「電子政府実現のための重要な法制度」に関しては、平成12年度、平成13年度、平成14年度、平成15年度と1問は出題されていますので、この際覚えてしまいましょう。
・平成12年度の放送法、通信法、・平成13年度の不正アクセス禁止法、・平成14年度の個人情報保護法関連、・平成15年度の行政手続オンライン化法と、法律に根拠がある出題です。
放送・通信関連の法的規制についてはテキストの範囲にとどまらず、条文に一度は目を通し、自分なりに理解しておいて下さい。
不正アクセス禁止法
不正アクセス禁止法とは、「ID・パスワードの不正な使用」や「そのほかの攻撃手法」によってアクセス権限のないコンピュータ資源へのアクセスを行うことを犯罪として定義するものである。不正アクセス禁止法の目的は以下のようになる。
「電気通信回線を通じて電子計算機に係る犯罪の防止及びアクセス制御機能により実現される電気通信に関する秩序の維持を図り、もって高度情報化社会の健全な発展に寄与すること」(第1条より)
この条文は簡単にいうと、「ネットワークを利用してほかの端末に不正行為が行われることを防止したり、アクセス制御を越えて権限のないコンピュータ資源へアクセスするなどの、ハッキングに代表される行為を犯罪として定義し、罰することを規定することで秩序を守り、それがネットワーク社会の正常な発展につながる」といった具合になる。なお、不正アクセス禁止法において犯罪と定義されるのは以下のような行為である。
- 他人のID・パスワードを奪取・盗用して、その者になりすましてアクセス認証を越える行為は犯罪になる
- なりすまし以外の攻撃手法を用いて、認証サーバをだまし、それに従属する目標の端末を利用可能にする行為は犯罪になる
- 目標の端末を利用可能にするために、その端末の属するネットワークのゲートウェイ端末のアクセス認証をだまして、その内部ネットワークの目標を達する(目的端末を利用可能にしてしまう)ことは犯罪になる
上記3つの犯罪の場合、罰則は1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科される。
また特定のアクセス制御を有する端末に関しての、認証情報(ID・パスワードなど)をその端末利用者や管理者以外の人間に漏らしたり流布してはいけない、ということも規定されており、これは「不正アクセスを助長する行為」として犯罪とされ、本法により罰せられる。 この場合の刑は30万円以下の罰金刑である。
またシステム管理者は担当する当該システムが不正アクセスに遭わないように、常に適切な管理措置を講じる必要があると規定されており、これは努力義務である。
以上が不正アクセス禁止法の概要である。
■個人情報保護法
個人情報保護法
個人情報の保護に関する法律
本人の意図しない個人情報の不正な流用や、個人情報を扱う事業者がずさんなデータ管理をしないように、一定数以上の個人情報を取り扱う事業者を対象に義務を課す法律のこと。2005年4月より全面施行される。以下の5つの原則から成り立つ。
- 利用方法による制限(利用目的を本人に明示)
- 適正な取得(利用目的の明示と本人の了解を得て取得)
- 正確性の確保(常に正確な個人情報に保つ)
- 安全性の確保(流出や盗難、紛失を防止する)
- 透明性の確保(本人が閲覧可能なこと、本人に開示可能であること、本人の申し出により訂正を加えること、同意なき目的外利用は本人の申し出により停止できること)
この法律によって、本人の了解なくして個人情報の流用や売買、譲渡は規制されることになる。国の定める一定数以上の従業員を持つ企業体や、大量のカルテを有する医療機関など、個人情報をデータベース化(電子情報、紙データを問わない)する事業者は、個人情報を第三者に提供する際に、利用目的を情報主体(本人)に通知し了解を得なくてはならない。また不正流用防止のための管理を行う義務が発生する。
これを守らない場合、情報主体の届け出や訴えにより、最高で事業者に刑罰が科されるという実効性を持つ法律である。またこの法律により、DM(ダイレクトメール)や電話商法を目的とした個人情報の売買やそれに準ずる行為を行ういわゆる名簿業者などは、その存在を完全に否定されることとなる。
しかし問題点として、「情報主体(個人)が苦情処理機関または当該事業者に訴えでない限り、個人情報保護法が実効性を持つことは皆無」な法案であることが挙げられる。従って、政府による監査機能の一切ない法律の中でどれだけの事業者がこの法律に沿って個人情報を取り扱うかは大いに疑問が残るところだ。
この法律の意味する根底の部分には、情報主体に対して「自分の個人情報の取り扱いについてもっと関心を持ってほしい」との政府側の要望的意味合いが込められているととらえるのが心構えとしては妥当である。法律が自分たちの個人情報を1から10まで守ってくれるという見解を持つと期待外れになる。
「実効性がない法律」という印象を持たせる一方で、個人情報保護法に定められる「認定個人情報保護団体」(個人情報の取り扱いに関する事業者への苦情の処理や、個人情報保護指針の作成・公表を行う主務大臣認定の機関)によって、Pマークのような認定を証明するマークの発行を考えているNPO団体もあるようだ。
■行政手続オンライン化法
・電子政府・電子自治体の推進のための行政手続オンライン化関係三法について
・オンライン3法
□行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(行政手続オンライン化法)
施行日:平成15年2月3日
□行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(整備法)
施行日:平成15年2月3日
□電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律(公的個人認証法)
施行日:一部を除き公布の日から起算して2年を超えない範囲において政令で定める日
の3つの法律です。
「行政手続オンライン化法」は、これまで書面だけで行っていた行政手続をインターネット経由で申請されたものも「書面と同じように扱うことましょう」、つまり「インターネットから申請や届出が出来るように法律を読み替えることにしましょう」と規定したものです。
ただ申請・届出の中には、電子申請できないものもあります。
「整備法」は、「行政手続オンライン化法」だけではカバーできない例外を定める必要があるものについて、個々の法律の改正をとりまとめて行ったものです。
「行政手続オンライン化法」と「整備法」により、インターネットを使って行政手続が行える法的な土台が整備されたことになります。