別仕様」、「特許使用」に分類される。
一般使用とは、道路であれば通行する、海浜であれば海水浴をする、というように本来の用途にそった使用形態のことをいう。
特別使用とは、祭りがあるので道路で屋台の営業を許可するというように、本来の用途ではないが、一時的に特別に許可しようというものである。
特許使用とは、特別使用とは異なり、継続的な許可のことである。例えば、道路に電柱を建てる行為は、電柱が道路にずっと建っているので特別使用とは言えないこととなる。
(2) 目的外使用
目的外使用とは、本来の目的にそわない使用形態のことである。例えば、官公署の中である特定の銀行のキャッシュコーナーとして利用させることなどがこれに該当する。
行政立法
[ 要点 ]
◆行政立法は、公権力の格子ではないので行政行為と同様の効力は、原則として認められない。
◆行政立法でも直接具体的効果を生ずるものは、裁判所が違法性の判断をすることができる。
◆行政立法でも、個別・具体的な委任があれば罰則を設けることができる。
◆法規命令については、法的な拘束力があるが、行政規則についてはそれがない。
1、行政立法の意味
法律を制定するのは、国会の役目であるが、法律で全ての事項まで細かく規定するのは難しい。そこで、憲法41条の国会中心立法の原則の例外として、現場での専門的・技術的な知識をもつ行政に、法律の範囲内で一般的・抽象的なルールを定めることができるようにした。これが行政立法である。
行政立法は、公権力の行使ではないので、行政行為と同じ効力は認められない。
なお、行政立法でも直接具体的効果を生ずるものは、例外的に処分性が認められており、裁判所が行政立法の違法性を判断することができる。
2、行政立法の種類
(1) 法規命令と行政規則
行政立法は、大きく分けると法規命令と行政規則に分類することができる。
法規命令は、直接国民の権利義務を規律し、法規としての性質をもつものである。このため、法律の授権(委任や根拠のこと)が必要となります。
行政規則とは、直接国民の権利義務を規律するものではなく、行政内部のことしか規律しないので法規としての性質をもたない。このため法律の授権は不要となっている。
(2) 法規命令の分類
法規命令は、法律の授権の程度により委任命令と執行命令に分類される。
委任命令は、法律の委任に基づいて、国民の権利義務を新たに定めるものである。
この場合には、国民の権利義務を定めるものなので、法律の授権の程度は「個別的・具体的」である必要がある。そのため罰則も定めることが可能である。
執行命令とは、上級の法令に基づいて実施に必要な具体的細目事項を定めるものである。憲法73条6号に、「この憲法及び法律の規定を実施するために、制令を制定すること」と規定されている。
この場合には、国民の権利義務を定めるものではないので、法律の授権の程度は「一般的・抽象的」程度でよいこととなる。
法規命令は、上記の他にも制定する者による分類もすることができる。
それは、「政令」、「府令・省令」、「外局規則」、「独立行政機関の規則」である。
・ 政令
内閣の中で、閣議により決定するものである。
・ 府令、省令
内閣総理大臣や各主任の大臣が制定するものである。
・ 外局規則
各庁の長官や公正取引委員会などの委員会が制定するものである。
・ 独立行政機関の左側
独立行政機関とは、国家行政組織法の適用を受けない人事院や会計検査院のことをいい、この機関の規則を特別にこのように言う。
(3) 行政規則の種類
行政規則の種類としては、告示、訓令・通達がある。
・ 告示
告示とは、行政庁が決定した事項などを一般に知らせることをいう。概して告示とは知らせるだけなので、法的な拘束力がないので立法とはいえないが、文部省の告示である学習指導要領に法規制を認めた判例がある。
・ 訓令、通達
上級機関から下級機関への指揮・監督のための命令や事柄の伝達のことである。
これは、行政機関の中での法の解釈や取り扱いの統一性を保つ目的で行われるものなので、内部的には拘束力があるが、外部には拘束力がない。
したがって、行政庁が訓令・通達に違反する行為を、国民に対して行っても、取消訴訟を提起することはできず、訓令・通達に基づく処分がなされた後に、当該処分に対する取消訴訟を提起することになる。
行政行為の意味とその種類
[ 要点 ]
◆許可とは、既に法令又は行政行為によって課されている一般的禁止を、特定の場合に解除する行為をいい、具体例としては、自動車の運転免許医師の免許、風俗営業の許可、火薬類輸入の許可などがある。
◆特許とは、特定人のために新たな権利を設定し、その他法律上の力ないし法律上の地位を付与する行為をいい、具体例としては、道路に電柱を設置するための道路管理者の許可、外国人の帰化の許可、公有水面埋め立ての免許、鉱業権設定の許可がある。
◆認可とは、第三者の契約、合同行為などの法律行為を補充して、その法律上の効果を完成させる行為をいい、具体例としては、公共料金値上げの認可、農地移転の許可、農地転用の許可、土地改良区の設立の認可、河川占有権の譲渡の承認がある。
◆公証とは、特定の事実又は法律関係の存在を公に証明する行為をいい、具体例としては、選挙人名簿への登録がある。
◆確認とは、特定の事実又は法律関係の存否について公の権威をもって判断し、これを確定する行為をいい、具体例としては、発明の特許、当選人の決定、所得税額の決定、審査請求の裁決がある。
●行政行為の種類
【 法律行為的行政行為 】
・ 下命…作為、受忍義務を命じる。
例…違反建築の除去命令、性病予防法の受診命令
・ 禁止…不作為を命じる。
例…道路通行の禁止、営業停止の命令
・ 許可…禁止の解除。
例…自動車の運転免許、医師の免許、風俗営業の許可、火薬類輸入の許可
・ 免除…下命むの解除
例…納税義務の免除、予防接種の免除
・ 特許…あらたな権利の設定。
例…外国人の帰化の許可、公有水面埋め立ての免許、鉱業権設定の許可
・ 認可…第3者の契約等を補充して完成させる。
例…公共料金の値上げの認可、農地の権利移動、転用の許可、土地改良区の設立の認可、河川占用権の譲渡の承認
・ 代理…第3者が行うことを行政庁が代わりに行う。
例…土地の収用裁決
【 準法律行為的行政行為 】
・ 確認…公の権威をもって判断し、確定する行為。
例…発明の許可、当選人の決定、所得税額の決定、審査請求の裁決
・ 公証…公に証明する行為。
例…選挙人名簿への登録。
・ 通知…知らせる行為。
例…納税の催促、代執行の戒告
・ 受理…有効な行為として受け取ること。
例…婚姻届の受理
行政行為の意味とその種類
1、行政行為の意味
行政行為という言葉自体は、法律の条文で使われているわけではなく、条文では「許可」とか「認可」などの個別で意味のある言葉として登場している。また、これらを総じて「処分」と言われています。
実は、行政行為の定義は非常に難しいので、試験でその定義が問われる可能性はないと言ってもいい。むしろ試験では、行政行為が分類されたときの個々の言葉の意味の使い方について問われる。
なお、判例は、行政行為の効力の発生時期は、法令が特段の定めをしている場合を除き、相手側が現実にこれを了知し、又は相手方の了知し得るべき状態におかれた場合に始めて効力が生じるとしている。
2、行政行為の分類
行政行為の分類は、いろいろな観点から考えせれているが、過去の試験の出題傾向を鑑みると、「法律行為的行政行為」と「準法律行為的行政行為」という大きな枠組みについて問われている。
法律行為的行政行為とは、行政庁の意思表示に基づいて行われる行為をいう。
準法律行為的行政行為とは、意思表示意外の精神作用の表示行為をいい、もっぱら法律が制定されておりその内容に従った行為がなされるので、行政庁には意思表示をする際に裁量の余地はないことになる。
3、法律行為的行政行為に分類されるもの
・ 下命…作為や受忍義務を命ずる行為をいう。
・ 禁止…不作為を命ずる行為のことをいう。
・ 許可…すでに法令又は行政行為によって課されている一般的な禁止を、特定の場合に解除する行為をいう。実際に各法令において規定している場合には、許可という言葉ではなく、免許や認可という言葉が使われることがある。
なお、許可を受けなかったからといって、その行為自体の行為が効力を発生せず、当然に無効になるということはない。
・ 免除…すでに課されている義務の全部又は一部を解除することをいう。
・ 特許…特定人のために、新たな権利を設定し、又は法律上の力もしくは法律上の地位を付与する行為をいう。なお、法律上の条文には許可と買いていても、特許の意味があるものもあるので注意が必要である。
・ 認可…第3者の契約や合同行為などの法律行為を補充して、その法律上の効果を完成させる行為をいう。
認可は、申請をその前提条件としているので、行政庁が進んで与えることはできない。また、法律上認可が必要な行為にもかかわらず、認可を受けずに行った行為は無効となる。
・ 代理…第3者のなすべき行為を行政庁が代わって行うことにより、第3者が行ったと同じ効果をもたらす行為。
4、準法律行為的行政行為
・ 確認…特定の事実又は法律関係の存否について公の権威をもって判断し、これを確定する行為をいう。
・ 公証…特定の事実や法律関係の存在を公に証明する行為をいう。
・ 通知…特定又は不特定多数の人に一定の事実を知らせる行為をいう。
・ 受理…他人の行為を有効な行為として受理する行為をいう。 |
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