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今の時点で何問正解できますか?


出題形式はばらばらですが、必須問題ばかりです。
間違えたり分からなかった場合は、すぐに解答・解説を読み、理解を深めて下さい。


※なお、出題された年代により現行の法令とは食い違う点があるかもしれません。その際はお知らせ下さい。
こちらまで >>






遺言

「問」 ○か×か?


自筆証書による遺言は、検認請求手続が遅延していても、有効である。







「解答」 ○ です。


覚えていますか?

普通方式の遺言には、次の3種類があります。


1.自筆証書遺言

遺言書の全てを自筆で書く遺言のことです。最も一般的なものです。


第968条 (自筆証書遺言)

1項
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

2項 
自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。


2.公正証書遺言

公証人役場で、公証人に作成してもらう遺言のことです。


第969条 (公正証書遺言)

公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
1.証人2人以上の立会いがあること。
2.遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
3.公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
4.遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を附記して、署名に代えることができる。
5.公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。


3.秘密証書遺言

遺言書の内容を秘密にしておきつつも、公証人に遺言書の存在を証明してもらう方法の遺言です。


第970条 (秘密証書遺言)

1項
秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
1.遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
2.遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
3.遺言者が、公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
4.公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。

2項
第968条第2項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。


このうち、公正証書遺言以外の2つについては、当該遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など、遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造・変造を防止するための「検認」という手続きが必要となります。

検認という手続き自体は、遺言書の効力について判断するものでもないし、たとえ検認手続きが遅延していたとしても、そのことにより遺言の効力に影響を与えることはありません。

ちなみに、公正証書遺言については、法律のプロである公証人が作成しています。

遺言書の作成時に、2人以上の証人の立ち会いがあるので、法定の形式を踏んで作成されていることが明らかですので、検認は不要とされています。
 
 
 
 






制限行為能力者の相手方の催告権

「問」 ○か×か?


銀行との間において金銭消費貸借契約を締結した被保佐人が、その銀行から2ヵ月以内に保佐人の追認を得べき旨の催告を受けたにもかかわらず、何らの通知も発しなかったときは、その契約は、追認されたものとみなされる。






「解答」 × です。


制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第17条第1項の審判を受けた被補助人に対しては、1箇月以上の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができます。


第17条 (補助人の同意を要する旨の審判等)

1項
家庭裁判所は、第15条第1項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第13条第1項に規定する行為の一部に限る。

2項
本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。

3項
補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。

4項
補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。


この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなします。


第20条 (制限行為能力者の相手方の催告権)

1項
制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、1箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。

2項
制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。

3項 
特別の方式を要する行為については、前2項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。

4項 
制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第17条第1項の審判を受けた被補助人に対しては、第1項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。


被保佐人が催告を受けていますが、この者は単独で有効に追認をすることができません。

たとえ1箇月以上の期間を開けて催告をしたとしても、その者からの通知がないからというだけで、追認とみなすことはできません。


なお、この第4項の条文では、「追認すべき旨」となっており、第1項の「追認するかどうか」ではありません。

「超・細かい!」と感じるかもしれませんが、試験のダメダメ問題などの場合、こんなところも対象にしますので、注意が必要ですよ。
 
 
 
 
 






遺産の分割の協議又は審判等

「問」 ○か×か?


共同相続人の協議により遺産の分割を禁止した場合において、その禁止期間が経過したときは、共同相続人は直ちに分割しなければならない。







「解答」 × です。


共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができます。


第907条 (遺産の分割の協議又は審判等)

1項
共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる。

2項
遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。

3項
前項の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。



原則として共同相続人は、いつでも遺産分割をすることができます。


例外として、第908条の遺言による分割の禁止があります。


第908条 (遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止)

被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。


その他にも、共同相続人の全員の協議により、5年を超えない期間において、遺産の分割を禁止する契約をすることができます。


第256条 (共有物の分割請求)

1項
各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、5年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。

2項 
前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から5年を超えることができない。


ただし、その分割禁止期間が経過したからといって直ちに分割しなければならない訳ではありません。

その後は原則に戻って、いつでも遺産分割協議ができるようになるだけです。
 
 
 
 






離婚又は認知の場合の親権者

「問」 ○か×か?


父母の離婚に際して親権者を母と指定された未成年の子に対しても、父母の協議により、父が親権を行使することができる。







「解答」 × です。


※父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければなりません。


第819条 (離婚又は認知の場合の親権者)

1項
父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。

2項 
裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。

3項 
子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母が行う。ただし、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができる。

4項 
父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が行う。

5項 
第1項、第3項又は前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、父又は母の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。

6項 
子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる。


よって、離婚時の協議によって、母を親権者と定めたということになり、これは問題ありません。

では、いったん定めた親権者を、後日協議により変更することができるのかというと、これはできません。

条文では、子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができるとしているので、たとえ親権者を変更する事由があるとしても、当事者の協議による変更はできません。
 
 
 
 






相続の放棄の方式

「問」 甲がアからオまでに掲げる者を残して死亡した場合、被相続人甲の相続に関する以下の記述は○か×か?

ア 甲の内縁の妻乙
イ 甲の先妻の死亡した子Aの子X
ウ 甲の先妻の子B
エ Bの子Y
オ 甲の死亡した妹の子C

Xが相続を放棄したときは、その相続分はBに帰属する。








「解答」 ○ です。


まずは関係図を書くことからです。

※相続の放棄とは、亡くなった人の相続人となることのできる者(推定相続人)が、亡くなった人の財産を一切相続しないで放棄することをいいます。

手続的には、裁判所に申述しなければなりません。


第938条 (相続の放棄の方式)

相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。


相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなすこととしています。


第939条 (相続の放棄の効力)

相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。


※相続の分配についてですが、これは、法律上相続権のある者の話し合い(遺産分割協議)によって、自由に決めることができます。

ただし法律上では、法定相続分という「原則」的なものを定めており、財産に関する遺言書がなく、遺産分割協議が成立しない場合には、この法定相続分に基づくことになります。


第900条 (法定相続分)

同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。

1.子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。

2.配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。

3.配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。

4.子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。

ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。


この問題文では、被相続人である甲の死亡により、子Aと子Bに相続権が発生します。

先妻は、すでに離婚していますので、相続権はありません。

内縁の妻乙も、法律的に婚姻していませんので、相続権はありません。

そして子Aは甲より先に死亡していますので、Aの子XがAを代襲して相続する権利を得ることになります。

結局、甲の相続について、法定相続分は、XとBが各々1/2ずつということになります。

しかし、この問題文では、Xが相続を放棄するとしていますので、Xは初めから相続人とならなかったものとみなされます。

よって、子Bが甲の財産の全てを相続することになります。
 
 
 
 






失踪の宣告

「問」 ○か×か?


Aの父Bが旅行中船舶事故に巻き込まれたまま生死不明になった場合において、Bが事故に遭遇してから1年が経過すれば、Aは、家庭裁判所に対し、Bについての失踪宣告を請求することができる。








「解答」 ○ です。


失踪宣告には以下の2種類があります


第30条 (失踪の宣告)

1項 (普通失踪)
不在者の生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。

2項 (特別失踪)
戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後1年間明らかでないときも、前項と同様とする。


この問題で問われているものは、特別失踪です。

利害関係人には、法定相続人や不在者財産管理人などが該当しますので、子Aは父Bの失踪宣告を請求することができます。
 
 
 
 






解除権の行使とは、

□ 解除権の行使とは、

解除権は、相手方に対する一方的意思表示によってなします。

※相手方の承諾不要です。

解除の意思表示をした場合、もはやこれを取り消す(撤回)することはできません。



・ 解除権不可分の原則 ★★★

当事者の一方(または双方)が数人ある場合、契約の解除はその全員より、またはその全員に対してのみ行うことができます。

※解除権が複数当事者の1人について消滅した場合、他の者についても消滅します。



※過去問でもよく出てきますが、「40字程度で説明せよ」なんてこともあるかも。
 
 

解除とは

■ 解除




□ 解除とは、

いったん有効に成立した契約を解消させて、その契約が初めからなかったものとする制度をいいます。

解除には「法定解除」と「約定解除」があります。



・法定解除とは、債務不履行を理由とする解除です。

・約定解除とは、契約の両当事者の約束により解除できると決める場合で、手付、買戻しがあります。





□ 債務不履行を理由とする解除


※法定解除


・解除権発生の要件として、履行遅滞があります。

債務者が債務を履行しない場合、相当の期間を定めて履行を催告し、その催告期間内に履行されなかったときに解除ができるとするものです。


※この場合、催告と同時に解除の意思表示をしておいても大丈夫です。

例えば、「1ヶ月以内に履行しなかったら解除する」旨を口頭で言うなど。


※定期行為の遅滞による解除は、催告は不要です。


※催告を不要とする特約も有効です。


※同時履行の関係にある場合、履行の提供なしに、催告だけでは解除はできません。

例えば、建物売買において引渡期日に売主が建物を引き渡さない場合など、買主は代金を提供して催告することにより、解除ができます。


※履行不能、債務者の責任で履行が不能となったときは、催告は不要でただちに解除ができます。





※ 催告とは、★★★

もう一度債務者に履行の機会を与えて、債務者を保護するとともに契約関係の維持を図るものです。


債権者は催告に当たり、「相当の期間」を定めなければなりません。


相当の期間とは、履行の準備に着手して履行を完了するために必要な期間ではなく、既に履行の準備をした者が、履行をなすためのみに必要な期間をいいます。★★★


※不相当の期間を定めた催告であっても、客観的に相当だと認められる期間内に債務者が履行をしなければ、解除権が発生してしまいます。





□ 解除の効果

まだ履行されていない債務は、履行する必要がなくなります。

つまり、債務の存在自体が、初めからなくなるわけです。


既に履行されているものがあるときは、お互い返還する義務を負います。

これを原状回復義務といいます。


上記2つによっても償われない損害があれば、損害賠償の請求ができます。

原状回復の履行にあたり、債務者は、受領の時からの利息を付けて返還しなければなりません。
 
 
 
 






縁組による親族関係の発生

「問」 自己の養女が縁組前に生んだ非嫡出子は、自己の親族にあたるか否か?







「解答」 親族に当たらない。


自己の「養女」は、血族にあたります。

養子と養親およびその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけると同一の親族関係を生じます。


第727条 (縁組による親族関係の発生)

養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。


よって、この養女が縁組後に生んだ子については、嫡出子・非嫡出子を問わず、養親と血族関係になります。(大判T6.12.26)

しかし、縁組前に生んだ子については、そのままの状態だと、何ら血族関係を生じません。(大判S7.5.11)
 
 
 
 
 






債務不履行の効果は

□ 債務不履行の効果は

債務不履行によって損害が生じた場合、

債権者は債務者に対して、損害賠償の請求ができます。

しかし債権者は、自分が損をしたこと、また、いくら損をしたのかを証明
しなければなりません。


※当事者間の契約で、賠償すべき額をあらかじめ決めておくことができます。

これを「損害賠償額の予定」といいます。


・ 損害賠償額の予定について

債務者は、債務不履行の事実さえ証明すれば、損害の発生、損害額の証明をしなくても、予定賠償額を請求できます。

賠償額の予定は、契約と同時にする必要はありません。

裁判所は、賠償予定額を増減することはできません。

違約金は、損害賠償額の予定と推定されます。

賠償額の予定がなされているときでも、本来の履行の請求または解除権の行使を妨げません。


※損害賠償以外に、契約を解除することも認められます。




□ 金銭債務の不履行の場合

買主の債務不履行ですから、つまり代金の不払いのケースなどです。

金銭債務は、履行不能とはなりません。

常に履行遅滞となります。

金銭債務は、不可抗力をもって抗弁とすることはできません。★★★


金銭は、その極度の融通性・普遍性から、履行不能は有り得ません。

金銭は万能であり、世の中のどこかには必ず存在します。特定物とは違って、代わりがいくらでも存在します。

支払いが不可能ということは有り得ませんね。


債権者は、損害の発生を証明しなくても、賠償請求をすることができます。

賠償額は法定利率(年5分)を原則としますが、これより高い約定利率を定めているときは、それとします。

債権者は、履行遅滞があれば当然に上記法定利率または約定利率による賠償を請求し得ますが、それ以上の実損害を証明しても、その賠償を請求することはできません。

金銭債務の場合についても、損害賠償額の予定をすることができます。
 
 
 
 
 






失踪の宣告の取消し

「問」 ○か×か?


AはBと婚姻をしていたが、ある日、Bが家を出たまま行方不明となった。

この事例において、Bの失踪宣告がされた後、Bが家出した日に交通事故で死亡していたことが判明した場合、Bが死亡したとみなされる時期は、Bの失踪宣告が取り消されなくとも、現実の死亡時期までさかのぼる。






「解答」 × です。


失踪者が生存すること又は失踪宣告により死亡したものとみなされた時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければなりません。


第32条 (失踪の宣告の取消し)

1項
失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。

2項 
失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失う。ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。


失踪宣告によって死亡したものとみなされた時期と異なる事実が判明した場合でも、当該失踪宣告を取り消さないと、その事実だけでは変更されず、当該失踪宣告の効果がそのまま続いてしまうことになります。

ですから、死亡時期の変更の場合でも、失踪宣告の取消を請求する必要があります。


失踪宣告が取り消された場合、原則は財産関係や身分関係が従前に戻ることになります。

例外として、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力には影響を及ぼさず、また、失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失うものの、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負うとしています。
 
 
 
 
 






債務不履行

■ 債務不履行
   



□ 債務不履行とは、

債務者が、正当な理由がないのに債務の履行をその内容どおりに行わないことです。

つまり、約束どおりの履行をしないことをいいます。




□ 債務者とは、

売買契約では、お互いに債権者であり債務者です。

言っている意味がわかりますか?


「代金の支払い」についての債権者は売主で、債務者は買主です。

「目的物の引渡し」についての債権者は買主で、債務者は売主です。

買主は売主に対して、「買った物を引き渡してくれ」という権利を有するわけです。




□ 債務不履行の種類

債務不履行には、「履行不能」と「履行遅滞」の2種類があります。


・ 履行不能、要するに約束を守ることが不可能となることです。

契約成立後に、債務者(売主)の責任によって、目的物を買主に引き渡せなくなってしまった場合、

例えば問題でもよく出題されるパターンとして、建物の売買契約成立後、売主の火の不始末で、引渡し前に建物が焼失してしまった場合などが挙げられます。

要件として、契約成立後に履行が不可能となること、債務者に故意または過失があること。

※履行期到来以前でも、履行期に給付することが不能確実となれば、履行期の到来を待たずに、そのときから履行不能となります!。



・ 履行遅滞、要するに約束に遅れることです。

債務が履行期にあり、しかも履行が可能であるにもかかわらず、債務者が履行期を過ぎた場合など、

例えば、建物の引渡し期日になっても、買主に引き渡さないケース。


要件として、履行期に履行が可能であること、債務者に故意または過失があること、履行期を過ぎること、履行しないことが違法であることです。

例えば、債権者が同時履行や留置権などを行使している場合などです。


※同時履行の場合、相手方が債務を履行しない間は、履行遅滞による債務不履行責任を負うことはありません。



ちなみに履行期とは、

確定期限とは、期限が到来したときのことです。

不確定期限とは、債務者が期限の到来を知ったときのことです。

期限の定めない場合は、債務者が履行の請求を受けたときです。
 
 
 
 
 






相続の放棄の効力

「問」 甲がアからオまでに掲げる者を残して死亡した場合、被相続人甲の相続に関する以下の記述は ○か×か?

ア 甲の内縁の妻乙
イ 甲の先妻の死亡した子Aの子X
ウ 甲の先妻の子B
エ Bの子Y
オ 甲の死亡した妹の子C

Bが相続を放棄したときには、Yが代襲相続人となる。








「解答」 × です。


Bが相続を放棄することで、Bは初めから相続人とならなかったものとみなされます。


第939条 (相続の放棄の効力)

相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。


よって、Bの子Yが代襲して相続をするということ自体がありえないことになりますね。

結局、Bが相続放棄をすれば、亡Aの子Xが全てを代襲相続することになります。



※相続放棄の方法はわかりますか? ★★★

第938条 (相続の放棄の方式)

相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。



※代襲相続の意味はわかりますか? ★★★

子または兄弟が相続する場合に、代襲相続という制度があります。

代襲相続というのは、本来血族として相続人になるはずだった人が、相続開始以前(同時死亡を含む)に死んでいたときなどに、その子や孫が代わって相続人になるという制度です。

この場合の代襲される者を「被代襲者」、代襲する者を「代襲者」といいます。


行政書士試験の過去問ですが、一見ややこしそうな問題でも、関係図を書くことによって「見えてきます」。

試験では、決して手間を惜しむことのないようにしましょう。

また、「相続」に関しては、集中して学習した方が頭に入りやすいものです。

いっぺんに集中して勉強して「コツ」をつかんで下さいね。
 
 
 
 
 






委任

※今回の「委任」も、「請負」と同様 重要な言葉ですよ。



■ 委任



□ 委任とは

他人に、契約などの法律行為をすることを頼むことです。

自分では処理できないことを、信頼のおける人にやってもらうわけです。


※頼む人を委任者、頼まれる人を受任者といいます。

委任契約は、無償が原則です。

ただし、特約で有償も可となります。




□ 委任者の権利義務とは

特約がない限り、受任者に報酬を支払う必要はありません。

もし報酬を支払う場合、支払い時期は、委任終了後となります。


委任事務をするに必要な費用を、受任者に支払う義務があります。




□ 受任者の権利義務とは

有償の場合だけでなく、無償の場合も、善良なる管理者の注意(善管注意義務)をもって、委任された事務を処理しなければなりません。



ここでも出ました「善管注意義務」という言葉。

※1 「問」 40字程度で説明しなさい。



委任とは、当事者間の信頼関係に基づく契約です。

何度も言いますが、特約がない限り、委任者に報酬を請求することはできません。


有償委任において、受任者の責任ではなく、履行の中途で委任契約が終了したときは、受任者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができます。

※仕事の完成を目的とする「請負」とは異なることを覚えておきましょう。


委任事務をするに必要な費用を、あらかじめ委任者に請求することができます。






※1 善管注意義務とは、

十分に注意して義務を行うこと。自己のためにすると同一の注意義務を必要とします。
 
 
 
 
 






相続に関する胎児の権利能力

「問」 ○か×か?


胎児(のちに死体で生まれた場合を除く)は、遺贈を受けることができる。








「解答」 ○ です。


権利能力とは、権利義務の帰属主体となりうる地位・資格のことを指します。

このことをしっかり理解していないと、民法は解けませんよ。

この権利能力は、 自然人と法人に認められますが、自然人については、出生によって権利能力が始まるとしています。


第3条 ★★★

1項
私権の享有は、出生に始まる。

2項
外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。


ですから、生まれる前の胎児には権利能力がないのですが、民法では、不都合が生じる場合の以下の3つについては、既に生まれたものとみなして、例外的に権利能力を認めています。

1.損害賠償請求権
2.相続
3.遺贈

この問題における遺贈については、胎児は既に生まれたものとみなされますので、胎児は遺贈を受けることができます。(第965条、第886条第1項)


第886条 (相続に関する胎児の権利能力)

1項
胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。

2項 
前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。


第965条(相続人に関する規定の準用)

第886条及び第891条の規定は、受遺者について準用する。


第891条 (相続人の欠格事由)

次に掲げる者は、相続人となることができない。

1.故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者

2.被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。

3.詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者4.詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者

5.相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
 
 
 
 
 






注文者の義務としては

■ 請負 ★★★



・ 注文者の義務としては、

報酬支払い時期は、原則として後払いとなります。

報酬支払いと目的物引渡しは、同時履行の関係に立ちます。

報酬支払いと仕事の完成は、同時履行の関係に立ちません。

例えば、請負人が「先にお金を支払わないと家を建てません」なんて言うのは、ダメだということです。




・ 請負の終了

注文者は、仕事の完成前であれば、請負人の受ける損害を賠償して、いつでも一方的に契約を解除することができます。

解除は仕事完成前に限られ、引渡し前でも完成後は解除でません。

目的物が可分であるときは、未完成部分についてだけ解除することができます。

請負人からは解除することはできません。

ただし、注文者が破産した場合などの例外あります。




「請負」に関しても、「40字程度で説明せよ」なんて狙われそうな箇所「てんこもり」でしたね。

行政書士試験ではそれほど「ひねった」記述で問う問題は出ないと予想されますが、常に基本となる内容は押さえておきましょう。
 
 
 

請負とは

■ 請負 ★★★



□ 請負とは

当事者の一方(請負人)がある仕事の完成を約束し、相手方(注文者)が、その仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束する契約をいいます。


※契約書の作成は必要ない「諾成契約」です。

口頭の約束だけで成立します。




□ 請負人の権利義務

請負人の責任により、仕事に着手するべき時期に着手しないとき、および途中で仕事を中止したときなど、注文者は請負契約を解除できます。


請負人はその仕事を、他の者にやらせることができます。

下請合人の故意過失について、請合人は責任を負います。


請負人が、材料の全部または主要部分を提供した場合など、完成した目的物はいったん請負人のものとなります。

引渡しによって注文者のものとなります。


注文者が、材料の全部または主要部分を提供した場合など、目的物ははじめから注文者のものとなります。




□ 請負人の瑕疵担保責任 ★★★

目的物に欠陥があった場合、請負人は下記の責任を負います。



・ 瑕疵修補請求権

原則あります。

例外として、欠陥が重要なものでなく、かつ、その欠陥を直すとすると多額の費用を要する場合はありません。 ★★★



・ 損害賠償請求権

原則として、瑕疵修補請求権とともに、またはこれに代えて行使できます。



・ 解除権

原則として、欠陥のため契約の目的が達成できないときは解除できます。

例外としては、建物その他土地の工作物(水道管敷設等)については解除できません。



・ 責任追及可能期間

原則として、目的物の引渡し(引渡し不要の場合は仕事終了時)から1年(特約で10年可)です。★★★

例外として、建物その他土地の工作物の欠陥の場合は5年、

石造、土造、レンガ造、金属造など、頑丈な工作物の場合は10年、

建物その他土地の工作物が、欠陥により滅失・毀損したときは、滅失・毀損から1年となります。


新築工事の特例として、請負人は、注文者に当該住宅を引き渡してから10年間責任を負います。

特約により、20年まで伸長可です。



・ 免責としては、

あらかじめ注文者との間で、担保責任を負わない旨の特約を結んでいた場合。

注文者の提供した材料または指図によって欠陥が生じた場合。

請負人が、材料または指図の不適切なことを知って告げなかった場合は当然に責任があります。
 
 
 
 
 






相殺

■ 相殺



・両債権がともに弁済期にあることが必要です。

受動債権については、期限の利益を放棄すれば、弁済期に達している必要はありません。

期限の定めのない債務は、自動債権としても受動債権としても相殺に供します。



・相殺を許す債務であることが必要です。

不法行為によって生じた債権を、「受動債権」として相殺することはできません。

例えば当たり前の話しですが、不法行為から生じた債務(損害賠償債務)を受動債権として相殺することにより、不法行為債務を免れることは許されません。

交通事故でAがBに100万円の損害を与えましたが、他方AはBに100万円の賃金債権を有していた場合など、

AはBに対して有する賃金債権を自動債権として、Bの損害賠償債権と相殺することはできませんね。

この辺りはすぐに理解できると思います。

なぜなら、これを認めてしまうと、弁済を受けられない債権者が、腹いせとして不法行為に及ぶ可能性があるためです。



相手方の同時履行の抗弁権が付着している債権を、「自動債権」として相殺することもできません。

同時履行の抗弁権が付着している債権を自動債権として相殺することを認めてしまうと、同時履行の原則が根底から覆されてしまいますね。

相手方に、強制的に履行させるのも同然です。



支払いの差止めを受けた債権を、「受動債権」として相殺することもできません。

支払いの差止め後に取得した債権を、「自動債権」として相殺することもできません。

差止めとは、たとえばAのBに対する債権が、Aの債権者Cによって支払いを止められることです(差押え)。

同時履行と同様、これを認めると、差押えという制度が無意味となってしまいます。

差押えの実効性を確保するため、上記の相殺は認められません。




・相殺の方法

当事者の一方から相手方に対する意思表示によって行われます。

この辺も試験ではよく問われる箇所ですので、よく理解しておく必要があると思いますが、

相殺の意思表示に、条件または期限を付けることができないことも、同時に頭に入れておきましょう。



・相殺の効果

双方の債権が、その対等額において消滅します。

その効力は、双方の債権が相殺適状になったときに遡及して生じます。





「問」 


「相殺の意味を40字程度で解説しなさい」。


「相殺とは 〜 であるが、では相殺が許されない場合とはどのようなケースがあるか、40字程度で答えなさい」。


「相殺とは 〜 であるが、相殺の方法を40字程度で解説しなさい」。


「相殺とは 〜 であるが、相殺の高価について40字程度で解説しなさい」。


「受動債権」とは?「自動債権とは?」


こんなところも、すらすらと答えられようになっておきましょう。
 
 
 
 
 






未成年者の法律行為

「問」 ○か×か?


未成年者がする取引についての法定代理人の同意は、未成年者自身に対してではなく、未成年者と取引をする相手方に対してなされても有効である。







「解答」 ○ です。


未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければなりません。


第5条(未成年者の法律行為)

1項
未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。

2項
前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。

3項
第1項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。


未成年者は制限能力者に該当しますので、未成年者が法律行為をする場合には、原則として法定代理人(一般的には両親)の同意が必要です。

※この法定代理人の同意は、誰に対してする必要があるのかというと、通説として未成年者自身に対してしても良いし、法律行為の相手方に対してしても構わないとされています。
 
 



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