英が国民投票凍結 欧州憲法の発効、困難に 05/06/07 付けニュース
フランスとオランダの国民投票で拡大欧州連合(EU)の基本法となる欧州憲法の批准が否決されたことを受け、英国のストロー外相は6日午後、議会下院で英政府が来年前半に予定していた国民投票の実施を凍結したことを明らかにした。
相次ぐ批准否決で瀕死(ひんし)の状態に陥った欧州憲法の発効が一層困難となった。
批准手続きの継続で一致しているフランスやドイツの反発を招くとともに、国民投票を予定している他の欧州連合(EU)諸国に“凍結の連鎖”を招く可能性もある。
今月16、17両日には、ブリュッセルのEU首脳会議で対応策が話し合われるが、批准手続き継続派と凍結派の激しい対立が予想される。また7月から英国がEU議長国になるため、欧州憲法の行方は一層不透明となりそうだ。
25カ国に拡大した欧州連合(EU)の指針となる基本法。
加盟国が批准する条約の形をとり、「大統領」や「外相」職の新設のほか、共通外交・安全保障政策の強化、機構改革、欧州議会の権限強化などが盛り込まれている。
昨年6月のEU首脳会議で合意、2007年初めごろの発効を目指す。発効には全加盟国の批准が必要で、これまでに10カ国が批准した。
5月29日にフランスで行われた批准の是非を問う国民投票で初めて否決。
6月1日のオランダの国民投票でも反対が圧倒的多数を占めたため、EUは同16、17日の首脳会議で善後策を協議する。
仏、欧州憲法否決 シラク政権に大打撃 05/05/31
付けニュース
難局打破へきょう新内閣発表
フランスで欧州憲法に「ノン」が突きつけられたのに続き、六月一日に国民投票を実施するオランダでも欧州憲法批准が否決される公算が大きくなっている。オランダでも「否決」となれば、欧州統合の動きはさらに失速を余儀なくされる。フランスとともに欧州統合の牽引(けんいん)役を担ってきたドイツでは失望感が広がっており、欧州の「未来」に向けて突き進んできた主要国の影響力にも陰りがでよう。
フランスが二十九日の国民投票で欧州憲法の批准を否認した背景には、高失業率や移民の流入に対する不満や不安があり、有権者たちは憲法に大量の「ノン」を浴びせることで、シラク政権に“制裁”を加えた形だ。シラク仏大統領は三十日、「内閣に関する決定を三十一日発表する」と述べ、国民の「懸念と期待」に応えて、ラファラン首相の更迭をはじめとする内閣の刷新を行う決意を表明した。新内閣はまず経済の立て直しに取り組むことになろう。
大統領は三十日、エリゼ宮(仏大統領府)で最大与党の保守政党・国民運動連合(UMP)のサルコジ党首(50)、ドビルパン内相(51)、アリヨマリ国防相(58)、ドブレ国民議会議長(60)ら有力候補と相次いで会談、最終的な選考調整を行った。
大統領の「意中の人」とされるドビルパン氏は外務省出身の官僚。外相経験はあるが議員ではなく、UMP内にも政治手腕を疑問視する声が高い。大統領は二〇〇七年の次期大統領選への出馬を虎視眈々と狙うサルコジ氏を自らの座を脅かすライバルと見なしているほか、九五年の大統領選で当時のバラデュール首相を支持した“過去”も完全に許していないといわれるが今回の難局打破のためにはサルコジ氏を適任とする声はUMP内で強い。
三十日発表の世論調査でも、首相適任者としてサルコジ党首が25%、アリヨマリ国防相が12%、ドビルパン内相が11%となっている。
三十日発表の世論調査によると「批准反対」の理由として、46%が「憲法が仏国内の失業率を高めるため」、40%が「不満を表明したい」、34%が「自由経済すぎる」と回答するなど、10%を超す失業率の増大など社会、政治状況への不満や不安が十年目に入ったシラク政権への批判と重なり、増幅している様子がうかがえる。
5/31 Sankei
Web より
| 【欧州統合のあゆみ】 |
| 1951年4月 |
仏、旧西独など6カ国が欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)
設立条約(パリ条約)に調印 |
| 67年7月 |
ECSCなど3共同体を統合し、欧州共同体(EC)がスタート
|
| 92年2月 |
欧州連合条約(マーストリヒト条約)調印 |
| 93年11月 |
欧州連合(EU)が同条約発効で正式発足 |
| 95年1月 |
スウェーデンなどが加盟しEU15カ国体制に |
| 2001年2月 |
EU拡大に向けたニース条約調印、03年2月発効
|
| 04年5月 |
ポーランドなど10カ国が参加、EU25カ国に拡大 |
| 6月 |
EU首脳会議が欧州憲法条約案を採択 |
| 12月 |
トルコとの加盟交渉開始決定 |
| 05年2月 |
スペインで欧州憲法条約の是非を問う国民投票 |
| 5月 |
スペイン批准承認。オーストリア、ドイツで議会承認 |
|
フランス、国民投票で批准否決 |
欧州憲法 25カ国に拡大した欧州連合(EU)のたがを締め直し、統合深化を目指すEUの基本法。
意思決定方式を改定、機構改革で任期2年半の大統領(欧州理事会常任議長)のほか、外相のポストを新設、共通の外交・安保政策に向けた調整機能を強化する。
加盟国間の国際条約の形を取っており、2006年11月発効を目指す。発効には全加盟国の批准が必要。
|
 |