外国法人
「問」 ○か×か?
国、国の行政区画、商事会社又は法律若しくは条約により認許されたもの以外の外国法人は、我が国において、法人格が認められない。
国、国の行政区画、商事会社又は法律若しくは条約により認許されたもの以外の外国法人は、我が国において、法人格が認められない。
「解答」 ○ です。
※外国法人とは、外国の法律に準拠して設立された法人をいいます。
日本における会社法(または旧商法)に準拠して設立されている日本法人とは別の法人と考えて下さい。
法人についても、自然人と同じように権利能力(法人格)が認められています。
その中で、外国法人については、国、国の行政区画及び商事会社を除き、その成立を認許しないのが原則です。
しかし、法律又は条約の規定により認許された外国法人は、この限りではないとしています。
第36条 (外国法人)
1項
外国法人は、国、国の行政区画及び商事会社を除き、その成立を認許しない。ただし、法律又は条約の規定により認許された外国法人は、この限りでない。
2項
前項の規定により認許された外国法人は、日本において成立する同種の法人と同一の私権を有する。ただし、外国人が享有することのできない権利及び法律又は条約中に特別の規定がある権利については、この限りでない。
よって、国、国の行政区画、商事会社又は法律若しくは条約により認許されたもの以外の外国法人については、日本では法人格を得ることはできません。
不在者の財産の管理
「問」 ○か×か?
Aの父Bが旅行中船舶事故に巻き込まれたまま生死不明になった場合において、Bが事故に遭遇してから1年が経過していなくても、Aは、家庭裁判所に対し、Bのために不在者の財産管理人の選任を請求することができる。
Aの父Bが旅行中船舶事故に巻き込まれたまま生死不明になった場合において、Bが事故に遭遇してから1年が経過していなくても、Aは、家庭裁判所に対し、Bのために不在者の財産管理人の選任を請求することができる。
「解答」 ○ です。
従来の住所又は居所を去った者が、その財産の管理人を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができます。
本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とします。
第25条 (不在者の財産の管理)
1項
従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。
2項
前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。
不在者の財産を管理する者(財産管理人)がいれば、不在者の財産を守ることができます。
本人や法律上の利害関係人にとっては不利益とはならず、問題にはなりません。
このような権限を持つ者が選任されていない場合には、一定の者が財産管理人の選任の請求をすることで、不在者の財産を管理させることができるという規定です。
この場合の利害関係人は、例えば債権者や相続人など、当該不在者の財産が不当に流出してしまうと影響が出る者(法律上の利害関係人)が該当し、単に近所に住む者や、友人などは、請求することができません。
相続の承認又は放棄をすべき期間
「問」 ○か×か?
相続の承認または放棄の3ヵ月の熟慮期間の起算点は、相続人が被相続人の死亡の事実を知っただけでなく、被相続人の死亡により、自己が相続人となったことを知ったときである。
相続の承認または放棄の3ヵ月の熟慮期間の起算点は、相続人が被相続人の死亡の事実を知っただけでなく、被相続人の死亡により、自己が相続人となったことを知ったときである。
「解答」 ○ です。
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければなりません。
第915条 (相続の承認又は放棄をすべき期間)
1項
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において、伸長することができる。
2項
相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。
※判例では、相続人が相続開始の原因である事実の発生を知り、かつそのために自己が相続人となったことを覚知したときであるとしています。(大決T15.8.3)
相続人は、相続を承認するのか放棄をするのかを、原則としてこの3ヵ月間で決めなさいという趣旨ですから、自分が相続人になったことまでを知覚していなければならないということです。
※この3ヵ月の熟慮期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができます。
取り消すことができる行為の追認
「問」 ○か×か?
成年被後見人は、成年後見人が追認した行為も取り消す事ことができるが、被保佐人は、保佐人が追認した行為を取り消すことができない。
「解答」 × です。
※追認とは、とりあえずは有効となっている取消し可能な法律行為について、取消権を有する者(取消権者)が改めて有効であることを認めることにより、取消権を放棄することをいいます。
第122条 (取り消すことができる行為の追認)
取り消すことができる行為は、第120条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。ただし、追認によって第三者の権利を害することはできない。
行為能力の制限によって取り消すことができる行為について追認ができる者(追認権者)は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者とされています。
第120条 (取消権者)
1項
行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
2項
詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。
成年後見人や保佐人、補助人という法定代理人は、追認をすることができることになります。
追認権者が追認をすると、制限能力者のした法律行為は初めから有効なものとみなされますので、その後は取消しをすることはできなくなります。
成年後見人が追認した行為については、成年被後見人がその後取消しをすることはできません。
成年被後見人は、成年後見人が追認した行為も取り消す事ことができるが、被保佐人は、保佐人が追認した行為を取り消すことができない。
「解答」 × です。
※追認とは、とりあえずは有効となっている取消し可能な法律行為について、取消権を有する者(取消権者)が改めて有効であることを認めることにより、取消権を放棄することをいいます。
第122条 (取り消すことができる行為の追認)
取り消すことができる行為は、第120条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。ただし、追認によって第三者の権利を害することはできない。
行為能力の制限によって取り消すことができる行為について追認ができる者(追認権者)は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者とされています。
第120条 (取消権者)
1項
行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
2項
詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。
成年後見人や保佐人、補助人という法定代理人は、追認をすることができることになります。
追認権者が追認をすると、制限能力者のした法律行為は初めから有効なものとみなされますので、その後は取消しをすることはできなくなります。
成年後見人が追認した行為については、成年被後見人がその後取消しをすることはできません。
遅延した承諾の効力
「問」 ○か×か?
AB間の契約締結交渉において、AがBに対して書面を郵送して申込みの意思表示をした。
その際、Aは承諾の通知を受ける期間の末日を2月5日と定めた。Bが承諾の通知を2月4日に発し、これが2月6日に到達した場合、Aがこの承諾を新たな申込みとみなして、これに対する承諸をすれば、契約は成立する。
AB間の契約締結交渉において、AがBに対して書面を郵送して申込みの意思表示をした。
その際、Aは承諾の通知を受ける期間の末日を2月5日と定めた。Bが承諾の通知を2月4日に発し、これが2月6日に到達した場合、Aがこの承諾を新たな申込みとみなして、これに対する承諸をすれば、契約は成立する。
「解答」 ○ です。
承諾の通知は、承諾期間内に申込者の下に届かなければ無効となります。
しかし、申込者がそれでも構わないと考えるのであれば、その通知を新たな申込とみなして処理すると、再度申込をする手間を掛けなくてもすみます。
つまり、当事者の意思にも合致します。
第523条 (遅延した承諾の効力)
申込者は、遅延した承諾を新たな申込みとみなすことができる。
相続人の欠格事由
「問」 ○か×か?
相続欠格の対象となるのは、すべての推定相続人であるが、相続人の廃除の対象は、遺留分を有する推定相続人のみである。
相続欠格の対象となるのは、すべての推定相続人であるが、相続人の廃除の対象は、遺留分を有する推定相続人のみである。
「解答」 ○ です。
相続欠格の対象者について民法の条文を見ると、全ての推定相続人となっています。
第891条 (相続人の欠格事由) ★★★
次に掲げる者は、相続人となることができない。
1.故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
2.被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
3.詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者4.詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
5.相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
一方、廃除の対象者については、遺留分を有する推定相続人のみとなっています。
第892条 (推定相続人の廃除)
遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
相続財産を、ある推定相続人に相続させないようにするためには、その内容の遺言をすればすみます。
しかし遺言は遺留分を剥奪することはできませんので、遺留分を有する推定相続人からその遺留分の権利を剥奪するために、廃除の制度があります。
失踪の宣告
「問」 ○か×か?
AはBと婚姻をしていたが、ある日、Bが家を出たまま行方不明となった。
この事例において、Bの失踪宣告がされた場合、Bが死亡したものとみなされる7年の期間満了のときより前に、Aが、Bがすでに死亡していたものと信じて行ったBの財産の売却処分は、有効とみなされる。
AはBと婚姻をしていたが、ある日、Bが家を出たまま行方不明となった。
この事例において、Bの失踪宣告がされた場合、Bが死亡したものとみなされる7年の期間満了のときより前に、Aが、Bがすでに死亡していたものと信じて行ったBの財産の売却処分は、有効とみなされる。
「解答」 × です。
普通失踪の宣告を受けた者は、不在者の生存が最後に確認されたときから7年間が満了した時に、特別失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなします。
第30条 (失踪の宣告) ★★★
1項
不在者の生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。
2項
戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後1年間明らかでないときも、前項と同様とする。
第31条 (失踪の宣告の効力)
前条第1項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第2項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。
よって、Bの死亡時点より前に配偶者Aが行ったBの財産の売却行為は、Aが生存している期間の法律行為ですので、無権代理行為(代理人の権利がないのに代理人と称して行った行為)に該当し、本人の同意がない以上は、有効となることはありません。
第113条 (無権代理)
1項
代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
2項
追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。
失踪の宣告
「問い」 ○か×か?
AはBと婚姻をしていたが、ある日、Bが家を出たまま行方不明となった。
この事例において、Bの生死が7年以上不明の場合、Aは、Bの失踪宣告を得ることができるので、婚姻を解消するためには、失踪宣告の申立てをする必要があり、裁判所の離婚手続によることはできない。
AはBと婚姻をしていたが、ある日、Bが家を出たまま行方不明となった。
この事例において、Bの生死が7年以上不明の場合、Aは、Bの失踪宣告を得ることができるので、婚姻を解消するためには、失踪宣告の申立てをする必要があり、裁判所の離婚手続によることはできない。
「解答」 × です。
不在者の生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができます。
第30条 (失踪の宣告)
1項
不在者の生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。
2項
戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後1年間明らかでないときも、前項と同様とする。
よって、不在者が生死不明のまま7年間が経過すれば、利害関係人は、失踪宣告の請求をすることができます。
※この場合の「利害関係人」は、法定相続人や財産管理人などが該当し、配偶者も含まれます。
不在者と離婚をするためには、必ずしも失踪宣告が必要ではありません。
夫婦の一方は、離婚の訴えを提起することができますが、そのひとつに、「配偶者の生死が3年以上明らかでないとき」という項目があります。
第770条 (裁判上の離婚)
1項
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1.配偶者に不貞な行為があったとき。
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2項
裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮し
て婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
ですから、不在者である配偶者との婚姻の解消には、必ずしも失踪宣告が必要ということにはなりません。
法定地上権
「問」 ○か×か?
Aは、土地とその地上建物を所有しており、双方に抵当権を設定した。
その後、土地、建物について抵当権が実行され、土地はBが、建物はCが買受人となった。
この場合、Cのために法定地上権は成立しない。
Aは、土地とその地上建物を所有しており、双方に抵当権を設定した。
その後、土地、建物について抵当権が実行され、土地はBが、建物はCが買受人となった。
この場合、Cのために法定地上権は成立しない。
「解答」 × です。
※法定地上権とは、不動産に付けられた抵当権が実行され、競売が行われた場合に、法律によって設定されたとみなされる地上権をいいます。
抵当権の設定時点では、土地の所有者とその土地の上に存在している建物の所有者同一人であったために、建物の底地の利用権(使用収益権)が所有権であった場合、その後の競売によって土地と建物の所有者が別々になってしまうと、その建物の買受人は、底地の使用収益権を持たないため、不法占拠となり、建物を取り壊すことになってしまいかねません。
それでは社会経済上の損失にもなりますし、建物の買受人も出てきませんので、法律では自動的に地上権が設定されたものとすることにしました。
しかし、土地の所有者からすれば非常に厳しい内容ですので、成立のための要件が厳しくなっています。
ここで、法定地上権の成立要件をまとめておきます。
・抵当権設定当時建物が存在すること ・土地と建物が同一人に帰属していること ・土地又は建物に抵当権が設定されたこと(両方への設定も可) ・抵当権の実効により土地と建物の所有者が別になったこと
今回の問題を検討すると、元々Aが土地と建物を所有しているので、上記.の要件に該当します。
土地建物両方に抵当権が設定され、その抵当権の実行による競売により、土地と建物の所有者が別々の人物になることも、上記の要件を満たしています。
よって、建物の買受人Cのために、法定地上権が成立します。
利益相反行為
「問」 ○か×か?
親権者が、借受金を自らの用途に充てる意図で子の名において金員を借り受け、その子の所有する不動産に抵当権を設定するのは、親権者とその子の利益が相反する行為に当たる。
親権者が、借受金を自らの用途に充てる意図で子の名において金員を借り受け、その子の所有する不動産に抵当権を設定するのは、親権者とその子の利益が相反する行為に当たる。
「解答」 × です。
一読すると利益相反行為のように思えますが、判例では利益相反行為ではないとしています。
判例では、利益相反行為か否かを判断する際には、親権者が未成年者の子の代理として行った行為について、その行為の外形のみで判断をすべきであるとの考えをとっています。(形式判断説)
単純に、親権者の本心は一切考慮に入れないということになります。
この問題では、子の名において金員を借り、子の所有の不動産に抵当権をつけるということですので、子にとっては不利益がないということになり、利益相反行為にはあたりません。(大判S9.12.21)
不適法な婚姻の取消し
「問」 ○か×か?
婚姻の取消しは一般の取消しと異なり、必ず裁判所に請求しなければならない。
婚姻の取消しは一般の取消しと異なり、必ず裁判所に請求しなければならない。
「解答」 ○ です。
婚姻の取消は、家庭裁判所に請求してこれをしなければなりません。
第744条 (不適法な婚姻の取消し)
1項
第731条から第736条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。
ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。
2項
第732条又は第733条の規定に違反した婚姻については、当事者の配偶者又は前配偶者も、その取消しを請求することができる。
※一般の取消は、相手方に対する意思表示によってこれをすれば足ります。
第123条 (取消し及び追認の方法)
取り消すことができる行為の相手方が確定している場合には、その取消し又は追認は、相手方に対する意思表示によってする。
