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今の時点で何問正解できますか?


出題形式はばらばらですが、必須問題ばかりです。
間違えたり分からなかった場合は、すぐに解答・解説を読み、理解を深めて下さい。


※なお、出題された年代により現行の法令とは食い違う点があるかもしれません。その際はお知らせ下さい。
こちらまで >>




債務不履行

「問」 次の文章の空欄にもっとも適当な語句を(1)(2字)、(2)(4字)に記入しなさい。


債務者の責めに帰すべき事由により、債務の履行が不能となったときは、債権者は、【(1)】を要せず直ちに契約を解除することができる。

債務不履行を理由として債権者が解除権を行使した場合でも、債権者は債務者に対し【(2)】を請求することができる。

解除権の行使は【(2)】の請求を妨げない。





「解答」  (1) 催告    (2) 損害賠償

債務不履行の解除に関することは、絶対に覚えておきましょう。

履行不能の場合は、「催告」(漢字で書けるように!)をしても意味がありませんので、催告なしに解除ができます。

また、解除をしても、損害が残る場合は、損害賠償の請求も可能です。


※履行遅滞の解除

履行遅滞の場合は、直ぐに解除ができるわけではありません。

原則、相当期間を定め催告をし、その期間内に履行がなければ、解除ができます。

ごっちゃにならないよう、よく理解しておきましょうね。
 
 
 

代理人

「問」 ○か×か?


委任による代理人は、やむを得ない事由があるときは、本人の許諾を得なくても復代理人を選任することができる。





「解答」 ○ です。

任意代理人は、委任をする者(委任者)が、代理人を選んで、ある法律行為をすることを委任するものです。よって、本人と代理人(受任者)とは、ある種の信頼関係で成り立っているといえます。

また、任意代理人の場合は、法定代理人と異なり、結局は委任契約に基づいていますので、その辞任(解除)も簡単です。

よって、原則として任意代理人には復代理人を選ぶ権利(復任権)は与えられていません。

そして、その例外として、やむを得ない事由のあるときと、本人の許諾を得たときの2つについては、復任権を認めています。(第104条)

ちなみに、復代理人とは、代理人が選任した代理人のことを指します。

但し、この者は、自分を選任してくれた代理人を代理するのではなくて、あくまでも本人を代理することになります。(第107条第1項)
 
 
 

プライバシー

「問」 次の文章は、ある最高裁判所の判旨です。最も適当な語句を(1)に2字、(2)に3字に記入しなさい。


前科及び犯罪経歴は人の名誉、信用に直接かかわる事項であり、前科等のある者もこれをみだりに公開されないという【(1)】上の保護に値する利益を有する。


漫然と弁護士会の照会に応じ、犯罪の種類、軽重を問わず、前科等のすべてを報告することは、【(2)】の違法な行使にあたると解するのが相当である。





「解答」  (1)法律  (2)公権力

超有名判例の「前科照会事件」です。


・判例
S56.04.14 第三小法廷・判決 昭和52(オ)323 損害賠償等(民集第35巻3号620頁)

・判示事項
政令指定都市の区長が弁護士法二三条の二に基づく照会に応じて前科及び犯罪経歴を報告したことが過失による公権力の違法な行使にあたる
とされた事例

・要旨
弁護士法二三条の二に基づき前科及び犯罪経歴の照会を受けた区長が、漫然と照会に応じて前科及び犯罪経歴のすべてを報告することは、過
失による違法な公権力の行使にあたる。

参照・法条 国家賠償法1条1項,弁護士法23条の2


前科及び犯罪経歴(以下「前科等」という。)は人の名誉、信用に直接にかかわる事項であり、前科等のある者もこれをみだりに公開されないとい
う法律上の保護に値する利益を有するのであつて、市区町村長が漫然と弁護士会の照会に応じ、犯罪の種類、軽重を問わず、前科等のすべ
てを報告することは、公権力の違法な行使にあたると解するのが相当である。

他人に知られたくない個人の情報は、それがたとえ真実に合致するものであつても、その者のプライバシーとして法律上の保護を受け、これをみ
だりに公開することは許されず、違法に他人のプライバシーを侵害することは不法行為を構成するものといわなければならない。



プライバシー権に関しては、「宴のあと」事件も超有名判例です。

絶対に覚えておきたいところです。


「宴のあと」事件の要約

東京都知事選に立候補して惜敗した人物が、自分をモデルとする小説「宴のあと」を書いた作家(三島由紀夫)と出版社(新潮社)を相手取り、謝罪広告と損害賠償を請求して、訴えを起こした事件です。
「私生活をみだりに公開されないという法的保障ないし権利」としてのプライバシー権が明確化されました。

東京地判昭和39年9月28日判決
 
 
 

労働基準法

「問」 労働基準法に関する次の記述のうち誤っているものはどれでしょうか?



1,使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない



2,労働者が労働時間中に、公民としての権利の行使、または公の職務の執行のために必要な時間を請求した場合は、使用者は拒んではならない。ただし、権利の行使・職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。



3,労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分が無効となり、労働基準法が適用される。



4,常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。



5,産後8週間を経過しない女性を就業させることはできない。





「解答」 5 誤りです。

原則、産後8週間を経過しない女性を就業させてはなりません。

しかし、産後6週間を経過した女性が請求した場合、医師が支障がないと認めた業務にf就かせることはできます。

ですから、産後6週間までは就業させてはならないが、その後は条件付で、就業されることもできるという点を押さえましょう。
 
 
 

未成年者

「問」 ○か×か?


未成年者が負担付きの遺贈の放棄をするには、法定代理人の同意を要しない。





「解答」 × です。

未成年者が単独でできる行為は、単に権利を得、または義務を免れるべき行為に限られています。(第4条第1項但書)

この肢の「負担付遺贈」(第1002条)は、その文言の通り、負担つまり義務が付いてきていますので、単に権利を得る行為ではありません。

よって、原則通り、法定代理人の同意が必要となります。
 
 
 
 

戸籍法

「問」 戸籍法に関する次の記述のうち誤っているものはどれでしょうか?



1,戸籍の筆頭者とその配偶者以外の者が、これと同一の氏を称する子または養子を有するに至ったときは、その者について新戸籍を編製する。



2,戸籍事務は、市町村長および特別区の場合及び政令指定都市の場合は区長が管掌する。



3,戸籍の正本は市役所・町村役場に備え、副本は管轄法務局・地方法務局・地方法務局の支局が保存する。



4,戸籍の氏名は、夫、妻、子の順序に記載される。



5,出生届は、原則父または母が、出生があった日から初日を算入し、14日以内に届出なければならない。ただし、国外で出生があったときは、3カ月以内であればよい。





「解答」 4 誤りです。


氏名の記載順序(戸籍法14条)は、夫婦が夫の氏を称するときは夫、妻の氏を称するときは妻、配偶者、子(出生の前後によります)です。


※出生届は、原則父または母は、出生があった日から、初日を算入し、14日以内に届けでなければなりません。

しかし、国外での出生の場合は、3カ月以内です。
 
 
 

住民基本台帳法

「問」 住民基本台帳法の住民基本台帳ネットワークに関する次の記述のうち誤っているものはどれでしょうか?




1,1999年8月に住民基本台帳法が改正され、 住民票の記載事項として新たに11桁の番号をつけて国が住民情報を管理しようとする住民票コードが追加された。



2,民間で住民票コードの記録されたデータベースを作成したり、契約に際し住民票コードの告知を要求すると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる。



3,住民基本台帳法の本人確認情報とは、氏名、生年月日、性別、本籍、住民票コード、これらの変更情報である。



4,2003年8月25日の住民基本台帳ネットワーク第2次稼動で、住民は住所地市町村に申請すれば、市町村長から住民基本台帳カードの交付を受けられることができるようになり、住民票の写しの交付が全国どこからでも受けることができようになった。



5,住民基本台帳法改正で、 3年以内に個人情報保護法を成立させることが約束されたが、2002年の通常国会でも審議されたもののまだ成立していない。





「解答」 3 5 誤りです。


本人確認情報とは、氏名、生年月日、性別、住所、住民票コード、これらの変更情報です。

これは、暗記して下さいね。


※2003年8月25日の住民基本台帳ネットワーク第2次稼動のポイントは以下です。

・住民は住所地市町村に申請すれば、市町村長から住民基本台帳カード(ICカード)の交付を受けられるようになりました。

・住民票の写しの交付が全国どこからでも受けることができようになりました。
 
 
 
 

地方自治法

「問」 地方自治法における外部監査制度に関する以下の記述のうち誤っているものはどれでしょうか?



1,包括外部監査は、財務監査、事業監査に限られる。



2,都道府県および市町村は、包括外部監査契約が義務付けられている。



3,外部監査人になれるのは、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関して優れた識見を有する者で、弁護士、公認会計士、税理士、行政において監査などの事務に従事し監査の実務に精通した者として政令で定める者等である。



4,個別外部監査は、住民、議会、または長から法律で認められた監査委員に対する請求または要求があった場合に、監査委員の監査に代えて行う。



5,個別外部監査は、各地方公共団体が実情に応じて条例で定めた場合に、包括外部監査契約とは別に、要求のある事項ごとに締結することができる。





「解答」 2 誤りです。


包括外部監査契約に関しては、都道府県、政令指定都市、中核市の場合は、契約が義務付けられますが、それ以外の市町村では条例により採用することができるのみです。

要するに義務付けされているわけではありません。

特に注意点として、特例市は義務付けられていません。


ちなみに、

・ 指定都市=政令指定都市 : 「人口50万以上の市で、政令によって指定された市」。

権限が都道府県から委譲されたり、行政区を設けられる等、普通市とは異なった取り扱いが認められます。

札幌・仙台・横浜・川崎・名古屋・大阪等です。

・ 中核市 : 原則「人口30万人以上、面積100km2以上」の要件。

しかし、人口 50 万人以上の市は、面積要件がなくなります。

・ 特例市 : 「人口 20 万人以上」が要件である点は注意です。
 
 
 

憲法改正

「問」 ○か×か?


国会が憲法改正の発議をするには、各議院の出席議員の3分の2以上の賛成が必要である。





「解答」 × です。

国会が憲法改正の発議をするには、各議院の「総議員」の3分の2以上の賛成が必要です。

パターン化した出題ですね。でも、出ますよ。
 
 
 
 

憲法改正

「問」 ○か×か?


予算について、これを2会計年度ごとに作成して、国会の審議を受けるものとすることは、憲法改正を経なくても可能である。





「解答」 × です。


憲法86条では以下のように規定しています。

内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。


よって、設問のように2会計年度ごとに予算を作成するようにするためには、憲法改正が必要となります。
 
 
 
 

家庭裁判所

「問」 ○か×か?



現行の家庭裁判所は、憲法第76条2項前段にいう特別裁判所には該当しない。





「解答」 ○ です。


そもそも、特別裁判所とは、特定の人又は特定の性質の事件について裁判するために、通常裁判所の系列から全く独立して設けられた裁判所のことです。

家庭裁判所は、通常裁判所の系列下に属しておりますので、特別裁判所には該当しません。
 
 
 

内閣総理大臣

「問」 ○か×か?


内閣総理大臣に指名される者は、文民であり、国会議員でなければならない。





「解答」 ○ です。


内閣総理大臣は、文民であり、国会議員でなければなりません。

一方、国務大臣も同様に、文民でなければなりません。

しかし、国務大臣は必ずしも国会議員である必要はありません。
 
 
 
 

行政書士法

「問」 行政書士法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれでしょうか?


1,行政書士は、特に必要がある場合に限り、その事務に関して補助者を置くことができるが、その者の住所及び氏名を遅滞なく、行政書士会に届け出なければならない。


2,行政書士が引き続き2年以上業務を行わないとき、又は心身の故障により行政書士の業務を行うことができないときは、日本行政書士会連合会は資格審査会の決議に基づいて、その登録を抹消することができる。


3,行政書士は、その業務に関する帳簿を備え、これに事件の名称、年月日、受けた報酬の額、依頼者の住所氏名その他行政書士会の定める事項を記載しなければならない。


4,行政書士試験に合格したが、登録前に、事実の証明に関する書類を他人の依頼を受け報酬を得て作成した場合、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる。


5,立入検査をする場合においては、都道府県知事は、当該吏員にその身分を証明する証票を携帯させなければならず、それを関係者に呈示しなければならない。





「解答」 3 誤りです。

覚えていますか? もうこの時期には、行政書士法は完璧なほどにしておくべきだと思います。

なぜなら、今年の民法と商法、なにより一般教養がまた難儀そうですからね。

早め、早めに!


さて、行政書士は、特に必要がある場合に限り、その事務に関して補助者を置くことができます。

その者の住所及び氏名を遅滞なく、行政書士会に届け出なければなりません。

間違えないようにして下さい。

日本行政書士会連合会ではなく、行政書士会に届け出ます。

注意点として補助者の人数の制限はありません。


行政書士が、引き続き2年以上業務を行わないとき又は、心身の故障により行政書士の業務を行うことができないときは、日本行政書士会連合会は資格審査会の決議に基づいて、その登録を抹消することができます。

できるだけであって「しなければならない」わけではありません。

この点、注意が必要です。


※行政書士は、その業務に関する帳簿を備え、これに事件の名称、年月日、受けた報酬の額、依頼者の住所氏名その他都道府県知事の定める事項を記載しなければなりません。

ここので注意点は、都道府県知事が定める事項です。


※行政書士試験に合格したが、登録前に、事実の証明に関する書類を他人の依頼を受け報酬を得て作成した場合、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。

注意点は、合格したらその時点で行政書士なわけではなく、登録して初めて業務ができるという点を押さえておきましょう。


※立入検査をする場合においては、都道府県知事は、当該吏員にその身分を証明する証票を携帯させなければならず、それを関係者に呈示しなければなりません。

関係者の要求がなくても呈示しなければならないという点は覚えておきましょう。

って言うか、行政書士法は「丸暗記」でしょう。




 
 
 
 

津地鎮祭事件

政教分離規定は、いわゆる(制度的保障)の規定であつて、信教の自由そのものを(直接)保障するものではなく、国家と宗教との分離を制度として保障することにより、(間接)的に信教の自由の保障を確保しようとするものである。


ところが、宗教は、信仰という個人の内心的な事象としての側面を有するにとどまらず、同時に極めて多方面にわたる外部的な社会事象としての側面を伴うのが常であつて、この側面においては、教育、福祉、文化、民俗風習など広汎な場面で社会生活と接触することになり、そのことからくる当然の帰結として、国家が、社会生活に規制を加え、あるいは教育、福祉、文化などに関する助成、援助等の諸施策を実施するにあたつて、宗教とのかかわり合いを生ずることを免れえないこととなる。


 〜 中略 〜

政教分離規定の保障の対象となる国家と宗教との分離にもおのずから一定の限界があることを免れず、政教分離原則が現実の国家制度として具現される場合には、それぞれの国の社会的・文化的諸条件に照らし、国家は実際上宗教とある程度のかかわり合いをもたざるをえないことを前提としたうえで、そのかかわり合いが、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で、いかなる場合にいかなる限度で許されないこととなるかが、問題とならざるをえないのである。

わが憲法の前記政教分離規定の基礎となり、その解釈の指導原理となる政教分離原則は、国家が宗教的に中立であることを要求するものではあるが、国家が宗教とのかかわり合いをもつことを全く許さないとするものではなく、宗教とのかかわり合いをもたらす行為の(目的)及び(効果)にかんがみ、そのかかわり合いが右の諸条件に照らし相当とされる限度を超えるものと認められる場合にこれを許さないとするものであると解すべきである。

憲法二〇条三項は、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」と規定するが、ここにいう宗教的活動とは、前述の政教分離原則の意義に照らしてこれをみれば、およそ国及びその機関の活動で宗教とのかかわり合いをもつすべての行為を指すものではなく、そのかかわり合いが右にいう相当とされる限度を超えるものに限られるというべきであつて、当該行為の(目的)が(宗教的意義)をもち、その(効果)が宗教に対する(援助)、(助長)、(促進)又は(圧迫)、(干渉)等になるような行為をいうものと解すべきである。

その典型的なものは、同項に例示される宗教教育のような宗教の布教、教化、宣伝等の活動であるが、そのほか宗教上の祝典、儀式、行事等であつても、その(目的)、(効果)が前記のようなものである限り、当然、これに含まれる。


 〜 中略 〜

元来、わが国においては、多くの国民は、地域社会の一員としては神道を、個人としては仏教を信仰するなどし、冠婚葬祭に際しても異なる宗教を使いわけてさしたる矛盾を感ずることがないというような宗教意識の雑居性が認められ、国民一般の宗教的関心度は必ずしも高いものとはいいがたい。

他方、神社神道自体については、祭祀儀礼に専念し、他の宗教にみられる積極的な布教・伝道のような対外活動がほとんど行われることがないという特色がみられる。

このような事情と前記のような起工式に対する一般人の意識に徴すれば、建築工事現場において、たとえ専門の宗教家である神職により神社神道固有の祭祀儀礼に則つて、起工式が行われたとしても、それが参列者及び一般人の宗教的関心を特に高めることとなるものとは考えられず、これにより神道を援助、助長、促進するような効果をもたらすことになるものとも認められない。

そして、このことは、国家が主催して、私人と同様の立場で、本件のような儀式による起工式を行つた場合においても、異なるものではなく、そのために、国家と神社神道との間に特別に密接な関係が生じ、ひいては、神道が再び国教的な地位をえたり、あるいは信教の自由がおびやかされたりするような結果を招くものとは、とうてい考えられないのである。


以上の諸事情を総合的に考慮して判断すれば、本件起工式は、宗教とかかわり合いをもつものであることを否定しえないが、その目的は建築着工に際し土地の平安堅固、工事の無事安全を願い、社会の一般的慣習に従つた儀礼を行うという専ら世俗的なものと認められ、その効果は神道を援助、助長、促進し又は他の宗教に圧迫、干渉を加えるものとは認められないのであるから、憲法二〇条三項により禁止される宗教的活動にはあたらないと解するのが、相当である。
 
 
 
 

覚えたい判例 / 津地鎮祭事件

■ 津地鎮祭事件

最高裁昭和52年7月13日大法廷判決
(昭和46年(行ツ)第69号 行政処分取消等請求事件)
(民集31巻4号533頁、判時855号24頁)

・ 事実の概要

昭和40年1月14日、三重県津市の主催により、市体育館の起工式が神職主宰のもとで神式に則る地鎮祭として挙行され、市は神官への謝礼・供物代金等の費用7663円を公金より支出したが、同市市議会議員Sは、当該支出が憲法20条・89条に違反するとして、地方自治法242の2に基づき市長に対して損害補填を求めて出訴した(住民訴訟)。


・ 判決の流れ

第一審(津地方裁判所)
本件起工式は、「宗教的行事」ではなく「習俗的行事」として、原告の請求を棄却。

第二審(名古屋高等裁判所)
神社神道は憲法20条にいう宗教であるが、本件地鎮祭が宗教的行為か習俗的行為かについては、1,主宰者が宗教家であるか、2,順序作法が宗教界で定められたものか、3,一般人に違和感なく受容される程度に普遍性を有するものか、という三基準に照らし合わせれば、習俗的行為とはいえない。また、政教分離の目的は「信教の自由に対する保障を制度的に補強し確保する」こと、「国家と宗教との結合により国家を破壊し、宗教を堕落せしめる危険を防止する」ことにあり、国又は地方公共団体が行為主体となって特定の宗教活動を行えば、参加の強制如何を問わず分離原則に反する。


以上、本件起工式は憲法20条3項に反する行為であり、公金支出は違法であるとした。


これに対し、市長が上告した。



上告審(最高裁判所大法廷)
最高裁は、二審判決中の上告人敗訴部分を破棄自判し、原告の請求を棄却した(尚、5人の裁判官による反対意見と、1人の裁判官による追加反対意見が付された)。
 
 
 
 
 
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