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 天皇

[ 要点 ]

◆天皇は、法律の定めるところにより、国事行為を委任することができる。

◆天皇の国事行為について内閣が国会に対して負う責任は、天皇に代わって
 負う責任(代位責任)ではなく、自己責任である。

◆天皇が国事行為を行う場合は、内閣の助言と承認に拘束される。

◆法律は天皇が公布するが、予算は公布しない。



天皇の国事行為

・憲法改正の公布 → 国会が発議し、国民が承認
・法律の公布 → 国会の権限
・政令の公布 → 内閣の権限
・条約の公布 → 内閣の権限で国会の承認

・国会を召集すること → 内閣が決定 助言と承認

・衆議院を解散すること → 内閣が決定 助言と承認

・国会議員の総選挙の施行を公示
 (衆議院総選挙、参議院通常選挙と期日の決定)
 → 内閣が決定 助言と承認

・国務大臣の任免の承認
 (内閣総理大臣以外の国務大臣。憲法99条の国務大臣は首相も入る)
 → 内閣総理大臣が任免
・法律が定めるその他の官史の任免の承認 → 内閣が任免
 (長官以外の最高裁判所裁判官、大使など)
・全権委任状の認証
 (外交交渉の委任状及び大使及び公使の信任状)、(派遣する文章)
 → 内閣が発する

・大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除の承認 
 (恩赦、刑の言い渡しの効力を失わせる) → 内閣が決定
・復権の認証 (資格の回復) → 内閣が決定

・栄典の授与 (例 : 文化勲章) → 内閣が決定 助言と承認

・批准書及び法律の定める外交文書の認証 (条約の最終確認書)
 → 内閣の権限

・儀式(例 : 即位の礼)を行うこと


■ 天皇



1、天皇の地位

天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく(憲法1条)と規定している。


2、天皇の権能

・内閣総理大臣の任命→国会の指名に基づいて、任命する。
・最高裁判所の長たる裁判官の任命→内閣の指名に基づいて、任命する。
・憲法の改正、法律、政令、条約の公布
・国会の召集→参議院の緊急集会は国会ではないので注意が必要。
・衆議院を解散すること。
・国会議員の総選挙の施行を公示すること。
・国務大臣及び法律の定めるその他の官史の任免の認証。
・全権委任状、大使、公使の信任状の認証。
・恩赦の認証→恩赦の認証とは、大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除、復権の認証のことである。
・栄典の授与→栄典の授与とは、勲章や褒章の授与のことである。
・批准書及び法律の定める外交文書の認証。
・外国の大使及び公使を接受すること。
・儀式を行うこと。



3、権能の臨時代行

天皇は、法律(国事行為の臨時代行に関する)の定めるところにより、国事行為を委任することができる。
例えば、病気や旅行などで一時的に国事行為が出来ない場合などである。

4、摂政

天皇自ら国事行為ができない場合に、皇室典範の定めにより、摂政という代行期間をおいて、摂政が、天皇の名で国事行為を行う。

5、皇位の継承、皇室の財産

皇位は世襲のものであり、皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

皇室に財産が集中したりしないように、皇室から財産を譲り渡したり、譲り受けたり、賜与することは、国会の議決によらなければならない。

また、すべての皇室財産は、国に属し、すべての皇室の費用は、予算に計上して国会の議決をえなければならない。



■ 財政



[ 要点 ]

◆憲法は租税法律主義を定めているが、地方税の内容を条例に委任することは許される。

◆国が債務負担行為をなすには、あらかじめ国会の議決を経ることとされているが、その議決は、すべて法律の形式によらなければならないわけではない。

◆公の財産を公の支配に属さない教育事業に支出することも許されない。

◆租税法律主義における租税とは、所得税、法人税などの形式的意味における租税に限られない。



財政国会中心主義

財政国会中心主義 83条

□収入
 ・租税法律主義 
  ・法律で定めること。→ 納税する人、その対象、税率+徴収手続き
   例外:条約、条例に基づく課税、通達に基づく課税。

□支出
 ・国費の支出
 ・国の債務負担行為
  予算の形式で国会の議決が必要。

□支出先
 ・宗教団体等への支出禁止 
 ・公の支配に属さない事業への支出禁止。

□決算
 ・会計検査院制度
 ・国会の審査
 ・財政状況の報告



■ 財政


1、財政国会中心主義

国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならない。 83条

2、租税法律主義

あらたに租税を課し、または現行の租税を変更するには、法律または法律の定める条件によることを必要とするとし、租税を課す際には、原則として、法律に基づかなくてはならないこととしている。 84条

これには、法律でない通達によって、今まで非課税であったものが課税対象となった場合に、この課税処分は違憲ではないかと争われたが、最高裁判所は、通達の内容が正しい法律の解釈に合致したものであれば、違憲ではないとした。 最判昭和33年3月28日



3、予備費

予測できない支出に対応するため、予算の中に予備費の計上を可能にしている。
予備費は、国会の議決に基づいて設けられるものであるが、その支出は内閣の責任においてなされる。 87条1項

ただし、支出した予備費については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならないが、承諾を得られない場合でも、内閣は政治上の責任はとるが、すでになされた支出の効力には影響を与えない。


4、決算

予算に基づいて、実際に収入・支出されて適正に行われたかどうかを審査し、内閣の責任を明らかにするために決算の制度が制定されている。

国の収入支出の決算は、すべて毎年「会計検査院」がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。 90条1項


5、財政状況報告

内閣は、国会及び国民に対して、定期的に、少なくとも毎年1回、国の財政状況について報告しなければならない。 91条



■ 地方自治


[ 要点 ]

◆特別区は、憲法93条フ項の地方公共団体に含まれない。

◆地方公共団体の議員の選挙を、法律で間接選挙によるものと規定することはできない。

◆条例の制定については、法律の特別の授権を必要としない。

◆条例において刑罰を設けるときは、法律の授権が相当程度に具体的であり、限定されていれば足りる。



地方自治の本旨

・ 団体自治(自らの事務を自らの機関で行う。)
 = 条例制定権など 94条

・ 住民自治(事務処理を住民の意思で行う。)
 = 議会・長などの直接選挙 93条2項
   地方自治特別法 95条

地方公共団体の機関  

・ 普通地方公共団体
  都道府県、市町村

・ 特別地方公共団体
  東京都の特別区(例 : 練馬区など)
  地方公共団体の組合(例 : 下水道管理組合)
  財産区(市町村合併に伴う管理等を行う。)
  地方開発事業団(総合的な公共用地の取得等のため、地方自治体が共同して行うための団体。)



■ 地方自治


1、地方自治の本旨

地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定めるとしている。 92条

地方自治の本旨とは、本質的な内容という意味であり、その意味とは以下の2点をいうものと解されている。

(1) 団体自治
地方公共団体は、国から独立した法人格をもつというもの。

(2) 住民自治 住民の意思によって地方自治が行われることである。


2、地方公共団体の機関

(1) 議会の設置
地方公共団体は、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置すると定める。

(2) 長・議員・その他の員の直接選挙
地方公共団体の長、その議会の議員及び法律で定めるその他の員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙すると規定している。(間接選挙は認められていない。)

憲法93条2項にいう「地方公共団体」とは、都道府県・市町村をいい、判例では、東京都の特別区は含まれないという判断がされている。



◆ 判例 ◆

・東京都の特別区は憲法上の地方公共団体かについて、「憲法93条の地方公共団体と言いうるためには、事実上、住民が経済的文化的に密接な共同生活を営み、共同体意識を持っているという社会的基盤が存在し、沿革的にみても、現実の行政の上においても、相当程度の自主立法権、自主行政権、自主財産権等地方自治の基本的機能を付与された地域団体であることを必要とする。」として、「地方公共団体」といえないとしている。 
最大判昭和38年3月27日



3、地方公共団体の権能

地方公共団体の自治権を保障するために憲法は、財産の管理、行政の執行、事務の処理、条例制定の権能を規定している。 94条

4、条例制定権

条例とは、地方公共団体が自主的に立法できる法のことであり、「法律の範囲内」で制定することが出来る。

憲法上の条例は、通説では、次の2つを意味している。地方議会が制定する条例(地方自治法96条)と長が制定する規則(地方自治法15条)の2つである。

条例により人権を制約することは、住民自身の意志に基づくことになるので、法律の範囲内であれば可能である。また、条例をもって罰則を科することも許されている。


5、地方自治特別法 95条

ある特別の地方公共団体だけに適用される特別法については、その住民の過半数の投票による同意を得なければ、国会はこれを制定できない。
TABLE OF CONTENTS

基礎法学
  法規範
  法の分類
  法の効力
  近代私法の
  基本原則
  自由と制約
  法の解釈
  法令用語

行政書士法
  業務 資格 
  登録 遵守義務
  行政書士会
・連合会
  監督機関 罰則
  総合
憲法
  前文 改正
  最高法規
  国民の権利及
び義務
  国会 内閣 
  司法
 天皇
  財政 地方自治
  総合
  講学概念

地方自治
  事務分類 
  直接請求
  条例及び規則 
  議会
  執行機関 監査
  財務 公の施設 
  地縁団体
 特別地方公共団体

行政法
  行政組織 公物  
  行政立法
  行政行為の種類
  行政行為の附款
  行政行為の瑕疵
  行政行為の取消・撤回
  行政強制 
  行政罰
 
  行政代執行

行政不服審査法
  総合 総則
  手続

行政事件訴訟法
  類型 取消訴訟
  事情判決
  訴えの利益
 
  総合

行政手続法
  総合 
  標準処理期間
  聴聞手続 
  行政指導

国家賠償法
  国家賠償法1条
  国家賠償法2条
  国家賠償法総合
  損失補償


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