保佐開始の審判の請求権者
「問」 ○か×か?
保佐人及び補助人は、いずれも、家庭裁判所の審判により、特定の法律行為についての代理権を付与されることがある。
保佐人及び補助人は、いずれも、家庭裁判所の審判により、特定の法律行為についての代理権を付与されることがある。
「解答」 ○ です。
※保佐人の場合、
家庭裁判所は、第11条本文に規定する者(保佐開始の審判の請求権者)又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができます。
第11条(保佐開始の審判)
精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。ただし、第7条に規定する原因がある者については、この限りでない。
第876条の4 (保佐人に代理権を付与する旨の審判)
1項
家庭裁判所は、第11条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
2項
本人以外の者の請求によって前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3項
家庭裁判所は、第1項に規定する者の請求によつて、同項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。
第876条の9 (補助人に代理権を付与する旨の審判)
1項
家庭裁判所は、第15第1項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求によって、被補助人のために特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
2項
第876条の4第2項及び第3項の規定は、前項の審判について準用する。
※保佐人には、元々被保佐人の代理権は付与されておらず、同意権しか付与されていないのが原則です。
成年後見人には、代理権が付与されています。
※例外として、家庭裁判所の審判により、保佐人に対し、特定の法律行為についての代理権を付与することができるとしています。
補助人の場合、
家庭裁判所は、第15条第1項本文に規定する者(補助開始の審判の請求権者)又は補助人若しくは補助監督人の請求によって、被補助人のために特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができるとしています。
第15条(補助開始の審判)
1項
精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。ただし、第7条又は第11条本文に規定する原因がある者については、この限りでない。
2項
本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3項
補助開始の審判は、第17条第1項の審判又は第876条の9第1項の審判とともにしなければならない。
※補助人についても、保佐人と同様に代理権は元々与えられていないので、家庭裁判所の審判により、代理権を付与してもらうことができます。
指名債権の譲渡における債務者の抗弁
「問」 ○か×か?
甲の乙に対する債権が丙に譲渡され、乙にその旨の通知がされたが、その後、乙は甲に対する債権を取得した。
この場合、乙は、その債権をもって、丙の有する譲受債権と相殺をすることができる。
甲の乙に対する債権が丙に譲渡され、乙にその旨の通知がされたが、その後、乙は甲に対する債権を取得した。
この場合、乙は、その債権をもって、丙の有する譲受債権と相殺をすることができる。
「解答」 × です。
※手間を惜しまず、必ず図に書いて解きましょうね。それが正解への近道です。
甲が丙に債権を譲渡して、その旨を債務者乙に通知していますので、この債権譲渡は対抗要件を備えていることになり、乙に対して対抗できることになります。
よって、その後に乙が甲に対する債権を取得しても、もはや甲の債権は丙のものになっていますので、相殺適状とはならず、相殺はできません。
もし仮に、甲丙間の債権譲渡の通知を乙にしていない場合や、通知してもその通知が乙に到達する前の段階であるうちに、乙が甲に対する債権を取得したのであれば、丙への債権譲渡は乙に対して対抗できないので、乙は甲に対する債権をもって、相殺をすることができます。
第468条 (指名債権の譲渡における債務者の抗弁)
1項
債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。この場合において、債務者がその債務を消滅させるために譲渡人に払い渡したものがあるときはこれを取り戻し、譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる。
2項
譲渡人が譲渡の通知をしたにとどまるときは、債務者は、その通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。
遺言執行者の指定
「問」 ○か×か?
遺言者は、遺言で遺言執行者の指定を第三者に委託することができない。
遺言者は、遺言で遺言執行者の指定を第三者に委託することができない。
「解答」 × です。
※遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために職務を行う人のことをいいます。
その意味では、遺言をした被相続人の代理人といえます。
この遺言執行者については、遺言者が遺言で指定することができます。
そして、遺言執行者の数は、1人でも複数人でも構いません。
更に、この遺言執行者の指定を、特定の第三者に委託する旨の遺言をすることもできます。
第1006条 (遺言執行者の指定)
1項
遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。
2項
遺言執行者の指定の委託を受けた者は、遅滞なく、その指定をして、これを相続人に通知しなければならない。
3項
遺言執行者の指定の委託を受けた者がその委託を辞そうとするときは、遅滞なくその旨を相続人に通知しなければならない。
遺言をした時点で遺言執行者として適当な人材がいない場合、自分の信頼できる特定の第三者にその選任を任せるということもあるからです。
制限行為能力者の相手方の催告権
「問」 ○か×か?
甲・乙夫婦間の18歳の子丙は、丁から50万円を借り受けた(以下「本件消費貸借契約」という。)後、これを大学の入学金の支払にあてた。
本件消費貸借契約が締結されて1週間後に、丁が丙に対し、1ヶ月以内に本件消費貸借契約を追認するか否かを確答するように催告したが、1ヶ月が経過しても丙が確答しなかったときは、追認したものとみなされる。
「解答」 × です。
未成年者丙は、催告を受けた時点でもまだ未成年者ですね。
第20条 (制限行為能力者の相手方の催告権)
1項
制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、1箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。
2項
制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。
3項
特別の方式を要する行為については、前2項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
4項
制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第17条第1項の審判を受けた被補助人に対しては、第1項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなします。
一方、未成年者に対する催告は、未成年者に意思表示の受領能力がないことから、何らの確答がない場合でも、追認したものとみなすことはできません。
第98条の2 (意思表示の受領能力)
意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に未成年者又は成年被後見人であったときは、その意思表示をもってその相手方に対抗することができない。ただし、その法定代理人がその意思表示を知った後は、この限りでない。
甲・乙夫婦間の18歳の子丙は、丁から50万円を借り受けた(以下「本件消費貸借契約」という。)後、これを大学の入学金の支払にあてた。
本件消費貸借契約が締結されて1週間後に、丁が丙に対し、1ヶ月以内に本件消費貸借契約を追認するか否かを確答するように催告したが、1ヶ月が経過しても丙が確答しなかったときは、追認したものとみなされる。
「解答」 × です。
未成年者丙は、催告を受けた時点でもまだ未成年者ですね。
第20条 (制限行為能力者の相手方の催告権)
1項
制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、1箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。
2項
制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。
3項
特別の方式を要する行為については、前2項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
4項
制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第17条第1項の審判を受けた被補助人に対しては、第1項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなします。
一方、未成年者に対する催告は、未成年者に意思表示の受領能力がないことから、何らの確答がない場合でも、追認したものとみなすことはできません。
第98条の2 (意思表示の受領能力)
意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に未成年者又は成年被後見人であったときは、その意思表示をもってその相手方に対抗することができない。ただし、その法定代理人がその意思表示を知った後は、この限りでない。
制限行為能力者の相手方の催告権
「問」 ○か×か?
Aが未成年者Bに建物を売却し、その後にBが成年に達した場合において、AがBに対して追認をするかどうか確答するよう催告し、Bが所定の期間内に確答を発しないときは、追認をしたものとみなされる。
Aが未成年者Bに建物を売却し、その後にBが成年に達した場合において、AがBに対して追認をするかどうか確答するよう催告し、Bが所定の期間内に確答を発しないときは、追認をしたものとみなされる。
「解答」 ○ です。
制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項における、被補助人が特定の法律行為をする場合における補助人の同意を要する旨の審判を受けた被補助人をいう。)の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。)となった後、その者に対し、1箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができます。
第17条 (補助人の同意を要する旨の審判等)
1項
家庭裁判所は、第15条第1項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第13条第1項に規定する行為の一部に限る。
2項
本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3項
補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。
4項
補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。
第20条 (制限行為能力者の相手方の催告権)
1項
制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、1箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。
2項
制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。
3項
特別の方式を要する行為については、前2項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
4項
制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第17条第1項の審判を受けた被補助人に対しては、第1項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなします。
Bが未成年者のうちにした建物売却という法律行為は、法定代理人の同意がない以上は、取消うべき行為となります。
しかし、取引の相手方であるAの立場として、いつまでも取消可能な不安定な状況が続くと非常に困った事態といえます。
また、制限能力者の保護が優先されることから、相手方は善意であっても保護されず、不利益を被る可能性が高いといえます。
よって、民法では、このような法的に不安定な状況を解消させるために「催告」という制度を定めています。
この問題文では、Aが催告をしようとする時点では、すでにBは成年になっていますので、自分自身で有効に法律行為をすることができる能力者となっています。
意思表示の受領能力もあります。第98条の2の反対解釈です。
第98条の2 (意思表示の受領能力)
意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に未成年者又は成年被後見人であったときは、その意思表示をもってその相手方に対抗することができない。ただし、その法定代理人がその意思表示を知った後は、この限りでない。
よって、Aは直接Bに対して催告をすることができ、Bも、一人で判断できますので、1ヶ月以上の期間を定めて催告をすれば、その期間内に確答を発信しないときでも、Bが当該行為を追認したものとみなして構わないとなります。
Bは、追認したものとみなされたくなければ、自分で判断して取消さなければならないのに、それをしないで放置したからです。
相続人の欠格事由
「問」 ○か×か?
詐欺によって、被相続人に対して相続に関する遺言を変更させた者でも、家庭裁判所の審判を経なければ、相続人となる資格を失うことはない。
詐欺によって、被相続人に対して相続に関する遺言を変更させた者でも、家庭裁判所の審判を経なければ、相続人となる資格を失うことはない。
「解答」 × です。
※詐欺によって、被相続人に相続に関する遺言を変更させた者た場合には相続欠格に該当します。
第891条 (相続人の欠格事由)
次に掲げる者は、相続人となることができない。
1.故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
2.被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
3.詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者4.詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
5.相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
※上記にあてはまる場合、相続欠格者から相続権を剥奪するためには、家庭裁判所の審判は不要です。
法律の条文で当然に相続欠格として相続権を剥奪していますので、家庭裁判所の審判を介する必要がないためです。
制限行為能力者の相手方の催告権
「問」 ○か×か?
未成年者甲が、その所有する土地について、法定代理人乙の同意を得ないで、買主丙との間で売買契約を締結した場合、
丙が乙に対して、1ヵ月意所の期間内に売買契約を追認するか否かを確答すべき旨を催告したが、乙がその期間内に確答を発しないときは、乙は、売買契約を取り消すことができない。
未成年者甲が、その所有する土地について、法定代理人乙の同意を得ないで、買主丙との間で売買契約を締結した場合、
丙が乙に対して、1ヵ月意所の期間内に売買契約を追認するか否かを確答すべき旨を催告したが、乙がその期間内に確答を発しないときは、乙は、売買契約を取り消すことができない。
「解答」 ○ です。
制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について1箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をした場合において、これらの者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなします。
第20条 (制限行為能力者の相手方の催告権) ★★★
1項
制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、1箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。
2項
制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。
3項
特別の方式を要する行為については、前2項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
4項
制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第17条第1項の審判を受けた被補助人に対しては、第1項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
この問題で考えるべきことは、丙が催告した相手が未成年者甲なのか、それとも法定代理人乙なのかという点です。
未成年者に対する催告の場合は、未成年者本人は意思表示の受領能力がありませんので、たとえ1ヵ月以上の期間をもって催告した結果、確答がなかったとしても、当該未成年者を責めることはできず、追認したものとみなすことはできません。
一方、法定代理人に対して催告した場合には、当該法定代理人は意思表示の受領能力があり、また単独で追認をすることができますので、期間内に確答が得られない場合には、取消権を放棄したものと考えられ、追認したものとみなされます。
戸籍
「問」 ○か×か?
他の夫婦の間に生まれたが、自己の妻との間の嫡出子として届け出て、戸籍にその旨記載されている子自己の親族にあたる。
他の夫婦の間に生まれたが、自己の妻との間の嫡出子として届け出て、戸籍にその旨記載されている子自己の親族にあたる。
「解答」 × です。
戸籍には嫡出子として記載があるものの、実際には他の夫婦の間に生まれた子については、もともと血縁関係がないので、戸籍の記載が無効とされ、親族関係は成立しません。
なお、たとえ親子関係を長い間継続していても、それだけで養子縁組が成立していることにはなりません。
養子縁組が成立するためには、縁組のための手続きをとらなければなりません。
相続人の欠格事由
「問」 ○か×か?
被相続人を虐待した者でも、被相続人から廃除されないかぎり、相続人となることができる。
被相続人を虐待した者でも、被相続人から廃除されないかぎり、相続人となることができる。
「解答」 ○ です。
次に掲げる者は、相続人となることができません。
第891条 (相続人の欠格事由)
次に掲げる者は、相続人となることができない。
1.故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
2.被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
3.詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者4.詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
5.相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
この問題では、被相続人を虐待していますので、社会倫理的に考えれば、相続分を与えるべきではないのかもしれません。
しかし、少なくとも法律上の欠格事由には該当しません。
そこで、被相続人が生前に(若しくは遺言で)、推定相続人のうちで相続させたくない者に対して相続権を剥奪してしまうのが、「廃除」という制度です。
遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができます。
第892条 (推定相続人の廃除)
遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
この廃除請求が家庭裁判所で認められると、その者は推定相続人から外れることになります。
「廃除」がなされていませんので、この問題文は「正しい」内容であることになります。
ちなみに遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人が受け取ることのできる、相続財産の一定の割合のことをいいます。
第1028条 (遺留分の帰属及びその割合)
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
1.直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の3分の1
2.前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の2分の1
遺留分を持つ相続人については、その者の生活の保証という観点から、相続財産の一定割合を必ず受け取ることができる権利を付与しています。
遺留分を侵害するような遺言や遺贈があっても、遺留分権利者は自己の分を取り返すことができます。
しかし、廃除をされてしまいますと、この遺留分についても権利を失うことになります。
婚姻の無効
「問」 ○か×か?
婚姻の届出をすることについての意思の合致はあるが、真実社会観念上夫婦と認められる関係を創設することについて意思の合致がない場合には、判例上その婚姻は無効である。
婚姻の届出をすることについての意思の合致はあるが、真実社会観念上夫婦と認められる関係を創設することについて意思の合致がない場合には、判例上その婚姻は無効である。
「解答」 ○ です。
婚姻が有効に成立するためには、当事者間の婚姻をする意思が必要であり、その意思のない婚姻は無効となります。
第742条 (婚姻の無効)
婚姻は、次に掲げる場合に限り、無効とする。
1.人違その他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき。
2.当事者が婚姻の届出をしないとき。ただし、その届出が第739条第2項に定める条件を欠くだけであるときは、婚姻は、そのために、その効力を妨げられない。
婚姻意思とは、判例では当事者間で、真に社会観念上夫婦と認められる関係の認定を欲する効果意思のことを指すとしています。(最判S44.10.31:実質的意思説)
つまり、形式的に夫婦になろうという意思だけでは足りないということですので、いわゆる偽装結婚は無効ということになります。
制限能力者
「問」 ○か×か?
就学前の幼児が、他の者から贈与の申込みを受けてこれを受諾しても、その承諾は無効である。
「解答」 ○ です。
おさらいですが、意思能力とは、自分のする行為の結果について認識し、判断できる程度の精神的な能力のことをいいます。
この意思能力が備わっていて、初めて法律行為が有効なものとされます。
ちなみに法律行為とは、例えば物の売買などのようにその行為をすることによって、法律上の権利や義務が発生する行為のことをいいます。
売買が成立すると、売主は物の引渡し義務が発生し、代金を受け取る権利が生じます。
一方、買主は、代金の支払い義務が発生しますが、その物を受け取る権利が生じます。
民法では、この意思能力を有しない者(自らの意思を有しない者)は、法律行為をすることができず、その者のした法律行為は無効として取り扱います。
一般には、意思能力が備わるのは、7〜8歳位といわれています。
一方、行為能力とは、単独で権利義務に関する行為を完全にすることができる能力をいいます。
この行為能力を有しない者を、民法では制限能力者として取り扱い、これらの者を保護するようにしています。
この制限能力者は、ご存じの通り未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人(但し、民法第16条第1項の審判、つまり、特定の法律行為につき補助人の同意を得ることを要する旨の審判を受けた者に限る)の4つに分けられす。
この問題における「就学前の幼児」は、行為能力どころか、意思能力をも有していないと考えられますので、この者を保護する必要から、この行為を無効としています。(大判M38.5.11)
就学前の幼児が、他の者から贈与の申込みを受けてこれを受諾しても、その承諾は無効である。
「解答」 ○ です。
おさらいですが、意思能力とは、自分のする行為の結果について認識し、判断できる程度の精神的な能力のことをいいます。
この意思能力が備わっていて、初めて法律行為が有効なものとされます。
ちなみに法律行為とは、例えば物の売買などのようにその行為をすることによって、法律上の権利や義務が発生する行為のことをいいます。
売買が成立すると、売主は物の引渡し義務が発生し、代金を受け取る権利が生じます。
一方、買主は、代金の支払い義務が発生しますが、その物を受け取る権利が生じます。
民法では、この意思能力を有しない者(自らの意思を有しない者)は、法律行為をすることができず、その者のした法律行為は無効として取り扱います。
一般には、意思能力が備わるのは、7〜8歳位といわれています。
一方、行為能力とは、単独で権利義務に関する行為を完全にすることができる能力をいいます。
この行為能力を有しない者を、民法では制限能力者として取り扱い、これらの者を保護するようにしています。
この制限能力者は、ご存じの通り未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人(但し、民法第16条第1項の審判、つまり、特定の法律行為につき補助人の同意を得ることを要する旨の審判を受けた者に限る)の4つに分けられす。
この問題における「就学前の幼児」は、行為能力どころか、意思能力をも有していないと考えられますので、この者を保護する必要から、この行為を無効としています。(大判M38.5.11)
制限行為能力者の詐術
「問」 ○か×か?
被保佐人は、第三者が銀行から融資を受けるにあたり、自己が被保佐人であることを告げないでその債務を保証したときは、当該保証契約を取り消すことができない。
被保佐人は、第三者が銀行から融資を受けるにあたり、自己が被保佐人であることを告げないでその債務を保証したときは、当該保証契約を取り消すことができない。
「解答」 × です。
※制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができません。
第21条 (制限行為能力者の詐術) ★★★
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
この詐術については、積極的に用いた場合や、他の言動などと共に、相手方の誤信を強めさせたような場合は該当します。
しかし、単に制限行為能力者であることを黙秘していただけでは、詐術とは当たらないとする判例があります。(最判S44.2.13)
よってこの問題でも、単に被保佐人であることを告げないで黙っているだけですので、詐術には当たらず、その後契約を取り消すことができるということになります。
制限行為能力者の詐術
「問」 ○か×か?
成年被後見人又は被保佐人が、相手方に能力者である旨を誤信させるため詐術を用いた場合、成年後見人は、成年被後見人の行為を取り消すことができるが、保佐人は、被保佐人の行為を取り消すことができない。
成年被後見人又は被保佐人が、相手方に能力者である旨を誤信させるため詐術を用いた場合、成年後見人は、成年被後見人の行為を取り消すことができるが、保佐人は、被保佐人の行為を取り消すことができない。
「解答」 × です。
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができません。
第21条 (制限行為能力者の詐術) ★★★
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
制限行為能力者が、自己が行為能力者であると相手方を誤信させるような欺罔的な行為をし、その結果、実際に相手方が誤信した場合までも、当該制限行為能力者を保護する必要はないため、相手方を保護することにした訳です。
よってこの問題では、詐術を用いた当該成年被後見人の行為について、成年後見人は取り消すことができないということになります。
