被保佐人
○か×か?
銀行との間において金銭消費貸借契約を締結した被保佐人が、その銀行から2ヶ月以内に保佐人の追認を得べき旨の催告を受けたにもかかわらず、何らの通知もしなかった場合には、その契約は、追認されたものとみなされる。
代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己(代理人)のためにしたものとみなされます。
例外として、代理人の行為が、本人のためにされたことを相手方が知り又は、知ることが当然であるといった事情がある場合は、原則通り本人と相手方の間に法律効果が生じることになります。
制限行為能力者の相手方の催告権
○か×か?
銀行との間において金銭消費貸借契約を締結した被保佐人が、その銀行から2ヶ月以内に保佐人の追認を得べき旨の催告を受けたにもかかわらず、何らの通知もしなかった場合には、その契約は、追認されたものとみなされる。
誤りです。
制限能力者である4種類の人がした法律行為について、相手方は催告をすることができます。
第19条【審判相互の関係】
1項
後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人又は被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始又は補助開始の審判を取り消さなければならない。
2項
前項の規定は、保佐開始の審判をする場合において本人が成年被後見人若しくは被補助人であるとき、又は補助開始の審判をする場合において本人が成年被後見人若しくは被保佐人であるときについて準用する。
つまり、いつ取り消されるかが分からない状況にいつまでも相手方を置いておくのは、どうもまずいだろうということですので、相手方に催告権を与えて、取り消すかどうかを確定させようというものです。
第20条 【制限行為能力者の相手方の催告権】
1項
制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、1箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。
2項
制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。
3項
特別の方式を要する行為については、前2項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
4項
制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第17条第1項の審判を受けた被補助人に対しては、第1項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
被保佐人が能力者となる前の状況において、当該被保佐人との法律行為をした相手方が、1ヶ月以上の期間を定めて、その期間内に、保佐人の追認を得る旨を催告をすることができるという、条文に即した催告をしています。
この催告は有効です。
この催告に対して、保佐人の追認を得た旨の通知を発しなかった場合にはどうなってしまうのかということですが、これは、追認を認めなかった、つまり当該法律行為を取り消したものとみなされます。
これは、この肢の金銭消費貸借契約の締結は、第12条第1項第2号の「借財をなすこと」に該当し、本来ならば保佐人の許可を得てからしなければならない法律行為ですので、明確に許可(この場合は追認)を得られない以上、有効にはできないためです。
被保佐人
○か×か?
被保佐人は、保佐人の同意またはこれに代わる家庭裁判所の許可を得ないで自己の所有する自動車を他に売却した場合であっても、その自動車が善意の第三者に転売された後は、自己が締結した売買契約を取り消すことができない。
被保佐人のする法律行為については、一部重要な行為について、保佐人の同意またはこれに代わる家庭裁判所の許可が必要となります。(第13条1項各号)
第13条【保佐人の同意を要する行為等】
1項
被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
1.元本を領収し、又は利用すること。
2.借財又は保証をすること。
3.不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
4.訴訟行為をすること。
5.贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成15年法律第138号)第2条第1項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
6.相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
7.贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
8.新築、改築、増築又は大修繕をすること。
9.第602条に定める期間を超える賃貸借をすること。
そして、この同意または許可がない行為は、取消をすることができます。
この同意または許可が必要な法律行為の具体的な内容については、イメージとして覚えてしまうと、後々楽になると思います。
さて、この肢の自動車の売却ですが、自動車は重要な財産と判断できますので、同条第1項第3号より、本来、保佐人の同意が必要な行為であるということになります。
よって、この売却行為は取消しすることができるものであり、この取消権は、たとえ第三者に転売された後であっても、行使することができます。
つまり、(善意の)第三者の保護よりも、被保佐人の保護を優先していることになります。