ここで、「指定管理者制度」について簡単に触れます。
※先日、九州の読者の方より、「指定管理者制度」についてのとても的確なメールを頂きました。この場を借りまして、お礼を申し上げます。
「ありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願い致します。」
まず、「指定管理者制度」とは、
これまで、公の施設の管理を自治体が外部に委ねる場合は、相手先が市の出資法人や公共的団体などに限られていましたが、今回の指定管理者制度の導入により、市議会の議決を経て指定された民間事業者を含む幅広い団体(指定管理者)に委ねることができるようになりました。
公の施設とは、地方公共団体が住民の福祉を増進するために設置し、その地方公共団体の住民が利用する施設のことで、体育施設、文化施設、社会福祉施設、観光施設などがあります。
本庁舎や区役所は、行政の事務所にあたるので、該当しません。
指定管理者が行う公の施設の管理とは、施設の設置目的に沿って行われる包括的な管理のことで、清掃、警備、保守などの個々の業務とは異なります。
清掃、警備、保守などは、指定管理者制度を導入する施設については、指定管理者が直接行うか、あるいは指定管理者から他の業者に委託されます。
市が直接管理する施設については、市が業者に委託します。
現在管理委託をしている公の施設については、外部への管理の委任を続ける場合には、施行日から3年以内(平成18年9月1日まで)に指定管理者制度に移行することになります。
さて、具体的に見ていきます。
下記の第10章「公の施設」の条文を参照頂きたいのですが、
244条の施設の管理が、これまでは公共団体や、公共団体が1/2以上出資する法人に限定されていましたが、株式会社を含む「指定管理者制度」に変更されました。
この結果、議会の議決を経て民間会社を含む「指定管理者」から選定することになります。また、利用料も指定業者の収入とする制度となっています。
自治体業務を大規模に民間等に委託していく手法であり、自治体の公的責任を堅持させ、住民サービスと雇用を守る取り組みの強化が緊急に求められます。
この点、各方面からの非難がありますが、その言い分としては、「税金で造った施設で民間会社が利益をあげることができるとんでもない制度」だというものです。
これまでの管理委託制度は廃止され、現在、社会福祉協議会、事業団、公社・公団などに管理を委託している事業は、3年以内に、指定管理者制度に移行するか、直営に戻すかが迫られます。
また、総務省の指導もあり、今後新設される「公の施設」は指定管理者制度を前提にされるとともに、現在直営の施設も指定管理者制度による管理代行が急速に広がる危険性があります。
現在直営の施設と新設の施設を指定管理者制度で管理代行させる場合は、その時点で条例化し事業者の選任を行うことになり、すでに条例化した自治体がいくつも出ています。
これまでの「管理委託制度」は、自治体との契約にもとづいて具体的な管理を行うものであり、施設の管理権限及び責任は、地方自治体が担っていました。
「指定管理者制度」は、施設の管理に関する権限も委任して行わせるものであり、指定管理者は、利用許可も行い、条例の範囲で料金を自由に設定でき、使用料は指定管理者の収入として受け取ることができます。施設の管理だけでなく運営についても指定管理者が一定の枠の中で自由にできることになります。
指定管理者制度は、小泉構造改革の流れの中で「自治体のあり方を変える」「官から民へ」の一環として位置づけられてます。
総務省は、指定管理者制度と地方独立行政法人を「比較検討し」、どちらの手法がより適切が判断して具体化をはかるよう指示しています。これまでの直営の施設にあっても、「公の施設の管理状況全般について点検し、指定管理者制度を積極的に活用されるよう」(03年7月総務省自治行政局長通知)指示し、8月には厚生労働省の児童・保護・障害・高齢者分野の4課長連名の「社会福祉施設における指定管理者制度の活用について」との通達も出ています。
第10章 公の施設
普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとする。
2 普通地方公共団体(次条第三項に規定する指定管理者を含む。次項において同じ。)は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。
3 普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。
普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない。
2 普通地方公共団体は、条例で定める重要な公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止し、又は条例で定める長期かつ独占的な利用をさせようとするときは、議会において出席議員の3分の2以上の者の同意を得なければならない。
3 普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であつて当該普通地方公共団体が指定するもの(以下本条及び第244条4において「指定管理者」という。)に、当該公の施設の管理を行わせることができる。
4 前項の条例には、指定管理者の指定の手続、指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲その他必要な事項を定めるものとする。
5 指定管理者の指定は、期間を定めて行うものとする。
6 普通地方公共団体は、指定管理者の指定をしようとするときは、あらかじめ、当該普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
7 指定管理者は、毎年度終了後、その管理する公の施設の管理の業務に関し事業報告書を作成し、当該公の施設を設置する普通地方公共団体に提出しなければならない。
8 普通地方公共団体は、適当と認めるときは、指定管理者にその管理する公の施設の利用に係る料金(次項において「利用料金」という。)を当該指定管理者の収入として収受させることができる。
9 前項の場合における利用料金は、公益上必要があると認める場合を除くほか、条例の定めるところにより、指定管理者が定めるものとする。この場合において、指定管理者は、あらかじめ当該利用料金について当該普通地方公共団体の承認を受けなければならない。
10 普通地方公共団体の長又は委員会は、指定管理者の管理する公の施設の管理の適正を期するため、指定管理者に対して、当該管理の業務又は経理の状況に関し報告を求め、実地について調査し、又は必要な指示をすることができる。
11 普通地方公共団体は、指定管理者が前項の指示に従わないときその他当該指定管理者による管理を継続することが適当でないと認めるときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて管理の業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
普通地方公共団体は、その区域外においても、また、関係普通地方公共団体との協議により、公の施設を設けることができる。
2 普通地方公共団体は、他の普通地方公共団体との協議により、当該他の普通地方公共団体の公の施設を自己の住民の利用に供させることができる。
3 前2項の協議については、関係普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
普通地方公共団体の長がした公の施設を利用する権利に関する処分に不服がある者は、都道府県知事がした処分については総務大臣、市町村長がした処分については都道府県知事に審査請求をすることができる。
この場合においては、異議申立てをすることもできる。
2 第百三十八条の四第一項に規定する機関がした公の施設を利用する権利に関する処分に不服がある者は、当該普通地方公共団体の長に審査請求をすることができる。
3 普通地方公共団体の長及び前項に規定する機関以外の機関(指定管理者を含む。)がした公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求は、普通地方公共団体の長が処分庁の直近上級行政庁でない場合においても、当該普通地方公共団体の長に対してするものとする。
4 普通地方公共団体の長は、公の施設を利用する権利に関する処分についての異議申立て又は審査請求(第一項に規定する審査請求を除く。)があつたときは、議会に諮問してこれを決定しなければならない。
5 議会は、前項の規定による諮問があつた日から二十日以内に意見を述べなければならない。
6 公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求(第一項に規定する審査請求を除く。)に対する裁決に不服がある者は、都道府県知事がした裁決については総務大臣、市町村長がした裁決については都道府県知事に再審査請求をすることができる。