〜 土地家屋と住環境 〜
◆ 不動産を買うときは
まず、物権を取り扱う宅地建物取引業者を確認することです。
登録業者なら、役所に行けばその規模や事故歴を調べられます。
注意したいのは、無登録の業者とは絶対に取引しないことです。
次ぎに、物権に抵当権など所有権を制限する権利が付いてないか、
登記簿を確認することです。
これも、自分で登記所に行った方が安心です。
なお、他人の物権だったり、借家人がいたりすることもあるので、必ず
現地調査して、物権の現状を自分で確かめて下さい。
この世界、騙される方が間抜けだと言われます。注意するにしすぎる
なんてことはありません。
◆ 住宅資金を借りたいときは
主な住宅ローンには、住宅金融公庫、雇用能力開発機構、年金資金運用基金、各自治体などの公的な融資と、銀行や信金、生保などの金融機関が行う民間の融資とがあります。
一般的に、公的融資の方が金利は安いですが、融資額は少ないですので、通常は民間の住宅ローンと組み合わせるしかありません。
なお、社内貸付制度があれば、利用すると便利かもしれませんね。
◆ 欠陥住宅を買ってしまったときは
住宅の品質確保の促進等に関する法律の施行により、新築住宅に欠陥(隠れた瑕疵)があった場合、売り主は10年間瑕疵担保責任を負います。(同法88条)
買い主は、梁や柱など構造耐久上主要な部分や屋根など雨水侵入防止の部分に瑕疵があった場合は、その部分の修補や代金減額請求、また時には契約解除もできます。
なお、業者の不適切な行為があった場合は、消費者契約法による契約取消もできます。
と、上記のようにお伝えすればいかにも消費者は守られているような感じを受けますが、実際にはそう簡単ではありません。
特に住宅のトラブルというものは、実際にそこに住んでみて初めてわかるケースがほとんどです。そして業者側は「わかっていても」、「知っていても」自分の手間のかかったり損になるようなことは絶対に言いはしません。
この業界のモラルの低下はバブル期よりも酷くなっているのが現状ですので、新築をする場合、自分で詳しく勉強するなどの知識武装は不可欠です。もっとも、その交渉する相手が倒産せずに残っている可能性の方が低いかもしれませんが(笑)
数千万の高い買い物をし、数十年かけて高いローンを組む人がほとんどなのですから、無知でいると、ホント地獄を見ますよ。真面目な話しです。
◆ 購入住宅に瑕疵が見つかったときは
物権に瑕疵(隠れた傷、欠陥)があって、購入目的が達っせられない場合は、善意の買い主は契約の解除ができます。(民法570条)
ただし、柱のわずかな傷などの軽微なものは解除は認められず、売り主に補修か、その修理代などを請求するしかできません。
請求は瑕疵を知ったときから1年以内で、売り主が業者の場合は引渡から2年以内です。
これが、瑕疵担保責任の原則です。
新築住宅の場合は、先日の例を参考にして下さい。
◆ 借家人を追い出したいときは
契約を更新したくなければ、家主は期間終了の6ヶ月前から1年前までの間に、借家人に対して更新しない旨の意思表示をする必要があります。(借地借家法26条)
この通知を怠ると、契約は自動的に更新されます。
ただし、通知をしても、家主側に正当事由がなければ、追い出すことはできません。
なお、借家人側に家賃不払い、無断転貸しなどの契約違反があれば、契約を解除し、明け渡しを求めることは可能です。
◆ 定期借地権契約を結びたいときは
定期借地権とは、更新のない借地権制度のことで、これは一定要件の下で認められます。
借地期間50年以上の一般定期借地権、期間30年以上で期間終了により借地上の建物を土地の貸し主に有償で譲渡する建物譲渡特約付借地権、期間10年以上20年以下で事業用の建物敷地に利用する事業用借地権があります。
いずれも当初から定期借地権契約を結ぶ必要がありますが、事業用借地権は必ず公正証書にしなければなりません。
◆ 定期借地権契約を結びたいときは
良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法により、借地借家法が一部改正されていて、定期建物賃貸借制度(定期借家法)ができています。
定期借家権契約を結ぶ場合、契約更新がないことを公正証書などの書面により定めておく必要があり、期間1年以上の契約では、家主は期間終了の6ヶ月前までに借家人に賃貸借が終了する旨の通知を出さなくてはなりません。
住居用物権は、当面、新契約にのみ適用されます。
◆ 建築物で日照を阻害されたときは
相手が建築基準法や条例の日影基準を遵守していない場合は、建築工事の差し止めや損害賠償を請求できます。
また、日照権侵害が受忍限度を超えていれば、適法であっても、裁判所は被害者側の請求を認めて、差し止めや損害賠償請求を命ずる場合もあります。
一般的には、都市部ほど受忍限度は高いですね。
なお、騒音や悪臭などのトラブルも、法令や各自治体の環境基準が適用され、最終的には受忍限度の問題となります。
◆ 隣家の火災で類焼したときは
原則として、失火元に損害賠償を請求できないことになっています。(失火の責任に関する法律)
木造家屋が多く類焼の可能性の高い日本では、火元に全責任を負わすのは気の毒という配慮からこのような法律が作られました。
ただし、故意に火をつけたり、火元に重大な過失があった場合には、例外的に賠償を請求できます。
類焼から建物や家財を守るためには、必ず火災保険を付けておくことです。
◆ 質の良い住宅を買いたいときは
住宅性能表示制度(住宅の品質確保の促進等に関する法律)による評価を受けた物件を買うことも一つの方法です。
これは、構造の安定、火災時の安全、高齢者への配慮など、住宅の性能についての共通の表示法を定めていて、第三者機関による評価を受けることにより、契約や紛争時のトラブルを迅速に解決しようという制度です。
ただし、この制度を導入するかどうかは、当事者の任意となっています。
国の住宅政策自体がまだまだ「業者」よりのため、住宅に関するトラブルは後を絶ちませんね。
いびつな契約方法、欠陥住宅の問題など、例をあげればキリがありませんが、買う側が「モノ言わぬ消費者」であることも問題です。
一生の買い物なのですから、事前に知識武装し、納得の買い物をして下さい。
◆ 家主が敷金を返さないときは
借家を明け渡すとき、部屋の造作を変えた借家人には原状回復義務があります。
また、建具などを壊した場合、その修理費用も原則借家人が負担することになります。
敷金は、そのような修理代や回復費用、または滞納家賃に充当するための預り金の意味があります。
家主はこれらの費用を除いた残金を、借家人に返還する義務があります。
これがもし返還されない場合、簡易裁判所に敷金返還の調停や支払催促、少額訴訟を申し立てると「いっぱつ」です(笑)
とは言っても、その手続の「面倒臭さ」に敷金を諦めるケースがほとんどのようです。もちろんそのことを百も承知で敷金を「あ〜だこ〜だ」と返さないんですけどね、業者の方は。
訴訟等々は別に、とにかく業者が不当なことを言っていると感じたら、まず「宅地宅建取引業協会」(各地方ごとにあります)に相談することです。
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